ゴールデンレトリバーのトリミングは必要?自宅でも出来る?

ゴールデンレトリバーは、人や犬が大好きで愛情深くフレンドリーで、賢くしつけもしやすいです。明るく家族が大好きで、日本でもとても人気のある犬種です。

ゴールデンレトリバーは、水中に落とされた獲物を回収するために作られた犬種で、水中での仕事がしやすいように被毛が密に生えています。ゴールデンレトリバーの被毛はダブルコートで、水中での仕事をしやすくするため、水を弾く性質をもっています。

そんなゴールデンレトリバーですが、夏の暑い季節、ふわふわの被毛が暑苦しいと、ゴールデンレトリバーの飼い主さんは、毎年思うのではないでしょうか。

ゴールデンレトリバーの体の毛をバリカンで刈り、ライオンカットのようにしたり、サマーカットにする飼い主さんもいます。ゴールデンレトリバーのサマーカットは、本当に涼しく、ワンちゃんの体にとって良いことばかりなのでしょうか?

サマーカットのメリットやデメリット、サマーカットの必要性などをお話ししたいと思います。

ゴールデンレトリバーに本当にトリミングが必要なのか?

ゴールデンレトリバーは、トイプードルや、マルチーズのように、全身の被毛が伸び続けることはなく、足裏のパットの毛が伸びたり、飾り毛が伸びるだけです。

基本的にゴールデンレトリバーは、体全体の被毛のカットは必要ありません。毛のカットが必要なところは足裏のパットの毛や、お尻まわりの毛くらいでしょう。

足裏のパットの毛は伸びすぎていて肉球が隠れるようになってしまうと、フローリングなどで滑りやすくなってしまいます。走っていて滑ってしまうことにより、転んでしまったり、関節など足腰を痛めてしまうこともあります。

足裏の毛が短いと、散歩から帰ってきた時に、拭いたり洗ったりするのも楽になります。

お尻まわりの毛が伸びていると、おしっこやうんちをした時に汚れてしまい、臭いが気になる飼い主さんも多いでしょう。その場合は、バリカンで肛門周りや、陰部のあたりの毛を短く刈ってあげましょう。

ゴールデンレトリバーのカットは危険?カット前の基礎知識

ゴールデンレトリバーの飼い主さんは、夏の暑い時期にふわふわの毛を身にまとったゴールデンを見て、暑そうに思うこともあると思いますし、ブラッシングの手入れが大変で、サマーカットにしたいと言う方も多いと思います。

しかし、ゴールデンレトリバーの被毛には意味があるのをご存知でしょうか?夏で暑そうだからとむやみにカットすべきではありません。まずは被毛の役割を理解しサマーカットのメリット・デメリットを把握しておきましょう。

ワンちゃんの被毛の役割とは?

①紫外線や直射日光から、身体を守っている

密に生えている被毛は、日差しから身を守ってくれているのです。夏の紫外線や直射日光のことを考えると、被毛で守られていた方が良いと思いませんか?

②身体が乾燥してしまうことを防いだり、水に濡れてしまうことも防いでいる

ワンちゃんの被毛は、防水の効果もあり、水に濡れることや、身体が乾燥してしまうことも防いでくれています。

③寄生虫や病原体の感染から身を守っている

全身、被毛で覆われていることで、寄生虫が皮膚に寄生することや、病原体が身体に進入してしまうことを防いでいます。

④体温調整の役割もある

ワンちゃんは、たくさんの被毛があることで、身体のまわりに空気の層が出来ていることになります。ですから、外の気温にすぐに影響されずに、体温が調整されているのです。

このように、ワンちゃんの被毛には、さまざまな役割があるのです。被毛の役割を考えると、ゴールデンレトリバーサマーカットは必要ないように思われます。

ゴールデンレトリバーをサマーカットにするメリット

①被毛の手入れが楽になる

毛が短くなるので、刈った部分のブラッシングが必要なくなります。シャンプーも早く終わりますし、すぐに乾くのでドライングも短時間で終わります。

真夏の暑い日に、ゴールデンレトリバーのドライングは、飼い主さんにも負担がかかるので、毛が短くなると助かります。

②毛玉が出来にくくなる

被毛が短い間は、毛玉が出来にくくなります。ゴールデンレトリバーは、脇や内股、お腹や耳の後ろなどによく毛玉が出来ますが、その部分を短く刈ることで、毛玉が出来にくくなります。

③いつもと違う姿になり、とても可愛い!

