ナメられてる?甘えられてる?愛犬が飼い主の足元で寝たがる理由

あなたがソファに寝そべってスマホをいじっている時、台所で料理をしている時、いつの間にか愛犬が寄ってきて、あなたの足元で寝始める…とっても可愛くて、犬を飼っててよかったなあと思う瞬間の1つですよね。

けれど、足元で寝かせるのって、ひょっとして飼い主としてナメられてるのでは?足元で寝ないようにしつけなくていいの?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな疑問にお答えするべく、愛犬が足元で寝たがる理由とそのメリット、デメリット、そして対処法を調べてみました!

1.どうして飼い主の足元で寝たがるの?

犬の祖先は、みなさんもご存知の通りオオカミであると言われていますが、オオカミは通常、つがいの2匹をリーダーとして、8~10頭の群れを作って生きる動物です。犬が人と一緒にいたがるのは、大昔にオオカミだった頃の習性の名残であり、「誰かと一緒にいる」「誰かにくっついている」ことで、安心感を得ている、といわれています。

また、寒い地方に分布しているオオカミは、体を寄せ合って暖を取りながら眠ることも多いのだとか。そして、寝ている時というのは非常に無防備なので、野生ならば、誰かが敵に気づいて動いたら、すぐに全員が気づいて動けるように、くっついて寝たほうが安全、というのもあるかもしれませんね。

子犬の場合は、母犬にくっついて眠ることが多いですから、飼い主さんを親のように慕っている気持ちの表れなのかもしれません。

また、大人になった犬が飼い主さんのそばにくっついて寝るのは、飼い主さんをいつでも敵から守れるようにするため、という説も耳にしたことがあります。

いずれにしても、あなたの愛犬が、あなたの足元で寝るのは、あなたを仲間と認め、信頼し、守るべき対象だと思っている証だった、と言えそうです!

2.寝る場所によって、隠された犬の気持ちがわかる!?

犬が飼い主さんのどこにくっついて寝ているかで、犬が飼い主さんに対してつけている順位が分かる、という説があります。

飼い主の足元で寝ているのは、飼い主より自分の方が下と思っている。
飼い主のお腹のあたりで寝ているのは、飼い主と自分とが同等であると思っている。
飼い主の胸のあたりであれば、飼い主は自分と同等、または自分の方が上と思っている。
飼い主の頭の近くだと、飼い主より自分の方が上と考えている。

などと言われています。

ただ、わたし自身が犬を飼っている実感として、この説をそのまま鵜呑みにするのは早計かなあ、という気がします。うちの子は、わたしや主人を飼い主として明らかにリーダーと認めている様子がありますが、わたしがソファで寝そべっている時に、腕枕の位置に来たり、顔の上に乗っかってくることさえあります(笑)そういうときの愛犬の顔を見ると、自分の手に届くところまで来てくれて、くっつくことができるのが、ただただうれしいと思っている様子です。

わたいの周囲の、犬を飼っている人たちに訊いてみても、愛犬と一緒に寝ているという人は多いですが、その人たちがみんな、犬からナメられてるようには見えません。

なので、眠る位置が足元ではないからと言って、即ナメられてる、と考えなくてもいいかもしれません。

ですが、例えば普段から、飼い主のコマンド(命令や指示)に全然従わないとか、撫でたり何かをしようとすると唸るなど、他に問題行動や反抗的な態度が日常的に見られる場合は、犬が、自分の方がリーダーだと思っている可能性は確かにあります。

そばに来て眠るのは飼い主に対して愛情があり、仲間だと思っているのは確かですが、飼い主と犬の上下関係が逆になっているようなら、それは関係の見直しが必要かもしれません。

また、犬が飼い主の方にお尻を向けてくっついて寝る場合、それは犬があおむけになってお腹を見せるときと同様、無防備な姿をさらしていることになるので、飼い主に対する絶対的な信頼の証という説もあります。

犬が飼い主の体のどのあたりで寝たがるか、は、犬の飼い主への気持ちを表す、1つの指標にはなりそうですね。

3.犬が飼い主の足元で寝ることのメリット

犬と飼い主との絆が深まる!!

