初めての柴犬を家に迎えるとき、これから始まる柴犬との暮らしに、ドキドキワクワクしますよね。お散歩のコースを考えたり、ドッグランに行ったり、車で遠出をしたり、一緒に旅行に行ったり、ドッグカフェでゆっくりと時間を過ごしたり・・・やりたいことはたくさんあります。
愛犬と楽しく暮らしていくには、しつけがとても大切です。きちんとしつけができている犬は、他の犬とトラブルを起こすこともあまりありません。
大切な愛犬を事故などから守るためにも、そして楽しく暮らしていくためにも、しっかりとしつけをしましょう。
我が家に柴犬の女の子が来たのは11年前。初めての柴犬との生活に最初は、戸惑ったこともたくさんあります。しつけで頭を悩ませたことも今となっては良い思い出です。
初めて柴犬を家に迎えた人も、きっとしつけのことで悩んでいることもあると思います。そこで我が家の体験談をお話したいと思います。しつけで悩んでいる人に、少しでもお役に立てれば幸いです。
最初の難関、トイレは根気よく教えよう
仔犬にトイレを教えるのはとても大変です。最初はケージの中に、トイレとベッドを用意するという人が多いと思います。我が家もそうでした。
ペットショップやブリーダーさんのところである程度、トイレのしつけをされている子も多いようで、ケージの中では失敗することは少ないと思います。
柴犬はもともときれい好きな犬種ということもあって、トイレのしつけは覚えやすいと思います。
少し家に慣れてきたら、ケージから出す時間も多くなってきますよね。外に出した瞬間に、床の上でおしっこをしてしまった!なんてことはありませんか?
トイレ以外の場所でおしっこをしたときは、その場で目をしっかりと見て、真剣に怒ることが大事です。「もう、だめよ」などと優しく言うのではなく、「ダメ!!」と短い言葉で叱ります。その時頭を叩いたり、お尻を叩いたりするのは、仔犬に恐怖心を与えてしまうので絶対によくありません。
目を見て、しっかりと言葉で叱りましょう。
最初は何度も失敗するかもしれませんが、きちんと理解するようになります。
そして、上手くできたら思い切り褒めてあげましょう。この時大げさな位ほめてあげることが大事です。
仔犬は自分のおしっこのにおいがついた所で何度もすることが多いので、においを残さないように、しっかりと掃除をして、消臭もしておきましょう。
我が家では1ヶ月位たったころから、ケージから出して自由に部屋の中を歩き回っていました。最初はリビングの端にトイレを用意していたのですが、あちこちでするので、そのたびに雑巾を持って掃除に走り回っていました。
でも、よく観察していると、トイレをするときはだいたい決まった場所に行っていることがわかったのです。そこで、その周辺にペットシーツを4~5枚広げて、何処でおしっこをしても大丈夫な環境を作りました。
その結果、決まった場所でトイレをするようになったのです。トイレの場所を決めて、そこに誘導してトイレをさせることがいちばん良いのでしょうが、うちの子はその方法では失敗ばかりでした。
人がトイレの場所を決めるのではなく、犬に決めさせるのもひとつの手です。
柴犬はきれい好きなので、成犬になると外でトイレをするようになる子が多いようです。散歩でトイレを済ますようになると、家の中ではしなくなります。
ペットシーツも結構高いので、外でやってくれるのは助かります。うちの子は引っ越しを機に、家の中では全くトイレをしなくなりました。
外でしかトイレをしなくなるということは、雨の日も、雪の日も、嵐の日もおしっこをさせにお散歩に出なければなりません。レインコートを着せての雨の日の散歩は、やはり負担になります。
犬も雨に濡れるのが嫌なので、トイレをすますと、大急ぎで家に戻ろうとします。でも、やはり大雨の日や台風など、散歩に出れない日もありますよね。
そんなときのために、できれば室内、室外両方でトイレができるようにしておくと、お互いの負担が軽くなります。室内でのトイレはここと場所を作って、そこでできたらたくさん褒めてあげましょう。
おすわり、待て、おいでの三つは絶対必要なしつけ
「おすわり」「待て」「おいで」は基本的なしつけです。また、これらのしつけができていないと、いろいろな場所でトラブルになったり、愛犬の命にも関わることにもなりかねません。しっかりと教えましょう。
