犬には危険?知っておきたい夏の散歩4つのポイント

毎日のわんちゃんとの大切な時間。お散歩は日頃の運動不足やストレスを解消してくれるし、飼い主さんとの信頼関係を築いていくためにも必要な日課です。

そのお散歩。毎日同じ時間、毎日同じコースでお散歩をしてはいませんか?近年特に夏は暑く、冬は寒く、、、歩き慣れている道でも四季によって環境が大いに変わってきてしまいます。

靴を履いている私たちにとってなんてことない道も、わんちゃんにとっては危険な道だったり。言葉でのコミュニケーションができないからこそ気をつけるべき、『夏のお散歩』についてご紹介します。

1.夏のお散歩で注意すること

猛暑日が何日も続いたり、熱中症で毎年何万人もの方が病院へ搬送されたり、酷暑と叫ばれることが多くなった日本の夏。近年では特に「暑さの危険」を感じます。お散歩が大好きなわんちゃん達にとっても夏は他の季節よりも注意が必要です。

散歩コースはどんなコース?

普段のお散歩コースはどんな道ですか?きっと多くの方はアスファルトの道を利用するでしょう。日本ではほとんどの道が舗装されていますから、都心では特にアスファルトじゃない道を探す方が大変かもしれません。

夏のお散歩の注意点として、まず暑い時間帯(アスファルトが熱くなっている時間帯)を避けましょう。

アスファルトは熱すぎる!

アスファルトは真夏の陽が差す時間になると、だいたい50〜60℃近い温度になります。私たちは靴を履いて外を歩くので、特に何も感じることはないと思いますが、柔らかい肉球で地面を踏みしめるわんちゃん達は熱くなったアスファルトの上を歩くと火傷をしてしまったり、傷ができてしまったりするのです。

ましてやわんちゃんは私たちよりも背が低いのでアスファルトの熱をダイレクトに受けてしまいます。基本的に犬の多くは暑さに弱く、もともと体温が高いため熱中症などになりやすい危険があります。全身が毛で覆われているので熱も逃げにくく、私たちと違って汗をかくことで体温調節ができません。わんちゃんの汗腺は肉球にしかないのです。

ワンちゃんの様子をチェック

夏によく見かけると思いますが、口からベロを出してハアハア息をすることでわんちゃん達は体温調節をしています。ボストンテリアやブルドッグ、シーズー、パグ、狆などの鼻が短い種類(短頭種)のわんちゃん達はもともと呼吸がしづらいので暑すぎる気温の中での体温調節が苦手な傾向にありますから、暑い日は特に注意してわんちゃんの様子を見てあげるようにしましょう。

夏の日のお散歩を楽しむために、わんちゃん達のコンディションを整えておいてあげるのも飼い主さんの仕事です。毛の長い種類のわんちゃん(長毛種)は熱がこもりやすい傾向にあるのでブラッシングを日頃から丁寧に行っておきましょう。毛がかたまっていたりすると、そこから熱がなかなか逃げていきません。毎日のブラッシングで余計ないらない毛を取り除いてあげます。

サマーカットで夏対策!

長い毛のわんちゃんはブラッシングが大変、、、という場合はサマーカットにトリミングしてあげるのもいいのではないでしょうか。

お店によって値段が変わりますが小型犬なら5000円、大型犬でも15000円ほどでトリミングをしてもらうことができます。毛を短くセットしておくことで、わんちゃん達も快適に過ごせますし、お手入れも楽チンになりますね。夏のお散歩は、お散歩に行く時間帯とお散歩自体の時間に注意が必要です。

2.夏のお散歩に最適な時間やコースって?

あったかい春を越え、梅雨が明けるとたちまち暑い夏がやってきます。近年では気温30℃を超える日なんてざらにありますね。そんな厳しい夏のお散歩。

ここからはオススメの時間帯をご紹介します!

オススメは朝!