なんといっても、サマーカットは、いつものワンちゃんから別の姿に変身するので、笑ってしまうくらい可愛くなります。

ライオンのしっぽにしたり、部分的に長く被毛を残して、体にハートマークや星マークをつけることもできます。

④見た目が涼しげに見える

真夏の暑い日に、ふわふわもこもこの姿を見るよりも、ツルッとさっぱり刈った姿を見ていると涼しげで、暑苦しくなくなります。撫でる時も、ツルツルしていて、暑くありません。

ゴールデンレトリバーをサマーカットにするデメリット

ゴールデンレトリバーに限らず、サマーカットにすることによって、体調を崩してしまうワンちゃんもいます。

①被毛の質が変化してしまう

バリカンで全身の毛を短く刈ってしまうと、その後、もとの美しい艶のあるゴールドの被毛が生えてこないこともあります。

長い部分と短い部分とムラが出てしまったり、ゴワゴワした今までとは違う被毛生えてしまうこともります。

一度バリカンをかけてしまうと、一生元に戻らないこともあるという事を覚えておきましょう。しっかり覚悟してからではないと、バリカンをかけてはいけません。

②体温調整が出来なくなってしまう

飼い主さんが良かれと思って行うサマーカットですが、被毛がなくなってしまったことにより、体温調整が難しくなってしまいます。

体温調整が出来なくなると、真夏の暑い日には熱中症になってしまうこともあります。
体を保護する被毛がなくなってしまうので、サマーカットにした場合は、散歩で外へ出る場合、服を着せてあげる必要があります。

必要がなくなると、直射日光があたってしまいますし、アスファルトの照り返しも受けてしまいます。

③バリカン負けを起こしてしまうことがある

ワンちゃんにもよりますが、バリカンをかけることで、皮膚が負けてしまい赤くなってしまうワンちゃんもいます。

全身バリカンをかけることで、皮膚全体が赤くなってしまったり、かぶれてしまっては大変です。

ゴールデンレトリバーですと、全身を刈るのに時間もかかりますし、嫌がって動いた時に、バリカンで皮膚を傷つけてしまうこともあります。

ゴールデンレトリバーを自宅でトリミングする際のポイント

①触られることが好きなワンちゃんに育てる

ゴールデンレトリバーを、自宅でトリミングをする場合、気を付けなければいけない事は、まずは子犬の頃から体を触られることに慣れさせておくことです。

成犬まで成長した、大きなゴールデンレトリバーが暴れてしまっては、プロのトリマーでも1人でシャンプーやドライングを行うことが難しいです。

シャンプー中に飛びついてきたり、台から降りようとしたりしては大変です。基本的なしつけ、『マテ』を完璧にしておかなければ、爪切りやシザーでのカットの時に怪我をさせてしまうこともあります。

子犬の頃から、『マテ』を確実に出来るようにしつけましょう。

ゴールデンレトリバーは、人が大好きですが、臆病なところもあります。なので、慣れない器具などを見て怖がってしまう子もいるかもしれないので、子犬の頃から爪切りの道具やバリカン、ドライヤーに慣れさせることが大切です。

バリカンやドライヤーの動く音に怖がることもあるので、小さな頃からいろいろな音にも慣れさせておきましょう。おうちにワンちゃんが来たときから、しつけを始めます。

家族全員に触られることに慣らしてあげて、爪切りをしながらご褒美を与えたり、ブラッシングをしながら大袈裟に褒めてあげたりして、シャンプーなどのグルーミングは楽しいこと、いいことであると覚えさせましょう。