まず最初に「おすわり」や「座れ」ですが、これは犬を落ち着かせるためにも大事なことです。散歩中、交差点で信号待ちをする時、おすわりができると、むやみに飛び出したりすることを防げます。
特に仔犬は好奇心旺盛なので、思いもしないところで事故にあったりしてしまいます。交差点できちんとお座りができている犬を見かけると、ちゃんとしつけができているなと感心してしまいます。
「おすわり」や「座れ」の教え方
①犬の興味を引くもの(おやつやおもちゃなど)を鼻先に持ってにおいをかがせます。目線より高い位置で見せます。
②何も声をかけずに、鼻先から頭の上にゆっくりと手を移動させます。
③手を追うと、自然に腰が下がるので、お尻が床に着くのを待ちます。
④お尻が床に着いたと同時に「おすわり」や「座れ」と一度だけ声をかけてご褒美をあげます。
⑤座れるようになってきたら、手のサインと「おすわり」などの指示を出します。手にはご褒美を持たないようにします。
⑥上手くできるようになったら、ご褒美をあげますが、回数はだんだん減らしていって、最終的にはご褒美なしでもおすわりができるようにします。
待て
「待て」を覚えるとあらゆるシーンで活用できます。もし、散歩中に落ちているものを口にしようとしたときもなども、「待て!」と静止させることができますし、他の犬とのトラブルを避けるためにも役立ちます。
我が家での「待て」の教え方は、おやつを与えるときに、「おすわり」をさせてから、そのまま「待て」と言って、できたら大げさに褒めて、おやつをあげるという教えかたでした。
もちろん、最初の頃は1~2秒「待て」をするのもやっとでしたが、目をしっかりと合わせて、手のひらを目の上にかざして同時に「待て」と言うことを、おやつを与えるたびに繰り返していると、自然と「待て」を覚えました。
正しい教え方があるのでしょうが、我が家の柴犬にはこの方法で十分でした。
「待て」を解くときは「よし!」と言ってからおやつをあげましょう。我が家ではエサを与えるときにも、一度「待て」と落ち着かせてから、食べさせるようにしています。そうすると、犬もおとなしく待っていますし、エサの催促で吠えたりすることもありません。
おいで
「おいで」を覚えると、とっさのときなどに役に立ちます。これは私の失敗談なのですが、犬には年に一回狂犬病の予防接種を受けなければなりません。
二歳くらいのときのことです。近くの公園での集団予防接種にひとりで連れて行ったとき、何がどうなったのかベストハーネスから体が抜けてしまい、その場から脱走してしまったのです。
びっくりして追いかけしまったのですが、遊んでもらってると勘違いしてますます遠くへ走って行ってしまいました。
そこで追いかけるのを止めて、名前を叫んで「おいで」と呼んだのですが、「おいで」のしつけがまだできていなかったので、当然戻ってきません。少し離れたところでこっちの様子を伺って、近寄って来ては、走っていくというふうに完全に遊んでいました。
私はもう必死なので、なんとかしてこっちにくるようにと思ったのですが、そんな時に限っておやつも持っていなくて、途方にくれてしまいました。
近くには車の往来が激しい道路もあるので、とにかくそっちにだけは行かないようにと、とっさの思いつきで、ものを食べる真似をしたのです。すると、それを見てこっちに駆け寄ってきたので、なんとか捕まえることができました。リードを着ける手が震えていた事を、今でも覚えています。
その時、「おいで」を教えておくことは必要だと痛感しました。しつけ本を参考に「おいで」を教えたのですが、上手くできませんでした。
そこで、うちの子は食いしん坊なので、人が自分の口にものを持っていく仕草をすると寄ってくるのを利用して、タイミングに合わせて「おいで」と声を掛ける訓練をしたり、大好きなおもちゃで遊びながら訓練をしたりしましたが、残念ながら、あまり良い結果は出ませんでした。今でも「おいで」は苦手です。というより、ほとんどできません。
柴犬との生活には思いもよらないことが起こることがあります。首輪から抜けてしまうことも、ちょっとしたすきまから脱走してしまうことも絶対に無いとはいえません。「おいで」と言って、側に来るようにしつけることはとても大事です。
