ラブラドールレトリバーは、原産国がイギリスで、カナダにあるニューファンドランド島のセントジョンズにいた犬が祖先だと言われています。
19世紀にラブラドールの祖先がイギリスに送られてきたのが始まりです。ラブラドールレトリバーは、泳ぎが得意なので漁師と一緒に魚を回収していました。
イギリスに来てからは、水辺に撃ち落とされた鳥を回収する仕事をしていました。現在では、ラブラドールの賢さ、知能の高さ、従順であることから、盲導犬や介助犬などの
作業犬として働いています。
ラブラドールレトリバーの被毛は水中で作業をするので、密に生えていて、よく水を弾く性質をもっています。
そんなラブラドールレトリバーですが、トリミングは必要あるのでしょうか?自宅での、シャンプーなどの手入れの仕方をお話しします。
ラブラドールレトリバーにトリミングが必要なのか?
ラブラドールレトリバーは、トイプードルや、シーズーのように、全身の被毛が伸び続けることはありません。
そのため、基本的にラブラドールレトリバーは体全体の被毛のカットは必要ありません。
ラブラドールレトリバーの毛で気になる箇所は足裏のパットの毛や、肛門まわりの毛くらいといえるでしょう。
足裏のパットの毛は伸びすぎていていますと、フローリングで滑りやすくなってしまいます。ラブラドールレトリバーは、遊んでいて興奮すると走り回るので、走っていて滑って、関節など足腰を痛めてしまうこともあります。
そのため定期的に足の裏のパットの毛は確認してあげてください。ラブラドールレトリバーは、足裏の毛が全然伸びていない子もいるので、自分のおうちのワンちゃんの毛は、伸びるかどうかを把握しておきましょう。
またお尻、肛門周りの毛が長いとウンチが付着しやすく、ニオイの原因になりますし不衛生です。お尻の毛も確認してあげる必要があります。
ラブラドールレトリバーに必要な被毛の手入れは?
ラブラドールレトリバーは、毛のカットをするトリミングは必要ありませんが、シャンプーをしたり、ブラッシングをしたりする全身の被毛のケアが必要になります。
ワンちゃんの、シャンプーやブラッシングなどの、被毛のケア全般をグルーミングといいます。
次は、ラブラドールレトリバーのグルーミングには、どのようなものがあるのかをお話しします。
ラブラドールレトリバーの必要なグルーミング
①爪切り
どんなワンちゃんにも必要な爪切りです。
指に力を入れて、爪を立てるようにして歩くワンちゃんは、散歩の時に爪が削られて短くなりますが、そうではないワンちゃんは、定期的に爪切りが必要です。
ラブラドールレトリバーの爪は、他の小型犬に比べるとかなり太いので、大型犬用の爪切りが必要です。ギロチンタイプの爪切りが使いやすいのでおすすめです。
爪切りは、子犬のころから慣らしていくことで、成犬になっても大人しく切らせてくれるでしょう。
子犬の爪切りのしつけ方法については上記の記事で詳しくご紹介していますので合わせて読んでみてくださいね。
爪切りを失敗していまって、血が出てしまうこともありますが、爪の出血を止めるための止血剤、クイックストップというものが自宅にあれば便利です。
黒い爪の子は、爪の中の血管が見えなくて難しいので、自宅にクイックストップを用意しておきましょう。
②耳掃除
ラブラドールレトリバーの耳は、外耳炎になりやすいと言われています。外耳炎は、耳の中に溜まった耳垢に、菌が感染した状態のことをいいます。
耳から、嫌なにおいがしたり、耳をしきりに掻いたり、頭を振ったりします。外耳炎を防ぐためにも、日頃から耳掃除をしてあげましょう。
ラブラドールレトリバーの場合ですと、綿花を指に巻きつけて、イヤークリーナーかぬるま湯で湿らせて、見える範囲を拭いてあげましょう。
耳の穴の奥など、見えない部分は、綿棒などで掃除しようとしてはいけません。中を傷つけては危険ですし、耳垢をどんどん奥へ押し込んでしまうこともあります。
ですから、見える範囲のみ耳掃除をしてあげて、痒がったり、いつもと違うにおいがする場合は、動物病院で獣医師に診察してもらいましょう。
③ブラッシング
ラブラドールレトリバーは、短毛種なので毛玉はできませんが、ブラッシングは必要になります。ブラッシングは、マッサージ効果もあり血行が良くなりますし、余分な抜け毛の除去や、フケや汚れも落としてくれます。
ラブラドールレトリバーのブラッシングには、スリッカーブラシが適しています。スリッカーブラシを使い、背中や胸、お腹のあたりをブラッシングしてあげましょう。
