犬が床を舐めるのはなぜ?床を舐める原因と対策方法

犬の飼っているご家庭は日々、しつけに悩まされていることも少なくないでしょう。うちの愛犬も飼った当初はトイレを外したり、噛み癖が出たり、家具の破壊、床掘り、床舐め出したらきりがないくらい行動が出てきました。

しかし、現在は全く困ることもなく、怒ることもなく、平和な毎日です。なぜ、問題行動がすべてなくなったのか。それは今回の愛犬が三代目であったことので少しは飼い主もベテランになってきたから。確かに経験値を積んでいたこともありますが、犬種によっても個体差があると聞いていたので、小さな時から少しでもきになることがあれば病院へ行き、パピークラスに通いました。

そこで幸せなことに犬の町医者と出会うことができ、適切に対応できたことが大きかったと思っています。犬の医療も変化してきていますね。町医者なんて言葉初めて聞きましたが、とても距離が近くなり、相談しやすくなり、飼い主にとっては安心以外の何物でもありませんでした。そこで学んだことをみなさんにお伝えできたらと思います。

うちの犬もよく床を舐め、掘ったりとよく手を焼きました。みなさんもご自宅で愛犬に床を舐められると床がベタベタになったり埃を食べられたり、危険なものを舐めてはいないかと心配になっているのではないでしょうか。殆どの飼い主さんが経験していることでしょう。今も辞めさせたいと葛藤している方もいるかもしれません。

「舐めちゃダメ!」といくら叱っても治らない、それどころか増えている気がする…なんてことはありませんか?怒るとなぜだか響いてない気がして、怒っても繰り返すなんてことは日常茶飯事です。

実はやめさせようとしている私たちの行動が床を舐めることを促している可能性があります。頭ごなしに叱ってしまっている飼い主さんもいらっしゃると思いますが、犬も犬なりに理由があります。

そして犬の行動はパターンがはっきりしています。目的・原因がないと行動が出ません。愛犬がなんで舐めているのかがわかると、犬の目的・原因がわかり、ストレスなく辞めさせることができます。目的・原因から対策まで1つひとつ紹介していきます。

床を舐める目的・原因

食べ物の匂いがする

一番の原因として上がってくるものです。「いやいや綺麗にしてます。」と思っている飼い主さんもいらっしゃるかと思います。綺麗にしていないというのではなく、犬の鼻が効きすぎるのです。犬の嗅覚は人間の10−50倍と言われています。嗅覚を感じ取る細胞数が桁違いなのです。

私たちにとっては臭わないと思っている場所でも感じ取っているもの。何かそこに食べ物を落としたことありませんか?うちはハンドクリームでも甘い匂いがするのか溢してしまった時床を嗅いでいました。拭き取っても匂いが残ってしまい、そこに食べ物があるのではないかと執着して舐めていることがあります。

フローリング、絨毯など染み込みやすいものは要注意です。こぼした心当たりがある場合は、床を舐める行動を忘れさせる、そしてその場所を隠すことが大切です。また、消臭効果のある消臭剤などで対策することも効果があるかもしれません。

やることがない

暇ということですね。ご飯を食べたり、おもちゃで遊んだり、ガムを噛んだり、寝ていたり、とにかく何かをしている愛犬。何かしていないとやることを探してしまうものです。お留守番中のいたずらがそれですね。やることがないから、いつもなら考え付かないことをしてしまうのです。飼い主の皆さんも経験あると思います。

「まさか」という体験。だんだんそれが楽しくなり、習慣になっていってしまうんですよね。暇というのは厄介なものです。床を舐めることもなんでもない床を舐めるという行動が楽しくなってしまうのです。不思議なものです。人間には理解できないかもしれませんが、愛犬たちが何に面白さを見出すのかわかりません。

楽しいと思っているのであれば、床を舐めることは面白くない、こっちの方が面白いと思えるものを用意してあげるのがいいかもしれません。床を舐めそう、舐める直前に魅力的な何かを出してあげましょう。舐めてしまってから出してあげるとご褒美になってしまう可能性が高いのでタイミングは要注意です。

