犬だって癒やされたい!ドッグアロマで犬に喜んでもらう方法

近年、私たちの身の周りでもアロマテラピーが心と体を癒してくれる、不調を緩和してくれるという事が以前に比べてかなり浸透してきました。植物の本来持った力はとても素晴らしく、私たちに様々な恩恵をもたらしてくれます。

植物や果物などから採取した精油は、まさに地球からの贈り物です。精油の薬効効果を利用して私たちはアロマテラピーを楽しみ、また健康のサポートに役立てています。この素晴らしい力を是非とも犬にも・・という事でドッグアロマテラピーが誕生しました。

ただ、ドッグアロマに関しては現在のところは人間のアロマテラピーの様にガイドラインはないというのが現状です。しかしながら犬にとってもアロマテラピーは有効であることはわかっています。今回はドッグアロマについてのあれこれを色々な視点からお伝えしていけたらと思います。

1.アロマテラピーとドッグアロマテラピー

まずはドッグアロマテラピーを説明する前にアロマテラピーについてお話ししていくとしましょう。

フランス語でアロマとは【芳香】を意味します。そしてテラピーとは【治療】という意味を成します。アロマテラピーを簡単に説明すると「香りを使った治療法」と意味することができます。近年ではアロマテラピーブームということもあり、日常生活の中でアロマテラピーを楽しみ、役にたてているという方がだいぶ増えてまいりました。このストレス社会の中、アロマテラピーは様々な人に受け入れられ、浸透してきたのです。

私たち人間の心と体を癒し、様々な不調を緩和してくれるというところより、これを犬の健康にも役に立つことができるのではないかと研究され、近年、ドッグアロマテラピーが浸透してまいりました。犬に使うアロマ精油は私たちが使っているものと同じもの。

植物の花や葉の部分、根や果皮、木部、様々な部分から抽出されたものを使用していきますので犬にも安心して使用することができます。

ドッグアロマテラピーとは植物からの贈り物であるアロマ精油を使い、犬の心や体を癒し、健康に役立てる自然療法ということとなります。

2.犬は自然の香りが大好きです

犬にアロマテラピーをしても大丈夫なの?と不安に思う方がいらっしゃると思います。

答えは「大丈夫です!」

犬はもともと人工的な香りより自然の天然の香りが大好きな動物です。動物は今よりもずっと昔の時代から、体の調子が悪くなったり怪我をした時など、植物を食べたり、体をこすりつけたりして自然に生えている草や植物を薬のように使ってきました。

ドッグアロマテラピーで使うアロマ精油は、植物から抽出された100パーセント天然成分です。

ですから人工的な香りとは全く違いますので嗅覚の鋭い犬はこのアロマ精油の香りを嫌うことなくドッグアロマテラピーを受け入れてくれるのです。

3.ドッグアロマテラピーを行うことでどんな効果があるの?

犬が自然の香りが大好きで、アロマ精油も受け入れてくれることはわかりました。でも、ドッグアロマテラピーを行うことでいったいどのような効果があるのでしょうか?

基本的な効果としては人間と同じような効果がもたらされます。例えば心身ともにリラックスさせ、痛みなどの不調を緩和してくれる効果が期待されます。また、アロマ精油の薬効成分の効果で嫌な虫を避けたり(忌避効果)してくれる効果なども期待できます。

ではアロマオイルの香りがどのように犬の心や体に効果があるのかを少し説明していくとしましょう。

3-1.犬の自律神経のバランスを整えてくれる

あのアロマ精油が入っている小瓶の中には植物のパワーがギュッと凝縮されたものが入っています。基本的にアロマテラピーを始めると、一番感じられる効果としては『いい香りに包まれてとてもリラックスしてくる』ということを感じられると思います。