余分な抜け毛が落ち、シャンプーをしなくてもブラッシングをしただけで、ツヤツヤとして見た目が変わります。
④肛門腺絞り
シャンプーをする前に肛門腺を絞ります。ラブラドールレトリバーの場合、うんちをする時に一緒に少しずつ分泌液が出ていて、あまり溜まっていない場合もあります。
肛門腺が溜まりやすいか、あまり溜まらないかは、ワンちゃんによって違うので、自分のうちのワンちゃんが、いつもどのような分泌液がが溜まり、どれくらい溜まっているか、よく把握しておきましょう。
液体が溜まる子、歯磨き粉のような固めの分泌物が溜まる子、砂のような分泌物が溜まる子など、さまざまです。この分泌物は、とても臭いにおいで、服や髪の毛につくと、なかなかにおいが取れないので、十分に注意して絞りましょう。
覗き込みながら絞るのは危険です。
⑤シャンプー
ラブラドールレトリバーは、外で走り回ったり転がりまわったり、泳いだり、元気に遊びます。毎回トリミングサロンへシャンプーに連れていくのは大変なので、自宅で気軽にシャンプーが出来るといいですよね。
ラブラドールレトリバーのシャンプーは、まず「マテ」をしつけておかなければ大変です。ラブラドールレトリバーくらいに大きなワンちゃんに暴れられては、プロのトリマーでも、1人でシャンプーは難しいのです。
シャンプーの手順①:お湯の温度調節
シャンプーの手順は、まずはシャワーを出し、お湯の温度が安定するまでワンちゃんにかけてはいけません。やけどをしては大変なので、しっかり温度が安定したことを確認してから、足やしっぽの方から、かけはじめます。
シャンプーの手順②:体の末端からお湯を掛ける
お湯を掛けるときは頭や首のあたりにかけるとびっくりして興奮してしまい、上手くシャンプーが出来ない可能性があります。そのためまずは足など体の末端、出来るだけ心臓から遠い部分からかけていきます。
シャンプーの手順③:シャワーヘッドを体にくっつける
ラブラドールレトリバーの毛は水を弾き、なかなか濡れないので、シャワーのヘッドを体にくっつけて、根元の方からしっかり濡らします。全身が濡れたら、いよいよシャンプーを出します。
シャンプーの手順④:首の後ろや胸のあたりで泡立てる
ラブラドールレトリバーは毛が短いためシャンプーがなかなか泡立ちませんが、首の後ろや胸のあたりが泡立ちやすいので、そこでよく泡立てましょう。泡立ちにくい場合は、スポンジを使ってもいいでしょう。
シャンプーの手順⑤:隅々までキレイに洗ってあげよう
耳の後ろ、お腹やわき、内股、肉球の間が洗い残し忘れが多いので、気をつけてよく洗います。全身が泡立ったら、最後に頭や顔を洗います。目や鼻にシャンプーやお湯が入らないように気をつけて洗いましょう。
シャンプーの手順⑥:すすぎも入念にしてあげよう
全身をキレイに洗えたら、シャワーで泡を落とします。1度目のシャンプーの泡立ちが悪かったり、いつも以上に汚れていた場合は、2度洗いをします。
すすぎの時にも、耳の後ろ、お腹やわき、内股、肉球の間に泡が残ってしまうことが多いので、きちんとすすげているかよく確認してから、手で全身の水分を絞ります。
シャンプーの手順⑦:リンスをする場合
もし、リンスをする場合は、この後リンスをつけて、よくすすぎます。シャンプーやリンスが残っていると、フケが出たり、皮膚のトラブルの原因となるため気を付けてあげましょう。
四肢の先、耳、尻尾や胸の皮を、手でぎゅーと軽く握ると、たくさんの水分が落ちます。
よく水分を落としてからタウエリングを行います。
⑥タウエリング
まずはよくタオルで水分を吸います。ラブラドールレトリバーは、体が大きく、バスタオル1枚、2枚でもすぐにびしゃびしゃになってしまうと思います。
しかし、バスタオルではなく、ペットタオルというものがあると便利です。よく水分を吸ってくれますし、一度水分を絞ると、またたくさんの水分を、吸うことができます。洗濯物が減り、片付けも楽になり便利です。
よくタウエリング出来たら、ドライングをはじめます。
⑦ドライング
ドライングのコツ①:ブラッシングしながら
出来るだけ、ブラッシングをしながら乾かします。スリッカーブラシでブラッシングしながら、ドライヤーの風を当てると、根元まで風があたり、ブラシによって水分がとばされて、よく乾いてくれます。
根元から乾かさなければ、いつまでも乾かず、時間だけがかかってしまいます。
ドライングのコツ②:顔のドライングに注意
顔まわりには必ず冷風を使ってあげます。顔の正面から温風を当てると、目が乾いてしまい、やけど状態になってしまうことがあります。
