ドッグランでのマナー:これだけは身に付けたい9つのマナー

日々の散歩と併せて、定期的にドッグランに連れていくことは犬にとっては気分転換になります。飼い主もリードを持つことなく、楽に愛犬を遊ばせられる絶好の場所ではないでしょうか。

ドッグランでは愛犬を自由にさせて良い反面、マナーやルールを守っていないと他の犬とトラブルにつながってしまいます。愛犬と安全に羽を伸ばすために、ドッグランを利用する際のマナーを確認しておきましょう。

全国各地に展開するドッグラン

日本では、ペットブームや暮らしの多様化などにより、ここ数年は飼い犬の数が1000万頭前後に及びます。「全国のドッグラン情報」のホームページでは、2017年5月24日現在、753カ所ものドッグランが登録されています。

特に東京都や神奈川県、愛知県、大阪府といった人工が密集している地域ではドッグランの数も多いようです。
出典:「ドッグラン利用者の施設選定に関する研究」 駿河台大学

ドッグランと一言で言っても、屋外や屋内、小型犬と大型犬を分けている施設などさまざまです。

ドッグランに通うメリット

ドッグランに通うメリットは、愛犬だけでなく飼い主にもあります。

愛犬のストレス発散

2013年のペットフード協会の調べによると、飼い犬を室内のみで飼育している人の割合は38.9%、散歩・外出時以外は室内で飼っている人は39.6%と、主に室内で飼っている人が大部分を占めます。

毎日散歩に出かけていても、リードをつないでいる状態なので自由に動きまわることはできず、長時間室内にいることでストレスが溜まっている場合があります。

ストレスが蓄積すると、家財を破壊したり飼い主に対して問題行動を起こす危険性が出てきます。ドッグランではリードなしで自由に動き回れるため、日々のストレスを発散させるには絶好の場所なのです。

犬同士で触れ合える

なかには近所に犬を飼っている家庭がいなく、犬同士で触れ合う機会がないという方もいるのではないでしょうか。

まわりに人間しかいなくても飼い犬は生きていく上で不都合を感じることはありませんが、犬同士で追いかけっこをしたりじゃれ合ったりすることは、人間を触れ合うこととはまた違った充実感を与えてくれます。

また、愛犬が他の犬に慣れていないと、いざ他の犬に遭遇した際に警戒したり興奮する場合があるでしょう。ドッグランは犬同士のコミュニケーションが図りやすく、愛犬にとってはまさに交流の場なのです。

飼い主同士の情報交換の場

犬を飼っている人同士で情報交換しやすいのもドッグランの長所です。ドッグランでは飼い主が多く集まる場所であるため、犬の飼い方やペットのイベント情報など、他では仕入れにくい情報を得られやすいのです。

飼い主同士で仲良くなって輪が広がることも期待できるのではないでしょうか。

良いドッグランの見分け方

ドッグランは全国各地にありますが、中には管理が十分に行き届いていないところもあります。管理が行き届いていなければ、マナーの悪い飼い主が汚したり他の犬とのトラブルになる可能性が高くなるのです。

トラブルを事前に防ぐためにも、良いドッグランと悪いドッグランを見分けることが大切です。

良いドッグランのポイント

・十分な広さ

・尿や糞が片づけられている

・ゴミなどが散らかっていない

・小型犬・中大型犬それぞれの専用スペースが設けられているか
 ※犬のサイズに応じた専用スペースがあることは必ずしも必要ではありませんが、小型犬を飼っている際は事故防止の一環として気をつけておくと良いでしょう。

・扉や柵が頑丈に作られているか

・危険な障害物が置かれていないか

ドッグランでのマナー

ドッグランは愛犬を自由気ままに遊ばせられる場所ですが、最低限のマナーがないと他の利用者や犬とのトラブルのもとになります。お互いに気持ちよくドッグランを利用するためにも、下記の点には注意しましょう。

コマンドを習得させておく

しつけがされていない犬は、飼い主の言うことを聴かずに思うままに行動することがあります。ドッグランは公共の場であるため、何かあった時のために飼い主が愛犬をコントロールできる状態にしておく必要があるのです。

「おすわり」「待て」「来い」「ダメ」といった最低限のコマンドはドッグランに連れていく前に習得させておきましょう。

他の犬に慣れさせておく

ドッグランのメリットに犬同士で触れ合えることをあげましたが、他の犬に慣れていない状態でドッグランに連れていくことは、やはり不安があります。

できれば、ドッグランに連れて行く前に他の犬に慣れさせておくことをおすすめします。周りに犬を飼っている家庭がいない場合は、犬が集まるイベントに参加するのもひとつの手です。

ドッグランは愛犬をノーリードで遊ばせる場であるため、トラブルを防ぐために、事前に他の犬との触れ合いを設けておきましょう。

入場前に排泄をさせる

ドッグランで排泄をさせることは好ましくありません。衛生的によくありませんし、他の犬が排泄物を誤って食べてしまうことも考えられます。

ドッグランを利用する際には、必ず事前に排泄をさせておきましょう。しかし、ドッグランで排泄をしてしまうことも十分あり得ます。その場合にすぐに片付けられるように、ビニール袋やティッシュペーパーなどを用意しておきましょう。

犬は排泄物の臭いがする場所に再び排泄する修正があります。排泄物をそのままにしておくと、他の犬が続けて排泄してしまい、ドッグランを気持ちよく利用できなくなってしまうのです。