しつけについては下記の記事で詳しくご紹介していますので合わせて読んでみてください。

子犬にお手とおかわりは教えるべき?効果的な教え方をご紹介

子犬のしつけ:家に迎えた日から始める6つのしつけポイント

②トリミング用シザーは危ないのでバリカンで行う

ゴールデンレトリバーを飼っていたら、バリカンが1つあると便利です。初心者では、やはりトリミング用のシザーを使ってカットするのは難しいのです。

バリカンがあれば、足裏のパットの毛を処理することも簡単ですし、耳の後ろや脇に毛玉が出来てしまった時に、バリカンで刈ってしまうことが出来ます。

もしも、失敗してしまっても、バリカンですと小さな傷で済みますが、トリミング用のシザーは切れ味が良く、肉球や皮膚をスパッと切ってしまうこともあります。

ワンちゃんが急に動いた時や、嫌がっている時にシザーが当たってしまうと、糸で縫わないといけないような傷をつけてしまうこともあるのです。

③トリミング用のシザーを使う場合は、慎重に

トリミング用のシザーを使って、飾り毛などをカットしたい場合は、シャンプー後によくコームで梳かしてカットします。

汚れていたり、よくコーミングが出来ていないとガタガタになってカッコ悪くなってしまいます。

毛玉が出来てしまって、毛玉をシザーでカットする場合は、絶対に毛を引っ張りながらカットしてはいけません。

思っている以上にワンちゃんの皮膚はよく伸びます。毛を引っ張っていると思っていても、皮膚も引っ張っられていて、シザーで皮膚を切ってしまい、動物病院へ連れてくる飼い主さんもいます。

耳や脇などの皮膚をシザーで切ってしまいますと、麻酔をかけて縫うという手術が必要になってきます。シザーを使う時には、十分に注意しましょう。

④シャンプー前のブラッシングは入念に行う

ゴールデンレトリバーの抜け毛は、とても多く、シャンプーをすると、排水溝にとてつもない量の抜け毛がたまりますし、ドライヤーをかけると、部屋中に毛が舞います。

その舞う毛を少しでも減らすため、ドライングの時間を少しでも短くするために、シャンプーを始める前に、よくブラッシングをして抜け毛を除去してあげましょう。

ブラッシングをすることで、フケや汚れも落としてくれるので、シャンプーも泡出しやすくなり、シャンプーの量も少なくて済みます。

ゴールデンレトリバーにオススメなトリミング用品

ファーミネーター

参考URL:amazon

余分な抜け毛を除去してくれる優れものです。換毛期には面白いくらいゴッソリ抜け毛が落ちて、ツルツルサラサラになってくれます。

小型犬用と中型、大型犬用、短毛種用と長毛種用、犬用のほかに猫用やうさぎなどの小動物用のファーミネーターもあります。

ワンちゃんの体についている余分な抜け毛を取ってくれるので、飼い主さんの服についたり、部屋に抜け落ちる毛も減るので、部屋の掃除も楽になります。

大型犬用爪切り

参考URL:楽天市場

動物病院や、トリミングサロンで爪切りをお願いすると、一回に500円ほどかかると思いますが、ゴールデンレトリバーの場合、動物病院へ連れて行くのも大変な場合もありますし、自宅でケアしてあげることが出来れば、歳をとってからも、負担がかからなくて、ワンちゃんにとっても嬉しいことです。

爪切りは、ギロチンタイプが使いやすいでしょう。ゴールデンレトリバーの爪は太いので、通常の犬用爪切りですと、穴に入らない場合もあるので、必ず大型犬用の爪切りを用意しましょう。

爪切りも、成犬になってからしつけるのではなく、子犬の頃から爪切りに慣らせてあげます。一本切るたびにご褒美を与えたり、撫でたり褒めたりしてあげましょう。爪切りのしつけは下記の記事で詳しくご紹介していますので合わせて読んでみてください。

犬の爪切り:子犬のときから習慣付けよう!爪切りテクニック

トリミング用のシザー

参考URL:amazon

どうしても、お尻まわりや四肢の飾り毛をカットしたかったり、毛玉をカットしたい場合は、トリミング用のシザーを購入しましょう。

素人用に、先端が丸くなっているものもあります。急にワンちゃんが動いてしまっても、シザーの刃の先端で怪我をさせてしまう心配がありません。

しっぽの毛を短くカットしたり、お尻まわりに、うんちの通り道のように隙間を作ったりしても良いでしょう。

サマーカットにしなくても、しっぽやお腹の毛、四肢の飾り気を整えるだけでも、とても綺麗なゴールデンレトリバーになりますよ。

さいごに

被毛の役割や、サマーカットのメリット、デメリットを総合的に考えると、やはりゴールデンレトリバーにサマーカットは必要ないのではないでしょうか。

部屋の掃除が大変ですし、夏に見ていて暑苦しいですが、ゴールデンレトリバーの光沢のあるゴールドの被毛は、上品で優雅ではないでしょうか。サマーカットなどにはせず、気になる長い毛だけを、部分的にカットして、ゴールデンレトリバーの個性を生かしてあげてもいいのではないでしょうか。