同じ場所に長い時間温風をあててはいけません。同じ場所に温風をあてることで、皮膚がとても熱くなってしまい、火傷してしまいます。
温風と冷風を切り替えながら、自分の手で、ワンちゃんが熱くなっていないか確認しながら、乾かしてあげましょう。
ドライングのコツ③:完全に乾かす
ドライングの最後に確認することは、全体が完全に乾いたかどうかです。湿ったまま、自然乾燥にしてしまうと、ワンちゃんの皮膚が蒸れた状態が続いてしまい、皮膚に良くありません。しっかりと完全に乾かしてあげましょう。
冷風をあてると、濡れている部分が冷たくなるのでわかりやすいです。
ドライングのコツ④:真夏のドライングに要注意
真夏の暑い時期は、涼しい時間帯にシャンプーをするようにして、熱射病にならないように気を付けてあげましょう。
ドライングが終わったら、全身最後にブラッシングをしてあげて、トリミングは終了になります。
シャンプー中、ドライング中にお利口にしてくれたワンちゃんを、よく褒めてあげて、たくさんコミュニケーションをとってあげましょう。グルーミングが大好きになってくれると良いですね。
ラブラドールレトリバーのグルーミング用品
ラブラドールレトリバーのグルーミング方法は参考になりましたでしょうか?ここからはグルーミング時にあったら便利なグッズを紹介していきます。便利なグッズがあれば飼い主にとってもワンちゃんにとっても快適なグルーミングになりますので是非活用してみてください!
スリッカーブラシ
ブラシのピンがくの字に曲がったブラシです。汚れや老廃物をとったり、余分な抜け毛を除去してくれます。シャンプーの前に、よくブラッシングしてあげることで、ドライングの時に風で舞う抜け毛の量を減らすことができます。
スリッカーブラシを使う時に気をつけることは、ピンがとても細いので皮膚を傷つけてしまう事があるので、優しくブラッシングしてあげましょう。
ピンが潰れてしまったり、曲がってしまった場合は、ケガの原因になるので、新しいものに買い替えましょう。
ファーミネーター
余分な抜け毛を除去してくれるブラシです。換毛期には面白いくらいゴッソリ抜け毛が落ちてくれます。
小型犬用と中型、大型犬用、短毛種用と長毛種用、犬用のほかに猫用やうさぎなどの小動物用のものもあります。ラブラドールレトリバーですと、短毛種の大型犬用でしょうか。
使う人、ワンちゃんの体のサイズに合わせて選んでみましょう。ワンちゃんの余分な抜け毛を取ってくれるので、飼い主さんの服についてしまったり、部屋に抜け落ちる毛も少なくなるので、掃除も楽になります。
大型犬用爪切り
自宅で爪切りのケアしてあげることが出来れば、歳をとってからも、負担がかからなくて、ワンちゃんにとっても嬉しいことです。
爪切りは、ギロチンタイプが使いやすいでしょう。中でもzanという種類の爪切りはよく切れてオススメです。
ペットタオル
絞れば何度も使えるペットタオルです。抜群の吸水力で、バスタオルとは比べ物にならないです。
ラブラドールレトリバーは、体が大きくタウエリングも大変なので、1枚あると便利です。洗って何度も使うことが出来ます。
クイックストップ
爪切りを失敗した時に、爪から出た血を止めるための止血剤です。こちらがあれば、慌てることなくすぐに血を止めてあげる事ができるので安心です。
このケースのまま使っていて、蓋を開けたタイミングでラブラドールレトリバーに蹴られてしまうと、全て中身が出てしまうので、小さな容器に少しずつ詰め替えて使うことをオススメします。
イヤークリーナー
耳垢は、溜まりやすい子と溜まりにくい子もありますが、日頃からおうちでケアすることが出来ていて、なにも異常がなければ動物病院へ連れて行かなくても大丈夫です。
穴の周りの見える部分の汚れをイヤークリーナーで拭き取ってあげましょう。耳掃除も、子犬の頃から嫌がらないように、褒めながらしつけることが大切です。
さいごに
ラブラドールレトリバーのトリミング、グルーミングについてお話ししましたが、自宅でもシャンプー出来そうでしょうか?
大人しくシャンプーさせるには、やはり子犬の頃からのしつけが大切です。ラブラドールレトリバーは、臆病な性格の子もいるので、小さな頃から、爪切りやドライヤーやシャワーによく慣れさせておきましょう。
今日ご紹介したラブラドールレトリバーのトリミングについて、シャンプーなどのグルーミング方法を参考にしていただきワンちゃんとの快適な生活にお役立てくださいね。