ペットフードのメーカー・ブランドから選ぶ最適なフードの選び方

現在は様々なペットフードのメーカーから色々なペットフードが販売されていますが、価格やキャッチコピーだけを頼りにペットフードを選んでいないでしょうか。

メーカーやブランドの特徴を知ることは、より愛犬・愛猫に適したペットフードを見つけられる近道に。まずはペットフードメーカーの特徴について詳しく見ていきましょう。

ペットフードの最大シェアを誇るマース・ペットケア

アメリカの「マース ペットケア(MARS)」は、「ニュートロ(Nutro)」や「ロイヤルカナン(ROYAL CANIN)」「アイムス(IAMS)」「ペディグリー(Pedigree)」など、名だたるペットフードブランドを傘下に持つ世界最大のペットフードメーカーです。

後のペディグリーのとなるイギリスの「Chappell Brothers,Ltd.」というペットフードメーカーを買収し、1935年に誕生したマース ペットケアはM&M’sなど、人間用のお菓子で世界的にも有名なマースグループの一つ。

現在も多くのメーカーが買収されマース ペットケアの傘下に加わっていますが、動物の健康を研究するウォルサム研究所の設立など、ペットの栄養や健康に関連する様々な貢献度も高いペットフードメーカーです。

【マース ペットケア】ニュートロ(Nutro)

マース ペットケアを代表するのが、最適な栄養バランスと自然素材のおいしさを追求する老舗ペットフードメーカーの「ニュートロ(Nutro)」で、ペットフードのシェア率としても1、2を争うペットフードメーカーとしても知られます。

ニュートロは「ナチュラルチョイス」「シュプレモ」「ワイルドレシピ」といったブランドを展開し、「グレインフリー」や「動物性タンパクのこだわり」など、ハイクラスなペットフードの特徴を取り入れ、より購入しやすい価格で発売しているペットフードメーカーです。

穀物アレルギーをはじめ、食物アレルギーに悩まされる犬や猫が増加傾向にあるなか、いち早く対アレルギーフードを広く展開した大手ペットフードメーカーでもあり、グレインフリーフードを定着させたメーカーとも言えます。

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【マース ペットケア】ロイヤルカナン(ROYAL CANIN)

1968年に創業したフランスのペットフードメーカー「ロイヤルカナン(ROYAL CANIN)」も2002年に傘下へ加わり、マース ペットケアを代表するペットフードメーカーの一つとなりました。

ロイヤルカナンの最大の特徴と言えるのが「それぞれ異なる栄養素が必要」という考え方で、現在ではスタンダードとなった”超”小型用や”超”高齢用をはじめ、食の細い犬・猫用、運動量の少ない犬・猫用など、個々の犬猫により適したペットフードを発売した先駆者的なペットフードメーカーでもあります。

栄養はもちろんのこと、種類別に異なるキブルを採用するなど、ライフステージ別や種類別・サイズ別・ニーズ別といったように、非常に多くのフードラインナップが揃っているので、愛犬・愛猫により適したペットフードを選ぶことができるでしょう。

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【マース ペットケア】アイムス(IAMS)

1946年創業の老舗ペットフードメーカー「アイムス(IAMS)」もマース ペットケア傘下のペットフードメーカーで、ニュートロやロイヤルカナンと比較するとランクは少し下に位置するブランドとなります。

早くから動物性タンパク質をベースにしたフードの重要性に着目していたアイムスのペットフード。獣医師にも推奨されるペットフードは健康的な排泄物と毛艶、理想の体重維持という3つのポイントで愛犬・愛猫の健康を守ります。

価格帯もより購入しやすいので、一般的に「プレミアムフード」と呼ばれるペットフードの入門としてもおすすめのペットフードメーカーです。

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マース以外の海外の大手ペットフードメーカー5社

日本で販売されるペットフードシェアの多くを占めるマース ペットケアですが、マース傘下ではない、海外のペットフードメーカーにも多くの良質なメーカーが存在します。

高品質・高級路線をゆくペットフードメーカーや、他メーカーとは異なるアプローチで知られるペットフードメーカーなど、ペット先進国と呼ばれる国々には優れたメーカーが多いですが、その中から厳選して5社をご紹介していきます。

カナダの高級ペットフードメーカー「チャンピオンペットフーズ」

カナダを代表するペットフードメーカー「チャンピオンペットフーズ」は、高品質な高級ペットフード「アカナ(ACANA)」や「オリジン(ORIGEN)」といったフードブランドを展開しているペットフードメーカーです。

一般的なペットフードよりも3倍の肉を使用し、炭水化物の代わりに低GIフルーツや野菜で構成されるアカナのペットフードは価格も高いですが、高いクオリティを誇ります。また、オリジンは更に上を行くクオリティで、豊富な動物性タンパク質の使用が特徴となります。