おすすめの時間帯は朝の5時から6時頃です。夏はお日さまが昇るのが早いので、朝5時はすでに明るくなっています。

その時間帯のアスファルトはまだ熱くなっていませんし、気温もある程度は落ち着いているのでわんちゃんにとっても飼い主さんにとっても快適な条件が揃っているはずです。頑張らないといけないのは早起きだけですね。はじめはつらくても、習慣になれば意外と起きられるもの。最初の3日間頑張れば体が自然と慣れてきます。

飼い主さんにとっても、自分のためだけに起きる早起きと可愛いワンちゃんを快適にお散歩させてあげるという目的があったほうが頑張りがいがありますよね。

朝が無理なら夜がオススメ

「朝にお散歩は行けないよ!」という方に他の時間帯でおすすめなのは夜の9時から10時頃です。しかし、夏とはいえこの時間は日が沈んで暗いので、事故などに巻き込まれないよう、安全にお散歩ができるように気をつけましょう。

ピカッと光を反射するリードや首輪にしてあげたり、飼い主さんが首からぶら下げるタイプの懐中電灯を利用するなど、車や自転車、他の通行人の方に気付いてもらいやすいようにしておくことが大切です。

朝の時間帯も夜の時間帯もポイントはアスファルトの温度が熱くないこと。なるべくなら明るいうちにお散歩へ行きたいものですが、日が沈みはじめても意外とアスファルトは熱をもっていることが多いので、真夏にお散歩へ出かける時は実際にアスファルトの温度を手でさわって確認するようにしましょう。

暑い日は休憩しよう

お日さまが昇っている間のお散歩でしたら、木陰の多いコースを見つけてみたり、土の道があるコースに変えるだけでもわんちゃん達へのダメージが少なくてすみます。夏の間は車で近くの河原や公園まで行き、30分くらい遊んで帰って来るという方法もありますね。

夏のお散歩は飼い主さんもわんちゃんも暑さ対策に気をつけておかないと、熱中症や熱射病になってしまう危険性がありますのでこまめに水分補給ができるよう、飲み物を持って行くようにしましょう。

それと無理は禁物。今日は特に暑いなと思ったり、体調がすぐれない日はお散歩の時間をいつもより短くしたり、ボール遊びなど家の中でできる運動をさせてあげるようにしましょう。

3.夏のお散歩のときに使える便利グッズ

暑い日のお散歩をより快適に、そしてわんちゃんも飼い主さんも楽しくするための便利グッズを紹介します。

飲み皿付き水筒

ぱかっと蓋が飲み皿になるわんちゃん用の水筒です。楽しいとつい遊び過ぎてしまうわんちゃん達の気づきにくい熱中症や脱水症状対策に、夏の暑い日はとにかくこまめに水分補給を促してあげましょう。

冷感スプレー

お散歩へ出かける前にわんちゃんの体やお洋服などにシュッとひと吹き。人間用も見かけますね。たったこれだけでも、風に当たると体感温度が全然違います。

ひんやりバンダナ

水に濡らすだけでひやっと感が長持ちするものや、あらかじめ冷蔵庫で冷やしておくジェルタイプ、保冷剤を入れて使うタイプなど様々なものがあります。わんちゃんも首を冷やしてあげることで、体温を下げやすい効果があります。

ひんやりウェア

特に熱を吸収しやすい黒いわんちゃんにはお散歩のときに、お洋服を着せてあげましょう。わんちゃんのお洋服にもバンダナのようにひんやり感を保てる素材でできたものがたくさんあります。

わんちゃん用シューズ

これはわんちゃんによって苦手な子も多いかもしれませんが、アスファルトの熱や怪我等の原因から肉球を守ります。嫌がらないのであれば履かせてあげる価値ありです。

ひんやりタオル

わんちゃん達のクールダウンや汚れを拭いてあげるときに使います。消臭効果のあるものもあるので、お散歩から帰ってきたときなどにおすすめです。

虫除けスプレー

夏は特に虫の活動が活発で、草むらなどにはわんちゃん達の害虫がいますからこちらもお出かけ前や外で遊ばせてあげる前にシュッとスプレーしてあげましょう。特にお腹や指の間、耳や目の周りなどの皮膚がやわからいところにダニなどは付きやすいので、耳や目の周りはガーゼなどの柔らかい布やコットンにスプレーを吹きかけてしみないように優しく拭いてあげましょう。

フリーブロッカー

少々お値段が張りますが、こちらも便利な虫除けグッズです。わんちゃんや飼い主さんには無害の超音波でノミやダニを寄せ付けないようにします。薬品も使用していないので安心ですね。

