子犬の無駄吠えを止めさせたい!困ったときの対処法

生後間もない子犬の時期は、母犬からの離乳、生活環境の変化、成長に伴う自己主張など様々な理由から無駄吠えをします。

子犬の時期の無駄吠えはまだ声も可愛らしく、さほど声も大きくないとつい見過してしまいがちです。でも成長後の問題行動、騒音トラブルの予防のためにも、むやみに吠えてはいけない事をしつけておく必要があります。

今日は子犬が無駄吠えする理由や対処方法をご紹介していきますので参考にしてみてください。

子犬が無駄吠えをする理由

子犬の無駄吠えをなんとか抑えたいけれど、一向に止まる気配がなくどうしていいかわからない!とお手上げ状態ではございませんか?

子犬の無駄吠えは多くの飼い主さんの共通のお悩みです。ただ、子犬も飼い主さんを困らせようとして無駄に吠えているわけではありません。子犬が吠えるのには理由があるはずです。

子犬が無駄吠えをするタイミングは次のような場合ではございませんか?

①興奮している時(嬉しい興奮、ハイテンション)
②恐怖や警戒、不安を感じている時
③自身の力を誇示しようとしている時
④相手の関心をひきたい、遊びに誘う時
⑤攻撃、撃退を意識している時

子犬は常に陽気でテンションが高く、活動的です。その為、つい無駄に吠えてしまいがちです。これは人間の子供も同様で遊びの最中につい大声ではしゃいでしまうものです。

このようなテンションが上がっているときの無駄吠えは成長と共に収まりを見せるので、子犬の時期に厳しく管理する必要はないでしょう。

ただ、コーギーやビーグル、レトリバー種などボール投げ遊びが好きな犬種の場合、飼い主にボールを投げるよう催促のために鳴く事があります。

この時、催促鳴きをさせないようにしつけるには、オスワリなど別の合図を出すと解決できます。愛犬が静かにオスワリをするまでは決してボールを投げず、オスワリをした瞬間にボールを投げると次第に理解してくれます。

玄関チャイム、携帯の着信音、屋外からの騒音、車やバイクの騒音といった突発的に生じる音に反応し、大声で吠える事があります。この無駄吠えの原因は恐怖、警戒、不安です。正体不明の相手を敵と認識し、パニックを起こし吠えてしまいます。

この時、甲高い声で繰り返し鳴くので、飼い主もつい厳しい声で叱りがちですがこれは逆効果です。恐怖で怯えている子犬を厳しく叱る事で、子犬は頼る相手、守ってくれる相手を失う事になり、益々自分の身は自分で守らなければと考え、余計に激しく吠えたてます。

このような無駄吠えには、飼い主は落ち着いた優しい声で、子犬を呼び寄せて上げましょう。呼び寄せたうえで、抱き上げて上げたり、背中を撫でてあげてもよいでしょう。

子犬の関心をおやつに向け、おやつをもらう為にオスワリをさせてもよいでしょう。突発的な音がしてもその後に危険が伴わない事を飼い主が平然と振る舞う事で理解させてあげます。

無駄吠えが始まるのは、生後3カ月頃から

子犬は生後3カ月頃に母犬から完全に離乳し、精神的にも自立します。この時期、運動量も増え、行動範囲も広がります。それまで母犬と常に一緒に行動していた生活から、次第に子犬だけで行動をするようになります。

この時期の子犬は自信にあふれ、世の中に怖いものなど何もありません。その為、他犬や他人、自転車やバイクなどに無暗に吠えたり、飼い主に向かって強気な態度で接したり、気に入らない事があれば噛みつく事もあります。

この時期は人間が高校生ほどの年齢になり、反抗期を迎える時期にとてもよく似ています。飼い主がまだまだ子犬だからとこの時期を見過してしまうと、問題行動の改善をしないままで成長をする事になり、将来手を焼く事になります。