チャンピオンペットフーズの強みと言えるのが自社製造の技術力。多くのペットフードメーカーは開発を自社で行い、製造は他社に任せるのが一般的ではありますが、アカナやオリジンは自社開発・製造を一貫して行っており、新鮮な原料をその日のうちに加工することで、より高品質なペットフード製造を可能にしています。

チャンピオンペットフーズの詳細はこちら

ニュージーランドを代表する高級ペットフードメーカー「ジウィ(ZIWI)」

肉類を96%使用し、穀類は一切使用しない高タンパクなペットフード「ジウィピーク(ZIWI Peak)」を製造・販売しているニュージーランドのペットフードメーカー「ジウィ(ZIWI)」も、高品質なフードを開発する世界的に有名なペットフードメーカーです。

ジウィピークの特徴となるのは、エアドライ製法と呼ばれる特注な製法で製造されるチップ状のペットフード。ほぼ肉を与えていると言える肉の含有量で、消化吸収にも優れるペットフードは95%という高い消化率を誇ります。

価格は高価ながら栄養価が高いため給餌量は少なく、より多くの動物性タンパク質を与えたいという飼い主さんの理想を叶えてくれるペットフードです。

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イタリアのペットフードメーカー「フォルツァディエチ(FORZA10)」

イタリアを代表するペットフードメーカー「フォルツァディエチ(FORZA10)」は獣医学と栄養学をベースにしたペットフード開発を行い、食事療法食としてペットの健康維持を目指したペットフードです。

イタリアの獣医師会にも認定されているフォルツァディエチの食事療法食は、耳や皮膚、胃腸、腎臓などペットがトラブルを抱えている症状に対し、薬ではなく食事から症状の緩和ケア・健康維持が期待できるペットフードで、他のフードとは違ったアプローチを取ることができます。

中でも特別な栄養を必要とするエイジングケアを得意としているペットフードメーカーなので、高齢犬や高齢猫などにもおすすめのペットフードと言えるでしょう。

フォルツァディエチの公式HPはこちら

アメリカの老舗ペットフードメーカー「日本ヒルズ・コルゲート」

日本ヒルズ・コルゲートは、病院用の療法食で高いシェア率を誇るペットフード「プリスクリプション・ダイエット」を発売している「ヒルズ(Hills)」の日本法人で、市販では「サイエンス・ダイエット」「サイエンス・ダイエット プロ」を展開。

腎疾患を患う一匹の盲導犬を救うため、栄養の整ったペットフードを開発したことから始まった1930年創業のヒルズは、アメリカの獣医師がNo.1に推奨するペットフードブランドとしても有名です。

ヒルズは科学的な側面からペットフードの研究・開発を得意としているペットフードメーカーで、皮膚や心臓・腎臓など、特に配慮したい部位やペットの健康状態に合わせたペットフードを選ぶことができます。

日本ヒルズ・コルゲートの公式HPはこちら

キャットフードのラインナップが揃うペットフードメーカー「ネスレ日本」

キットカットをはじめとしたお菓子で世界的に有名な「ネスレ」の日本法人、「ネスレ日本」のペット事業である「ネスレピュリナペットケア」は、「ピュリナワン」や「フリスキー」「プロプラン」「モンプチ」等を展開するペットフードメーカーです。

キャットフードのラインナップが豊富なピュリナブランドの中でも最高峰で知られるのが、科学的知見に基づいた製品開発で誕生したピュリナのペットフードブランド「プロプラン(PRO PLAN)」です。

プロプランのラインナップにはペットの認知機能や免疫力維持に配慮したペットフードのほか、猫アレルギーの原因物質を減少させるキャットフードなど、他のペットフードメーカーとは異なる視点のラインナップが展開されています。

ネスレ日本の詳細はこちら

日本のペットフードメーカー

ペットフードの歴史は海外の方が古いですが、日本では「いなばペットフード」や「日本ペットフード」がいち早くペットフードの開発・販売を行っていました。

海外のペットフードと比較すると、クオリティや使用する原材料にもやや差は見られるものの、日本ならではと言える技術力は世界的にも認められるものとなっています。

日本を代表するペットフードメーカー「ペットライン」

日本を代表するペットフードメーカーの大手のひとつ「ペットライン」は、「メディコート」や「メディファス」「プロフェッショナル・バランス」「キャネット」などのブランドを展開するペットフードメーカーです。

また、2020年には「日清ペットフード」がペットライン傘下に加わり、日清ペットフードを代表する「JPスタイル」シリーズのペットフードもペットラインのラインナップに加わりました。