この「リラックス」という効果ですが、これは交感神経と副交感神経のバランスがちゃんと取れて正常になってくることでリラックス効果があらわれてくるのです。

本当に短時間の間に薬などを飲まなくてもアロマオイルはこれらの神経系のバランスをあっという間に整えてくれます。

リラックスすれば心も体も安定し、免疫向上へとつながっていきます。

しかしながら自律神経系の調子がわるいと免疫力にもダイレクトに影響が出て、やがて心とカラダの不調へとつながっていってしまいます。

人間でも短時間で自律神経系統のバランスが自然に整うわけですが、嗅覚の鋭い犬にとってはもっと短い時間でこれらの効果を感じられることでしょう。

落ち着きのない犬がいるお部屋に、リラックス効果の高いアロマオイルを数分デイフューズすることで犬が落ち着きリラックスして寝てしまったという実例がたくさんあります。

これはまさしく交感神経と副交感神経のバランスを整えてくれた証拠です。

3-2.犬の皮膚や被毛にも効果を発揮する

アロマオイルの分子は肌の深層部まで届いていきます。そしてそのアロマオイルの分子は数分で血液を通り体内へ入って行きます。

ですからアロマオイルは血液循環を良くし、体の調子をダイレクトに整えてくれるのに役に立つのです。血液循環が良くなると免疫力も上がり、犬の皮膚にも十分に酸素が行きわたり皮膚の健康状態も次第に良くなる傾向があります。皮膚の状態が良くなれば、同時に被毛も元気になり、美しい状態へと変化していきます。

選んだアロマ精油の薬効効果も十分に期待できますので、皮膚や被毛のトラブルがある場合は、キャリアオイルと呼ばれる植物油に希釈してドッグアロマトリートメントをしてあげると症状の緩和の役に立つことでしょう。

ドッグアロマトリートメントだけではなく、無香料の犬用シャンプーにアロマ精油を加えたりしてみるのもよいですし、スプレーを使って日々のケアをしてあげるのも良いでしょう。

例えばたれ耳の犬はよく耳のトラブルがあります。たれ耳のせいで空気が耳の中に入らず耳の中が蒸れてしまい、掻きむしってしまい、そこからばい菌が入ってぐちゅぐちゅになってしまい、あわてて動物病院へ行かなくてはならないパターンが良く見られます。

殺菌消毒作用や鎮静作用などがあるアロマ精油を選び、それらで毎日ケアをしてあげていたら症状が良くなったなどという実例はよくありますし、ノミダニ予防に忌避効果の高いアロマオイルを選びそれらでスプレーを作ってお散歩前に犬に使う事でノミやダニの悩みがなくなったという実例もよくあります。

ドッグアロマテラピーを行うことで得られるのはこれだけではなく、まだまだたくさんの効果を得ることができます。体臭ケア、肉球ケア、心のケア、様々な臓器に対応するケアなどアロマオイルの薬効効果を利用することで犬に対してのアロマテラピーをすることが可能なのです。

4.安全にドッグアロマテラピーを行う上での注意事項

安全にドッグアロマテラピーを行い、犬の心身を健やかに保つためにも必ず守っていただきたい注意事項がいくつかありますので、必ず以下の注意事項を守って安全にドッグアロマテラピーを行って頂きたいとおもいます。

4-1.アロマオイルの選び方

ドッグアロマテラピーを安全に行うにあたってアロマオイルの選び方はとても重要になってきます。ドッグアロマテラピーで使うアロマオイルは人間のアロマテラピーを行う時と同様、必ず100パーセントピュアなエッセンシャルオイルを購入して使うようにしてください。

ドッグアロマテラピーで使うエッセンシャルオイルは質の高いものを使うことがとても大切になってきます。雑貨屋さんなどに行くと合成の香料で作られているとても安価なものや、何かの溶剤で薄くされて販売されているものもあります。しかしながら、それらは絶対に使用してはいけません。

アロマテラピーショップなどで売られている100パーセントピュアで品質が保証されていているもので、商品のラベルにも詳しい説明が書いているものを選んで使用してください。

4-2.消費期限を守り保存方法はきちんとすること

とても品質の良いアロマオイルをせっかく購入しても保存方法が悪いと成分が変化してしまうこともありますので、きちんとふたを閉め、冷暗所でしっかりと保存をし、アロマオイルの消費期限をしっかりと守るようにしましょう。

アロマオイルの消費期限は基本的に1年ですが、柑橘系のアロマオイルは半年とされています。

4-3.希釈すること

ドッグアロマテラピーをするにあたり、必ず使用するアロマオイルを精製水かキャリアオイルに希釈して使う事を絶対に守ってください。原液での皮膚への使用は絶対に禁止です。