何よりもまず、このメリットが一番大きいのではないでしょうか。足元にすり寄ってくる愛犬を見て、可愛いと思わない飼い主はいないと思いますし、また、ふかふかの気持ちの良い毛皮を着た犬を足元に感じながら眠るのは、人間にとってもとても安らげるものです。

仕事や家事などに追われ、ストレスフルな毎日を送っている飼い主さんにとっては、至福のひと時となるでしょうし、そうやって癒してくれる愛犬をますます愛しく思い、大切にしようと思うのではないでしょうか。

そして、犬の方も、「犬は犬嫌いな人がわかる」と言われるほど、人間の気持ちに非常に敏感ですから、飼い主の、自分に向ける愛情がより深まったことを感じて、ますます飼い主と一緒にいたい、可愛がってもらいたいと思うようになり、見えない絆が深まっていきます。

犬が深い安心感を得て、問題行動が落ち着く

前述の通り、犬が飼い主の足元で寝る理由の1つは、安心感を得るため、と考えられています。

犬が留守番中にひどいいたずらで部屋の中を荒らしまわったり、ずっと吠え続けたりするなどの問題行動をするのは、愛犬が飼い主さんと離れることで、過剰な不安を感じてしまう「分離不安症」からきていると言われています。その「分離不安症」の原因は、留守がちだったり、自分の仕事や家事などに忙しい飼い主さんとの、コミュニケーション不足、スキンシップ不足という場合もあるのです。

そんな場合は、寝る時間は、日中は長時間飼い主さんと離れていることで感じているストレスを少しでも軽くしてあげる時間、愛犬に安心感を与えてあげる時間として存分に足元で寝かせてあげることで、問題行動が落ち着くかもしれません。

あったかい

最後は、地味ではありますが、個人的に、結構ポイントが高いメリットです(笑)

犬の平熱は38.5度前後で、体温は人よりも少し高いです。(小型犬の方が体温は高い傾向にあります)ですので、犬が足の甲の上などで寝てくれると、足元がポカポカしてとっても気持ちがいいです(笑)末端冷え性にも効きそうだなあ、とわたしはいつも思っています。

ただし、家で勉強や、在宅ワークなどしている方は、犬が足元に来て、足元があったかくなると、眠くなって作業効率が落ちるので、ご注意を!!

4.犬が飼い主の足元で寝ることのデメリット

①感染症のリスク

人と動物(犬以外でも)の間で共通して発症する伝染病のことを、ズーノーシス(人畜共通感染症)と言いますが、一緒に寝ることによって伝染するリスクも高くなります。

犬から人に感染する病気には、次のようなものがあります。

・サルモネラ菌

成犬が感染しても症状が出ることはあまりありませんが、子犬のうちは発熱や下痢などの症状が出て、死亡することもある病気です。人に感染した場合は、嘔吐、下痢、発熱などの症状が出ます。経口感染です。

・パスツレラ症

犬が感染しても症状が出ることはありませんが、人に感染すると症状が出る病気です。
パスツレラ菌の感染により皮膚や呼吸器に症状が出ます。重症の場合は腱鞘炎や骨髄炎を引き起こすことも。口移しや、犬に咬まれた傷、引っ掻かれた傷などから感染します。

・皮膚糸状菌症

犬の場合は円形脱毛やフケが見られるようになります。悪化すると分厚いかさぶたができますが、その場所は局所的である場合も、全身に広がる場合もあります。

人が感染すると、かゆみを伴うただれが見られます。頭、体、足、手、爪に感染し、足に感染した場合は水虫、爪の場合は爪水虫、など、部位によって呼び方が変わります。接触感染で広がります。

これらの感染症のリスクは、犬との接触が多ければ当然高くなります。愛犬とのキスは避けるようにすること、手洗いうがいの徹底や、犬と一緒に使っている布団やシーツをこまめに洗うなど、衛生状態を良好に保つよう気を付けましょう!