愛犬から目を離さない

いくら柵で囲まれているといっても、出入り口から脱走してしまうことは十分考えられます。また、目を離している隙に他の犬と喧嘩になることも予想できます。

飼い主が目を離すと、他の犬やその飼い主とのトラブルが発生するかもしれないため、愛犬からは絶対に目を離さないでおきましょう。

入場後しばらくはリードを外さない

ドッグランのような広く自由な空間に入ると、犬は興奮することがあります。入場してすぐリードを外すと、制御不能になることが予想されます。

興奮状態の犬は他の犬や人に飛び掛かったり、噛みつく可能性が高いため、入場後はしばらくの間リードを繋いでおくことをおすすめします。

飼い主のそばでドッグランの様子を見せて歩かせることで、落ち着きを取り戻すでしょう。

ワクチン・予防接種を受けておく

ドッグランは他の犬や人も利用する公共の場です。そこに病気にかかっている犬が入ると、周りに感染する恐れがあります。

ワクチンや予防接種は、愛犬の健康を保つだけでなく、周りの犬や人も病気の感染から守ることになるのです。

ほとんどのドッグランでは、狂犬病の予防接種や混合ワクチンの接種が義務付けられています。ワクチン・予防接種を受けていないがためにドッグランに入れなかったということがないよう、きちんと受けておきましょう。

むやみに他の犬に触らない

ドッグランにはさまざまなタイプの犬が訪れます。中には見知らぬ人を警戒する犬もいるでしょう。可愛いからと気軽に触ろうとすると、牙をむく危険性があります。

他の犬と触れ合いたい場合は、事前にその飼い主に許可を得てから触るようにしましょう。

餌やおやつを他の犬に与えない

ドッグランではおやつを持ち込む方もいますが、他の犬には絶対に与えてはいけません。

中にはダイエット中の犬もいるでしょうし、アレルギーを持っている犬もいるでしょう。愛犬に与えている最中に他の犬が寄ってきたからといって与えてしまうと、その飼い主とのトラブルになる可能性があります。

なお、おやつ程度なら持ち込み可能のドッグランもありますが、場内での食事を禁止しているところもあるため、事前に確認しておきましょう。

愛犬が他の犬とトラブルになったら?

ドッグランでは犬同士がひょんなことから喧嘩することがあります。

犬同士の喧嘩は当たり前だからと放っておくと、愛犬や相手の犬が大けがを負ってしまうかもしれません。

他の犬と喧嘩になりそうになった際には、すぐさま犬同士を引き離しましょう。この時犬は興奮状態にあるため、おすわりをさせて気分を落ち着かせることをおすすめします。

もし噛みついて相手の犬にケガをさせてしまった場合は、飼い主に謝罪することが大切です。場合によっては治療費の負担を迫られることもあるでしょうが、謝罪をして誠意ある対応を心がけることで、トラブルの度合いをある程度抑えることができるでしょう。

ドッグランでのトラブル事例

ドッグランで実際にあったトラブル事例をいくつかご紹介します。

・吠えながら辺り構わず他の犬を追いかけまわす犬の飼い主に、「他の犬を追いかけまわすのを止めさせてください!」と注意したところ、謝罪があるどころか「犬が走るからドッグランなんだろうが!嫌なら帰れば」と言い返された。

・小型犬をドッグランで遊ばせていると、中型犬が吠えかかってきて小型犬の上に乗り顔を噛んだ。

・小さな子供が愛犬のチワワの顔に乗っかり、チワワは地面と子どもの体重に頭を押しつぶされた状態に。子どもの両親は一部終始を見ていたが、知らん顔をされた。

このように、ドッグランではあらゆる場面でトラブルが起きる危険性があります。飼い主のマナーがきちんとしていることで、こういったトラブルを未然に防ぐことができるのです。

ドッグランに持っていきたいアイテム

次にご紹介するアイテムは、ドッグランにぜひ持っていきたいアイテムです。

ランコ (LANCO) サッカーボール

参考URL:amazon

天然ゴムで作られた犬用のボールで、世界中で使用されています。

耐久性に優れており、噛んでも穴が空きにくいと評判です。噛むと笛のような音がなり、愛犬の聴覚も刺激することができるでしょう。

せっかくドッグランに連れていったのに、ひとりで遊んでくれないという声を多く聴きますが、飼い主とサッカーをすると良い運動になるだけでなく、愛犬とのコミュニケーションも図れます。

ポップウェア ぺたんこボウル

参考URL:amazon

折り畳み式の食器スタンドで、ワンタッチでいつでもどこでも使用できるボウルです。

折りたためるのでカバンの中に入れることもできますし、カバンやリードに引っ掛けることも可能です。

シリコンでできているため、噛んでも破れにくいので安心です。

ウンチとり袋

ビニール袋と紙パックの二重構造で、紙パックごと糞をトイレに流すことができます。

ドッグランに行く際にはなるべく荷物が少ない方が良いのですが、こちらのウンチとり袋なら紙パックの部分でウンチをつかめるため、スコップなどを持ち歩かずに済みます。

紙パックは水に溶けやすい素材でできていますが、厚みがあるため糞を掴む際に破ける心配はありません。

まとめ

ドッグランでのマナーについてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。

ドッグランは散歩の時よりも愛犬の自由度が高い反面、マナーを守らなければトラブルの元になるのです。

あなた自身や愛犬だけでなく、他の犬や飼い主がお互いに気持ちよくドッグランを利用するために、今回ご紹介したドッグランでのマナーは、最低限身に付けておきましょう。