希釈率も、人間とは違います。犬の場合は基本的には0.1パーセントで希釈して使用しましょう。100mlのキャリアオイルに2滴と覚えておくとよいです。

4-4.香りテストとパッチテスト

犬の皮膚は人間と比べてもっとデリケートです。もし、肌にアロマオイルを使用するのであればパッチテストをすることをおすすめします。

舐めてしまったりするので、なかなか犬へのパッチテストは難しいですがおなかの毛のない部分や内股の部分に少しだけ塗布して12時間様子を見てみましょう。

そして嗅覚の鋭い犬へのアロマテラピーは「香りテスト」も大切です。嫌いなにおいでケアされることは犬にとって良いことではありません。

エッセンシャルオイルを少しだけ紙などにとってフワッと芳香してみましょう。好みの香りでない場合ならくしゃみをしたり、落ち着きがなくなったり、その場からいなくなってしまいますので、すぐに反応が分かります。

4-5.飲んではいけません

アロマオイルは絶対に飲んではいけません。これは人間のアロマテラピーを行う時の注意点と全く同じルールです。犬が舐めたりしないように犬が届かない所にしっかりと保管して管理してください。

4-6.光毒性に気を付けること

犬の皮膚にレモンやオレンジ、ベルガモットなどの柑橘系のアロマオイルを使う時は光毒性に注意しなければなりません。これらのアロマオイルを皮膚に塗布して太陽の光に当たってしまうと、反応をして赤くなってしまうことがありますので気を付けるようにすること。

24時間以内に柑橘系のアロマオイルを皮膚に塗布してしまった場合は洋服などを着せたりして太陽の光が当たらないように気を付けてください。

基本的には人間のアロマテラピーを行う時の注意点と同じようなことに注意したらよいのですが、安全にドッグアロマテラピーを行う場合、希釈率など人間とは異なる注意点などもありますので、しっかりと「ドッグアロマテラピーを行う上での注意事項」を読んでいただき、これらを守っていただけたらと思います。

5.ドッグアロマテラピーのやり方

ここでは簡単にできるのもをいくつかご紹介しますが、ドッグアロマテラピーのやり方は本当にたくさんあります。肉球をケアクリームや軟膏を作ったりできますし、お風呂タイムにも役立つ犬用の薬用せっけん作りなどもできます。

色々なアロマ精油を使ってドッグアロマテラピーを愛犬と一緒に楽しみながら安全にやってみてください。

5-1.芳香浴

ドッグアロマテラピーを楽しむ基本はやっぱり「芳香浴」でしょうか。エッセンシャルオイルをディフューザーなどを使ってお部屋に香りを拡散する方法です。犬だけではなく飼い主さんも一緒に楽しめます。ディフューザーなどがない場合はアロマスプレーを作ってお部屋にひと吹きしたりするだけでも芳香浴は楽しめます。

5-2.ブラッシングスプレー

エッセンシャルオイルが犬の皮膚のコンデイションをよくし、虫除け効果なども発揮してくれます。作り方は簡単です。100mlの精製水にラベンダーやティーツリーの忌避効果のあるアロマオイルを2滴加え良く混ぜてスプレーボトルに入れ替えます。使う前に良く振って使ってください。

5-3.犬のドッグマッサージ

アロマテラピーの醍醐味は色々ありますが、やはりアロマトリートメントは最高のスキンシップタイムとなるでしょう。100mlのホホバオイルなどのキャリアオイルにラベンダーやテイーツリーの虫除け効果のあるアロマ精油を合計で2滴になるように加えてよくかき混ぜます。

それらを手に取り、圧はあまりかけずにゆっくりとトリートメントを行っていきます。強制的にやってはいけません。皮膚疾患がある時は悪化する場合があるので行わないようにしましょう。

6.まとめ

今回はドッグアロマテラピーについて色々とお伝えさせていただきましたがいかがだったでしょうか?犬へのアロマテラピーは飼い主さんも一緒にリラックスしながら出来るのが醍醐味ですよね。

優しいアロマオイルの香りに包まれ、愛犬とスキンシップタイムを楽しむことで、愛犬との絆や信頼感もさらに深まることでしょう。1日に1回、アロマオイルの香りに包まれてドッグアロマテラピーをぜひ楽しんでみてください。