②布団やソファが毛まみれになる

これは、犬猫を飼っているおうちでは誰もが頭を悩ませる問題だと思います(笑)抜け毛によって毛まみれになってしまう問題は、愛犬をこまめにブラッシングすることで、ある程度抑えられるようです。

我が家の愛犬は、起きている時にブラッシングをすると、うれしいのか、ブラシにじゃれついてきてしまって全然作業が進まないので、我が家では、日中足元にくっついて寝だしたら、頃合いを見計らって、足の上に乗せたまま、ブラシをかけるようにしています。

ブラッシングは、犬にとっても気持ちがいい、飼い主さんとの至福のコミュニケーションでもあるそうなので、是非こまめにブラッシングしてあげてくださいね。

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③愛犬を蹴ってしまったり、怪我をさせてしまう能性がある

上の①、②とは逆に、人が犬に与える可能性があるデメリットです。

足元で寝るということは、寝返りを打った時、はたまたサッカーをする夢を見て寝ぼけたとき(笑)など、足が動いて、寝ている無防備状態の犬を蹴ってしまったり、挟んでしまったりする可能性があるということです。寝相の悪い人は要注意ですね。

また、飼い主さんが寝ているのが、少し高さのあるベッドであるという場合、床に転げ落ちるという可能性もあります。

大型犬中型犬なら、少々のことでは、どうということはないかもしれませんが、小さくて華奢な小型犬、子犬は思わぬ怪我の原因になってしまうかもしれません。

④動けない

上の③とは逆に、犬が足元で寝ていることで、人間側が寝返りを打てない、楽な体勢で寝られなくて、起きたときに腰が痛くなったり、熟睡できず疲れていたりということも考えられます。

また、我が家の場合は、わたしが台所で野菜を切っていたり、洗濯物を畳んだりしている時に、足元に来て寝だすことが多いのですが、それも、せっかく寝ているのに動いたら起こしてしまってかわいそうだなぁと思ってしまい、次の行動に移るのを躊躇してしまうこともあります(笑)

動いたからといって、本人(犬)は全然気にしていないようではあるのですが。

5.どうしても犬を足元で寝かせたくない場合の対処法は?

犬と一緒に寝ないようにすること、寝室は分けることだと思います。

これは、先述の、犬と飼い主との上下関係が逆転しているという場合にも有効な対処方法でもあります。犬に何でも自由にさせるのではなく、飼い主主体で、犬の居住空間や寝る場所をコントロールすることで、犬は「飼い主に従わなくてはならないんだ」という意識を取り戻していくと思われます。

逆に、一緒に寝たいけれど、足元には寝かせたくないので、しつけをするというのは、犬にとってはなかなか難しいと思います。足元に寝たら叱る、という風にしたとしても、犬にはおそらく、何故自分が怒られているのかがわからず、「寝ている時に飼い主さんの近くに寄ると叱られるんだ」と誤認する可能性が大きいと思います。
その場合は、叱るよりも、飼い主さんの布団やベッドのそばに、愛犬用のベッドや寝床を作ってあげて、そこで寝かせるようにする方がいいかもしれません。

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6.まとめ

・足元で寝るのは、飼い主への愛情と信頼の証であり、必ずしもナメられてるというわけではない

・なので、無理にしつけて直す必要はなさそう

・ただし、足元で寝る以外にも、飼い主と犬との上下関係が逆転しているような兆候が、普段からよく見られるようなら、関係を見直す必要アリ

・犬を足元で寝かせてあげることで、飼い主との間の絆を深め、安心感を与えられるという大きなメリットもある

・一方で、感染症のリスクや、人間が犬にけがをさせる可能性も少なからずあるので、きちんと対策する

・どうしても足元で寝かせたくない場合は、犬を寝室に入れないようにしたり、飼い主が寝る布団やベッドの近くに、愛犬用の寝床を用意してあげて、そばで寝られるようにする

ということになります。

可愛い愛犬が、あなたの足元にくっついてぐっすり眠ってくれる幸せを、存分に味わってくださいね♪