ワンちゃんのトリミング、月に一回は行ってあげたい被毛ケアです。
毎日散歩へ行っているワンちゃんは、おうちで気軽にシャンプーが出来ると、ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても快適に過ごすことが出来ますよね。
こちらでは、自宅でトリミングをするにあたって、準備しておきたい道具や、トリミングをするにあたっての注意点をご紹介しますので参考にしてください。
自宅でトリミングを行うために大切なしつけ
自宅でトリミングを行うために気を付けたいことは、子犬のころから、爪切りやブラシ、ドライヤーなどの道具に慣れさせることです。
成犬になってから使おうと思っても、怖がってしまい、逃げたり暴れたりしてしまうワンちゃんが多いです。
ですから、小さな子犬の頃から、道具を見せたり、体につけたりしながらおやつを与えます。この道具は、怖くないものだということを教えてあげましょう。ドライヤーの音を出しながら、おやつを与えるのも効果があります。
子犬の頃のしつけ方法については下記の記事で詳しくご紹介していますので合わせて読んでみてください。
どんな道具を揃えたらいいの?
ワンちゃん用のトリミング用品は、選ぶのが大変なくらいさまざまな種類のものが売られています。こちらでは、自宅にあると便利なものを紹介します。
①スリッカーブラシ
幅広い犬種に使えるブラシです。
スリッカーブラシは、コームでは取ることの出来ない毛もつれや、毛玉になった部分などをほぐす事ができます。
スリッカーブラシでブラッシングすることにより、ワンちゃんの被毛の汚れや老廃物を除去する目的でも使えます。
何故シャンプー前にブラッシングをするのかというと、毛玉がある状態でシャンプーをしてしまうと、さらに毛がもつれたり、毛玉がもっと大きくなってしまうのです。
しっかりスリッカーブラシを使い、毛もつれをほどき、シャンプーしてあげることで、汚れも落ちやすくなりますし、ドライング時も楽です。
シャンプーを行う前に、スリッカーブラシを使って、よくブラッシングすることにより、抜け毛が抜け落ちるので、ドライングを行う時に風で舞ってしまう抜け毛の量を減らすこともできます。
ドライングを行う時には、スリッカーブラシで、毛の水分をよく飛ばしながら、ドライヤーを当てます。根元から乾かすと、ドライングの時間も短く済みます。
②爪切り
ワンちゃんの爪切りも自宅で行えるといいですよね。動物病院やペットショップで爪切りをすると500円ほどかかります。多頭飼いですと、みんなを連れていくのも大変です。
ワンちゃん用の爪切りは、ギロチンタイプのものが1番オススメです。小さな子犬のころから、爪切りのパチンという音や、爪を切ることに慣れさせてあげましょう。
小さなころから、いつも行っていれば、成犬になっても、怖がることなく大人しくやらせてくれます。
③クイックストップ(止血剤)
ワンちゃんの爪切りをしていて、血が出てしまうことがあります。その時に使う、血を止めるための止血剤です。
クイックストップがあれば、自宅で爪切りを失敗したとしても、慌てることなく、すぐに血を止めてあげる事ができるので安心です。
こちらは、ワンちゃんに倒されてしまうと、中身が全部床にばらまかれてしまいます。小さなケースに小分けにして使いましょう。
④ノミとりコーム
ノミとりコームは、ワンちゃん被毛にノミやシラミがいることがあるので、そのような外部寄生虫取り除くための道具です。
こちらは、自宅でシャンプーの時に、お尻まわりについてしまったうんちや、目の周りについた目ヤニを除去するときに、あるととても便利です。
⑤シャンプー
長い毛のワンちゃん用、短い毛のワンちゃん用など、さまざまな種類のシャンプーが売られています。お店でよく相談して決めましょう。
もし、アレルギーなど皮膚トラブルがあるワンちゃんの場合は、かかりつけの獣医師に相談して、その子に合ったシャンプーを選んでもらいましょう。
⑥ラバーブラシ
トゲトゲした形のゴムで作られたブラシです。
ラバーブラシは、コーギーやラブラドールレトリーバー、パグやフレンチブルドッグなど短毛のワンちゃんに向いています。
余分な抜け毛を取り除き、フケを除去し、マッサージ効果もあります。
⑥ピンブラシ
人間のブラシのような形をしているブラシです。ピンの先に丸い小さなボールのようなものがついています。
毛を長く伸ばしているシーズーやマルチーズ、ヨークシャーテリアや、コッカースパニエルなど、長毛種の被毛の向いています。
⑦コーム
被毛をとかして、コーミングする時に使います。
スリッカーブラシにたくさんたまってしまった抜け毛を、コームを使って綺麗に取ることができます。ブラッシングの最後に、からまっているところはないか、チェックする時にも使います。
今日洗っても大丈夫?ワンちゃんの犬体チェック!