ペットラインの公式HP

ペット用おやつを得意とするペットフードメーカー「ドギーマンハヤシ」

「ペットフードはドギーマン」のテレビCMでお馴染みのドギーマンハヤシも、日本を代表するペットフードメーカーの一つです。

ドギーマンハヤシのペットフードは「紗(さや)」や「ヘルシージャーキー」といったおやつ類がメインで、ペット用食品のほかにもペットシーツやペット用バリカンなど、ペット用品も数多く展開しています。

ドギーマンハヤシの公式HPはこちら

日本で初めてペットフードを販売した「日本ペットフード」

日本の老舗ペットフードメーカー「日本ペットフード」が発売している「ビタワン」は、2020年に発売60周年を迎えたペットフードで知られます。

1960年(昭和35年)当時の日本ではまだ珍しかったドッグフードですが、日本企業(協同飼料株式会社)として日本で初めて販売されたペットフードは、粉状のドッグフードからはじまりました。

第一次ペットブームと言われる1980年代、日本にペットフードを浸透させたのは日本ペットフードのビタワンと言っても過言ではありません。

日本ペットフードの公式HPはこちら

日本で初めてペットフードの製造を手掛けた「いなばペットフード」

テレビCMなどでもお馴染みの「いなばチャオちゅ〜る」は、ライトツナ缶など人間用の水産加工食品・缶詰を製造・販売するいなば(INABA)から発売しているペットフードです。

いなばペットフードの強みとなるのは世界的に認められる食品缶詰の技術力。

1958年(昭和33年)に日本初のペットフード事業を開始し、海外向けペットフードの製造を行ったのもいなばペットフード(旧:稲葉食品株式会社)でした。

いなばペットフードの公式HPはこちら

水産加工品の技術力が強みのペットフードメーカー「アイシア」

「黒缶」「純缶」や「焼津のマグロ」などのキャットフードを多数展開しているアイシアも、水産加工食品・缶詰の製造・販売を得意としているペットフードメーカーです。
「マルハニチロ株式会社」の名称で知られ、2005年に「アイシア株式会社」に社名変更となりました。

アイシアの主力商品でもある黒缶は、発売40周年を迎えたキャットフードの老舗ブランドでもあり、かつおの素材力を活かした商品力は多くの猫を虜にしているようです。

アイシアの公式HPはこちら

ペット用トイレタリーを得意としている「ユニ・チャーム ペットケア」

高い人気を誇るキャットフード「銀のスプーン」や犬種別のドッグフードを展開する「ベストバランス」のほか、ペット用トイレタリーで高いシェア率を誇る「デオシート」「マナーウェア」「デオトイレ」を展開しているペットフードメーカーが

「ユニ・チャーム ペットケア」です。

人間用の日用品で有名なユニ・チャームですが、ペットシーツをはじめとしたペット用トイレタリーの開発・製造にもユニ・チャームの技術力が活かされており、中でも「マナーウェア」は犬猫用のおむつ市場を拡充したヒット商品となっています。

ユニ・チャーム ペットケアの公式HPはこちら

ペットフードをメーカーで選ぶ理由とは

ペットフードはメーカーによってそれぞれ異なる特徴を持ちますので、飼い主さんがより多くのペットフードメーカーを把握し、どんなペットフードがあるのかを知ることが、愛犬・愛猫により適したペットフードを選ぶための近道となります。

特にヨーロッパ諸国をはじめとしたペット先進国と呼ばれる国々は、犬や猫への考え方も違いますし、ペットフードの品質も日本のペットフードと比較してクオリティが高い傾向にあります。

フード選びの参考に覚えておきたい「AAFCO基準」

ペットフードを選ぶ際の参考にしておきたいのが、ペットフードの栄養基準を制定しているアメリカの団体「AAFCO(アフコ、米国飼料検査官協会)」による栄養基準をクリアしているかどうかというポイントです。

AAFCOは日本のペットフード公正取引協議会も栄養基準に採用するなど、世界的にも認められている団体で、ペットフードの栄養基準をライフステージ別に定め、ラベル表記などのルールに関してもガイドラインを設定しています。

AAFCOはペットフードを”認定“する機関ではありませんが、ペットフードのパッケージに「AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準をクリア」と表記されているペットフードは、総合栄養食として基本的な基準を満たしていると判断することができます。

ペットフードの特徴と原材料のチェックが重要!

AAFCOの表記について注意したい点が、AAFCO基準を満たす全てのペットフードが愛犬・愛猫に適しているわけではない点です。

総合栄養食としての栄養基準は満たしているものの、愛犬に適した原材料を使用しているとは限らないため、食物アレルギーの有無を含め、原材料のチェックは欠かせません。

より愛犬・愛猫に適したペットフードを選ぶには、AAFCOの基準を満たしている事を基本とし、ペットフードメーカーのクオリティと原材料表記をしっかりと確認することが大切になるわけです。