この時期は、無駄吠えをしていけない事、生活にはルールがある事をしっかりと教える必要があります。
パピーパーティや犬の幼稚園、ドッグランを積極的に利用し、犬には犬の社会があり、自分より強い相手がいる事、友好的に他犬と交流を持つ事を覚えさせてあげましょう。

他犬への無知な警戒心や攻撃心が払拭され、正しい挨拶の仕方を身に付けると将来、散歩中に無暗に吠える事も予防出来ます。

無駄吠えはしつけで予防、放置は厳禁

子犬の無駄吠えにはそれぞれの犬種、性格にあった方法でしつけをすると効果的です。犬の性格は大きくわけて2タイプです。同じ犬種でも性格の違いもあるので、愛犬の性格を見極めつつ接してあげましょう。

憶病な性格の犬へのしつけ方

小型室内犬に多いタイプです。チワワ、プードル、ポメラニアン、パピヨンなどは、些細な物音や家族以外の人間、他犬に過剰に吠える事があります。

この無駄吠えの原因は、恐怖、不安、警戒などです。家族に迎えて間もない時期は、外出をする機会も少なく、室内で過ごす事が多いものです。この時期、玄関チャイム、来訪者、屋外からの騒音に驚き吠える事があります。

この背景には、子犬のこれまでの生育環境が大きく関係しています。子犬はブリーダーの犬舎で生まれ、ペットショップの店頭に並び、新しい家族の元へと迎えられます。ブリーダーの中には犬舎は犬達の専用スペースを設けていて、世話担当の人間以外の出入りをしない事も珍しくありません。

当然玄関チャイムの音が突然なる事もありません。ペットショップも同様です。聞えるのは他の子犬の声と聴きなれたスタッフの声です。その為、新しい家に迎えられる事で、それまでに聞いたことの無い音、みた事の無い人、初めて目にする動物が一気に増えるのです。

その為、相手がどのような性格なのか、危険がないのかさえ理解出来ずに恐怖や不安を感じ吠えてしまうのです。

このようなタイプの子犬のしつけには、「怖がる必要はない」という事を教えてあげましょう。突発的に音が鳴ったり、家族以外の人間が自宅を訪問したり、散歩中に見た事もない動物や乗り物に遭遇してもすべて全く危険がない事を理解させてあげます。

音への対処法は、日ごろから「生活音」を録音し、子犬に聞かせておきます。生活の中にごく普通に流れている音だと子犬に理解させるだけで十分です。子犬が吠えそうな仕草を見せる時は、おやつやおもちゃで気をひき、何等気にする必要がない事、普段通りに生活をしていい事を教えてあげましょう。

散歩や外出の時は、子犬が関心を示す対象は積極的に臭いを嗅がせ、子犬自身に対象物を確認させます。他犬との交流も積極的に持ちましょう。特に、小型犬同士、大型犬同士と同じサイズだけに限定しがちですが、様々な犬と交流を持つ事も警戒心の払拭に効果的です。

攻撃的、勝気な犬へのしつけ方

元来の猟犬種、使役犬種に多いタイプです。ダックス、コーギー、ビーグルといった犬種は猟や仕事の場で声が遠くまで届くようにと改良されているので、たとえ子犬でも吠えた時の声はとても大きく、よく響きます。特にマンションなどの構造の場合、声が響きやすいでしょう。

これらの犬種は、吠える事自体は禁止されずに排出されています。吠える事がいけないのではなく、無暗に吠える事を禁止されています。その為、飼い主の指示にはとても従順で、吠えていい時、いけない時をきちんと教える事で無駄吠えのコントロールが可能です。

ただし、生後間もない子犬の時期は、遊び最中にテンションが上がった時、飼い主に催促をする時、食事の前、不安や恐怖を感じた時など色々なタイミングで吠えるものです。

しかし、決して厳しく叱る、叩く、ハウスに閉じ込めるといった方法を取ってはいけません。このような気質の犬種は、性格がまるで太鼓のような仕組みです。飼い主が強く叩けば叩くほど、強く反発をします。