仔犬の甘噛の対処法
じゃれて遊んでいるときに、噛み付いてくる甘噛。仔犬特有の仕草で、痛いけれど可愛いですよね。でも所構わずにかじられるのは困りものです。特に大人の歯に変わるときは、気持ち悪いのかしきりにいろいろなところを噛んでいました。
甘噛のしつけとして、我が家では甘噛用のおもちゃを与えていました。ロープが付いていて、引っ張り合いができるものや、かじっても大丈夫な木のおもちゃなど。
でもこれらのおもちゃは値段的にも決して安いのもではないんですよね。すぐにボロボロになってしまうので、そのうちあまり買わなくなりました。
甘噛が始まると無視をすると、犬も「甘噛をすると構ってもらえない」と学習するので、効果的だとしつけ本で読んだことがあるのですが、私はどうしても無視をするということができませんでした。
でも甘噛を許していると、だんだん激しくなってくるんですよね。仔犬の歯は細くて尖っているので、しっかりと歯型が付くくらい噛んでしまいます。
そのとき、大げさな声で「痛い」と言って、泣き真似をしてみたら、ピタッと噛むのをやめたのです。そして、噛んだところを「ごめんね」というようにペロペロとしだしました。
それ以来、手などの甘噛はこの方法を続けたところ、酷い甘噛はしないようになりました。甘噛をするときは、歯を軽く当てるように加減して噛むようになったのです。
甘噛の被害といえば、手だけではありません。家具に噛み付いたりすることもあります。うちの子はダイニングテーブルの脚を一心不乱に噛んでいました。
古くて買い換えるつもりだったので、好きにさせていましたが、脚はボロボロになってしまいました。もちろん、それ以外の家具や敷居を噛んだときは、「ダメ!!」と制止をしていたので、家具への被害はダイニングテーブルの脚だけですみました。
もし、これから柴犬を飼う人で、家具などを新調しようと思っている人がいたら、少し待ってください。甘噛の破壊力は凄いです。新しい家具もすぐにボロボロになってしまうので、せめて甘噛が落ち着くまで、買い替えは控えたほうがいいと思います。
また、甘噛の防止策として、犬が噛んでも無害なスプレーが市販されているので、それらを家具など、噛んでほしくないところに利用するのもいいかと思います。
また、仔犬のころはお散歩のときもグイグイと引っ張って歩こうとします。お散歩の主導権はあくまでも飼い主です。先に行ことして引っ張ったら、リードを強めに引いて行かないようにします。
リードを引くと言うことは、犬にとって首周りに嫌な感じがしますよね。その感覚を覚えさせて、グイグイひっぱると、「首が痛い=嫌なことが起こる」というふうにしつけましょう。飼い主の側から離れて歩くと、なにかあったときにコントロールできなくて、事故に巻き込まれたりしてしまいます。
我が家も仔犬の頃の散歩には、本当に頭を悩ませました。一時期はお散歩に出るのが嫌になったほどです。でも先程も書いたように、その都度リードを引いて、先に行ったらダメだと言うことを根気よく教えていくことで、少しずつ直っていきました。
仔犬は好奇心旺盛ですが、年齢が上がってくると自然と落ち着いてきます。お散歩のときは余り悩まずに、ゆとりをもってしつけをしてあげてください。
柴犬にとっても外を歩くことは、嬉しい時間です。お互い楽しいお散歩にしてくださいね。
まとめ
最近は豆柴のように、柴犬も小型化されて室内犬として飼われることが多くなってきました。柴犬は他の犬種に比べてしつけがやりにくいと思われることも多いですが、学習能力が高く、きちんとしつければしっかりと覚えてくれます。
でも、あまりしつけの時間を長くしてしまうと、飽きてしまってプイとそっぽを向いてしまいます。そうなると、柴犬の頑固な面が出て、何をやっても、声をかけても知らん顔をきめこんでしまいます。
我が家では、「おすわり」などのしつけの時間は長くても五分までと決めて、小出しにしつけをするようにしていました。
ただし、柴犬にもいろいろな性格の子がいてます。男の子と女の子でも性格が違います。
一般的には頑固でマイペースといわれていますが、一度覚えたことは忘れません。
そういう意味では、とてもしつけのしがいがある犬種だと思いますし、信頼関係がしっかりと築けるように愛犬には毅然とした態度でしつけをしましょう。