吐きたい

犬は驚くほどよく吐きます。胃を綺麗にするためなので、一種の生理現象とでも言えるでしょうか。胃腸が気持ち悪い時に「吐きたいよ〜」の行動が床を舐めることです。

従来犬は雑草などをあえて食べ、定期的に吐くということをしていました。内で飼う犬が増えたのでなかなか雑草を食べて吐くということができなくなりその名残が床を舐め異物を食べて吐くという行動につながっているとも言われています。自宅で対処するのもいいですが、床を舐める以外にも体調の悪い様子が見られたら病院へ連れて行ってあげてください。

いつもの行動の中にも大きな病気が隠れていることもあります。床を舐めるという行動の中にも危険が隠れていることは注意しないといけません。

いいことがあった

床を舐めるとご褒美が来たと間違った経験に基づき、床を舐めるといいことがあると思ってしまう行動ですね。
例えば「なんか床を舐めていたら、飼い主さんが寄ってきてくれた!構ってくれた!(その時怒っていたのに…)」「床舐めていたら、美味しいものを見つけた!」など。

単純ですが、床を舐めたら嫌なことがあると認識を変える必要があるかもしれません。「しっかり怒って嫌なことがあったようにしている!」という飼い主さんも多いかと思いますが、怒ることが必ずしも嫌なことではなく、飼い主さんに構ってもらえているという嬉しいことになっている場合があるので注意が必要です。適切ではない怒るしつけは響かないことの方が多いです。

ストレス

犬は何も言えないからこそのストレスがあります。犬にとっての一番のストレス発散は運動と飼い主さんとのスキンシップです。散歩が有効なのはうなずけますね。雨の日に運動できないだけで元気がなかったりするのは、ストレスがたまっているといえるでしょう。犬はストレスがたまると舐めるという行動が出てきます。

代表的なものは足を舐めることです。その他にも床も舐める犬も多いようです。飼い主さんから見て、いつもと違うことを探してみてください。環境の変化もストレスになりえます。まずはストレスをなくしてあげてみてください。しかし、ストレスの要因をなくしたのに続くことがあります。それは習慣になってしまった可能性が高いです。

人間と同じように犬にもそれなりの理由があります。

まずは上記のもののどれに当てはまるのかを分析すると対策も立てやすいです。また、要因も流動的なものです。最初はストレスがきっかけだったのに楽しいことになってしまたりと…じっくり観察が大事になってきます。

今の愛犬の行動は何が要因でしょうか?愛犬が床を舐める目的・原因を絞ることができましたか?次は止めさせるための対策です。

床を舐めることをやめさせるには

床を舐めることをやめさせるにはどうすればいいでしょう。私の対策を紹介します。

物理的に舐めるところをなくす

舐めてしまうのであれば舐められないようにすれば舐めなくなります。とても単純なことですが、なかなか難しいことでもあります。

私の家は賃貸のマンションなのでニスを塗ったり、床を張り替えたりなんてことはできません。そのため、まずは舐めさせないように模様替え、床一面にマットを引くことをしました。物理的に舐めることができなくなり、少し経ってから、以前の状態にしてみましたが、舐めることがなく、以前の床を舐める習慣はなくなりました。

一番効果があったのはこの方法です。私たちもそうですが、愛犬たちも習慣は習慣がなくなるとあっという間に忘れていくものなのだと驚きました。

匂いを消す

物理的に隠すのが難しい場合が多いですよね。一番初めに私はこの方法を試しました。私が使用したグッズは、バイオチャレンジという薬剤です。

犬が舐めても安全な消臭剤なので愛犬にも安心して使えます。今では家のいたるところで消臭殺菌として使用しています。トイレ周りなどでも大活躍なので、今ではなくなると少し不安になってしまうくらいです。