吠えている愛犬に向かって飼い主が「うるさい」とどなれば、益々大きな声で吠えるようになります。時には追いかけてくる飼い主から逃げ回りながら吠え続ける事もあります。

このようなタイプは成長と共にますます声が大きくなり、自己顕示欲も強まります。むやみに吠える癖がついてしまうと、飼い主だけでは手に負えないようになり、プロへ依頼する事が必要になるケースも少なくありません。

ただ、このような犬種の特徴に非常に知能が高く、飼い主に従順という面があります。この特質を上手に利用し、吠えた時はどのような行動をすべきかを子犬のうちから教えて置きましょう。

玄関チャイムが鳴ったら、吠えるのではなくハウスへ入る事であったり、散歩中に他犬を見かけたら吠えるのではなく、飼い主の足元に伏せる、座ると教えても良いでしょう。

犬の性質を根本から変えるのではなく、対処法を飼い主が身に付ける事で無駄吠えを予防し、スマートにコントロールが出来るようになるものです。

社会化は効果絶大の無駄吠え対策

生後半年程までの子犬は人間の生後一年未満の時期と同様です。まだ感情の起伏が激しく、自己主張や意思を伝える為の方法も習得出来ていません。

感じた事をそのままストレートに鳴く事で表現します。この表現の方法が人間と共に生活をする中で正しい事かそうでない事かを教える事がしつけです。

人間社会で共に快適に生活をするには、まずは社会がどのような物かを体験させて上げる必要があります。
犬はとても学習能力が高いので、さほど時間を掛けずとも様々な事を理解します。その基準は危険があるかどうかの判断です。

危険がない事を子犬自身が理解出来れば、成長後もおおらかに構えている事が出来ます。しかし、この体験をしないままで成長し、一年を超えてしまうとその後何度繰り返し教え、体験をさせてもなかなか不安や警戒心を払拭出来ません。

生後一年を超えると、学習よりも本能が優先されてしまうからです。最近は子犬の社会化、交流、無駄吠えの防止の観点から、様々な場所でパピーパーティの開催や幼稚園の開業、ドッグランでのイベントなどが開催されています。ぜひ積極的に参加し、子犬にたくさんの体験をさせてあげましょう。

無駄吠え対策のおすすめアイテム

初めて犬を飼う方、飼い始めてから子犬の無駄吠え問題にお悩みの方にオススメのアイテムをご紹介させていただきます。

子犬の性格、生活環境に合わせて上手に取り入れてみてください。

WANモア・レッスン インドア編

参考URL:amazon

玄関チャイムなど生活音を録音したCDです。BGMとして生活音を常に流し続けることで子犬に慣れてもらい、生活音に対する無駄吠えを予防するCDです。

犬は人間と比較してとても耳が良い動物です。そのため最初は人間の耳でギリギリ聞こえるくらいの小さな音から始めましょう。徐々に音を大きくして段々と生活音に慣れてもらいましょう。

ハーフチョーク 小型犬 リードセット

散歩中の無駄吠え防止練習に役立つ首輪です。飼い主の合図がダイレクトに伝わるので、無駄吠え防止に効果があります。散歩中に出会うものや音に対して子犬は慣れないため過剰に反応し、無駄吠えを繰り返します。

このリードは強く引くことで首輪が締り、飼い主を犬に伝えることでしつけの効果があります。締め付け具合も調節出来るので子犬にも負担を与え過ぎずに使うことが出来ます。

さいごに

子犬の無駄吠えは飼い主さんを困らせようとしているわけではありません。必ず理由があって吠えています。おうちに迎えたばかりの子犬は見るもの、聞くもの、触れるものがすべて初めての体験です。

まずは一つ一つに慣れてもらうことが大切です。性格や犬種によっても対処方法が異なりますので今日ご紹介した対処方法は是非参考にしてみてください。