アイスゼリー

お散歩の途中でちょっと休憩をはさんだときにあげてもいいですね。そのまま食べても、凍らせてあげても美味しく食べられるわんちゃん用のゼリーです。

消臭ポーチ

暑い夏はニオイも気になりがち。いつものお散歩バッグの中に入れて持ち歩くと便利です。

肉球クリーム

わんちゃんのハンドクリームです。アスファルトの熱などで乾燥した肉球に優しく塗ってあげましょう。ダメージを補修し、保湿をしてくれます。わんちゃん達が舐めても安全な無香料、無着色、ノンアルコールのものを選んであげるようにしましょう。

4.夏のお散歩から帰ってきたときのケア方法

夏のお散歩は涼しい時間帯でも全身が毛で覆われているわんちゃん達は少なからず体温が上がります。その高くなった熱をそのままにしておくのも熱中症や脱水症状につながる恐れがありますから、おうちに帰ってきたらケアを忘れずにしてあげてください。

散歩後は体温を下げてあげましょう

まずおうちに到着したらお水を飲ませてあげましょう。そして涼しい時間帯にお散歩へ行けなかった場合はあらかじめ冷蔵庫で冷やしておいたタオルや、保冷剤をタオルで巻いたものでわんちゃんの首やワキ、ソケイ部(後ろ足の付け根の内側)を冷やしてあげましょう。

わんちゃんがびっくりしないようにそーっと当ててあげてくださいね。頭部も熱が上がりやすいので、冷やしタオルを頭に乗せてあげると気持ちよさそうな顔をする子もいます。

足が泥だらけだったときは、冷やしタオルで体温を下げている間に濡れタオルで足の汚れをきれいに拭きとってあげましょう。

わんちゃんの足先は少しでも水分がそのままになっていると指の間が炎症を起こし、指間炎になってしまうことがあります。ですので濡れタオルで拭いてあげた後に、乾いたタオルでしっかりと水分を取り除くか、軽くドライヤーをかけてあげます。

そのあとはタオルなどで体の汚れを落とし、ノンアルコールのウェットティッシュで耳の中や目の周り、口元を丁寧に拭いてあげましょう。そのあとにブラッシングです。先ほどもお話ししたとおり、夏は虫が活発に動いていますのでノミやダニが付いていないかここでしっかりチェックしてあげるようにします。

マダニは人間にも付いてしまうことがあり、そこから感染症などを引き起こしてしまったということも実際にありますので室内飼いのわんちゃんは特に、念入りに行う必要があります。

肉球ケアしてあげましょう

最後に肉球クリームを塗って、熱などでダメージを受けたわんちゃんの肉球を保湿してあげましょう。ガサガサな肉球をそのまま放っておくと、ひび割れなどの原因になってしまいます。私たちの手荒れやささくれも同じですね。

肉球を保湿してあげることで滑り止めの効果もあるので、健康な肉球を保ち、お散歩をより楽しく続けるためにもクリームを仕上げに塗ってあげるようにしましょう。

お外で飼っているわんちゃんでしたら日陰のコンクリート、おうちで飼っているわんちゃんでしたらアルミプレートやジェルマットを用意してあげると、暑い夏もわんちゃん達は快適に過ごすことができます。

お散歩の間だけでなく、お散歩から帰ってきた後の過ごし方も暑い夏の場合は気をつけてあげるといいですね。最近ではひんやりした素材を使ったベッドやクッション、水や電気を使わないクールマットなど消臭効果のあるものや菌に強いグッズがたくさんあります。

やはりわんちゃん達は暑さに弱い傾向がありますので、ぜひいろいろ試してみてください。

まとめ

夏の日のお散歩の注意点やおすすすめグッズをご紹介いたしました。暑い日が続くと私たちも夏バテをしてしまうように、わんちゃんたちも私たちがあらゆることに気をつけてあげないと体調を崩したり、病気を引き起こしたりしてしまいます。

お散歩はなるべく涼しい時間帯に行くようにして、水分補給をしっかりし、帰ってきてからのケアも念入りに。それが夏のお散歩のポイントです。そして何より無理は禁物。びっくりするほど暑い日やちょっとでも体調がすぐれない日はお家の中やお庭で遊んであげましょう。

がんばることよりも楽しさを優先して、わんちゃんと一緒の時間を笑顔ですごすことがわんちゃんにとっても飼い主さんにとっても大切な事です。ご紹介いたしましたポイントやグッズなどで夏の日のお散歩を安全で楽しいものにしていきましょう。