おもちゃの管理

床を隠す何てできない!消臭でも効果ない!という方がいらっしゃると思います。その場合は、『床を舐めるよりも魅力的なものを作る』です。私の家では、以前はおもちゃを出しっぱなし、遊ばせっぱなしの自由にしていたのですが、ある時獣医師の先生に勧められ一度全て片付け、その都度出すようにしました。

何が変わるのか!と半信半疑でしたが、愛犬の行動は一目瞭然でした。驚くくらい新鮮なおもちゃになり、愛犬のおもちゃへの飛びつきが変わります。愛犬を飽きさせないというのも大切ですね。またこの方法は、犬との主従関係にも有効です。人間がリードしおもちゃを管理することで、いつも主人とペットの関係で入られます。

吐けるようにする

床を舐めて吐いている場合は食用草をあげるといいです。床を舐めるのではなく、葉っぱを食べると吐けることを促すと定期的に草を食べています。ペットサラダという犬猫用の草は柔らかく、安全に与えることができます。うちでは一画にその草を栽培し、そこだけは自由に食べさせています。

また、胃のむかつきが原因で床を舐めている場合は、繊維質の多いものを食べさせてあげると胃の内容物が繊維に絡んで便から出ることがあります。繊維質の多いもののオススメはサツマイモ、白菜などを茹でて食事と一緒にあげてみてください。ただし量が多すぎないように注意が必要です。

しかし、体調悪そうな時は病院にすぐ連れて行かれることが一番です。吐いた後に元気にしていれば、定期的な胃の洗浄かもしれませんが、何回も続く場合は病院に行ってください。

市販のスプレーやジェルを使う

あまり私はしたくありませんが、止めさせるのに有効な場合があります。市販で売られている、舐めたら苦いジェルやスプレーを吹きかけることです。

舐めた時に嫌な体験をすることで、床を舐めることは嫌なことが起きると学習すると舐めなくなります。ビターアップルスプレーという林檎から摘出した苦味成分を使ったものもあり、比較的安全なようです。ご自宅で作られている方もいます。酢やレモン汁を水で薄めスプレーをするといいようです。

この方法も安全なようですね。酸性のものは刺激が強すぎることもあるので、濃度には注意です。嫌な体験をさせるのが嫌な場合は、大きな音を出して気を反らせるなどの方法もあります。

運動を増やす

なかなか現実的ではないですが、有効です。獣医師の先生からは愛犬の体力の限界は知っておくと便利と言われました。うちの愛犬は小型犬ですが、なかなか体力があるようで4時間〜5時間くらいの散歩でやっと疲れるようです。限界を知ることで家での運動の必要性もわかってきました。

うちの5時間くらいでやっと疲れる犬にとって30分は気分転換にしかならないなと気づかされたのです。年齢によっても運動量は異なってきますが、今一度運動量の再確認をしてみることをお勧めします。

まとめ

なんども記載しましたが、人間の行動にも原因・目的があるように犬にも行動の原因・要因があります。一つ一つの行動を観察し、なぜその行動をしているのかを明らかにすることで対策を講じることができます。そしてその観察が正確で対策がマッチすると必ず行動は変化します。

うちでは命の危険がある場合を除き、愛犬を叱るということをしません。これは獣医師の先生より叱るということは犬には有効ではないと聞いたからです。実は愛犬を叱ることで躾けることはとても高度なことなのです。なぜなら犬の記憶力は数秒だからです。何気ない行動は全く覚えていません。適切な叱るタイミングは3秒以内だそうです。なかなか難しいですよね。犬はスピードが速いのですぐに違う行動に移ってしまっていたりします。

私たちが叱ることでなくなるのであれば、しっかりと叱ろうと思っていましたが、3秒以内はどうやら難しそうで有効でないのであればと、行動が起こる要因を防いできました。私がしたことは対策を講じ、未然に防ぎ褒めるのみです。我が家では幸いなことにこの方法で問題行動と呼ばれるものは現在ありません。

最初は根気のいることかもしれませんが、トイレトレーニングなども応用して行いました。皆さんもよく観察して、向き合ってあげてください。