ワンちゃんは、今日シャンプーをしても大丈夫かをよく確認してからでないと洗ってはいけません。
シャンプーをすることによって、具合が悪くなってしまうことがあります。いつもと違うところがないか、細かくチェックしてあげましょう。
①元気とは食欲がありますか?
下痢をしたり、吐いたりしていませんか?
少しでもいつもと違う変化があった日は、シャンプーをしてはいけません。シャンプーはとても体に負担がかかり、ストレスもかかります。ドライングにも時間がかかりますし、疲れてしまいます。
下痢や嘔吐の症状を悪化させてしまうことがあるので、ワンちゃんがいつも通り元気になるまでは、シャンプーはしないでおきましょう。
②体全体を触ってみて、腫れているところや傷はありませんか?
痛がるところはありませんか?
足の裏や、体に傷がある時に、シャンプーしてしまうと、細菌が入ったり、シャンプーの液によって、悪化してしまう事もあります。
なにか、体にできている場合は、獣医師に診察してもらって、確認してから洗いましょう。
③目はパッチリと開いてキラキラ輝いていますか?
目ヤニが出ていたり涙が多くありませんか?充血はありませんか?
目の様子がいつもと違う日も、シャンプーをしてはいけません。目にシャンプーが入って悪化してしまうことがあります。
目の病気にかかっているかもしれないので、獣医師に確認してから洗いましょう。
④4〜5日以内にワクチンを打っていませんか?
ワクチンは、体にとても負担がかかります。
ワクチンを接種してから5日間は、シャンプーをしてはいけません。さらにシャンプーもしてしまうことで、ワンちゃんの体調が悪くなってしまうことがあります。
いよいよトリミング作業!注意点は?
犬体チェックが終わったら、トリミングの作業を始めましょう。まず、ブラッシングをする時に注意してあげたいことは、こちらです。
①犬種にあったブラシを選び使う
必ず、そのワンちゃんの被毛にあったブラシを選びます。小型のワンちゃんには小さなサイズ、中型、大型のワンちゃんには、大きなサイズのブラシを使って行いましょう。
②ブラッシング中、ワンちゃんに痛い思いをさせない
ブラッシング中、強く押さえつけたり、無理やり毛を引っ張ったり、ワンちゃんの嫌がることをしてしまうと、ブラッシングをすることが嫌いになってしまいます。
怒ったりせず、いい子だねと褒めながら行いましょう。
③毛並みに沿って優しくブラッシングしてあげる
毛並みに剃って、優しく声をかけながら、毛もつれをほぐしていきます。無理やり毛玉をとろうとはせずに、一気に取ろうとはせず、少しずつ、優しくほぐしていきましょう。
自分では無理そうであれば、プロにお願いすることも大事です。ハサミを使うと、ワンちゃんがいきなり動いて皮膚を切ってしまうこともあります。
④顔など目の周りは特に気をつけて行う
顔のまわり、目の近くは、出来ればスリッカーブラシを使うのではなく、コームでコーミングしてあげましょう。
ワンちゃんは、予期せぬ動きをします。スリッカーブラシのピンで目を傷つけてしまうこともあります。コームを使う方が安全なので、コームを使いましょう。
⑤シャンプーを行う前に、ブラシで落とせる汚れは落としておく
シャンプー前に、ブラッシングで余分な汚れを落としておくと、シャンプーの泡立ちも良く、綺麗に洗い上がります。
ブラッシングについて、大事なポイントは、日頃からブラッシングを行い、毛玉を作らせないことです。そうすれば、ブラッシングによって痛い思いをすることがないので、ブラッシングを嫌がることもなくなります。
膝に乗せてリラックスしているときなど、優しくブラッシングしてあげましょう。
ブラッシングの次はシャンプー&シャワー
シャンプーをする時に気をつけてあげたいことはこちらです。
①シャンプー前に肛門腺をしぼる
ワンちゃんの肛門を中心として、時計で考えると4時、8時のあたりの二ヶ所に、肛門腺の穴があいています。
ここにたまっている分泌液をしぼってあげる必要があります。
肛門腺は、ワンちゃんによって様々で、液体のような子もいれば、歯磨き粉のように固い分泌物がたまる子もいます。
この分泌液は、臭いニオイがするので、自分に飛び散ってかからないように気をつけましょう。
②ワンちゃんにかける前に、シャワーの温度を確かめます
自分の手で、お湯の温度が丁度良いか確認します。
確認ができたら、ワンちゃんにかけてあげます。できれば、心臓から遠い、尻尾やお尻、足の方からかけてあげます。
ワンちゃんの体とシャワーのヘッドをくっつけると、音も静かになるので、ワンちゃんが嫌がりません。
③先に体にシャンプーを泡立てて、顔は最後に洗います
顔からシャンプーを始めると、体を洗っている間に目や口の中にシャンプーが入ってしまう事があります。
シャンプーが顔についてる時間を短くするために、顔は1番最後に洗いましょう。
④汚れ具合に応じて二度洗いを行う
1回目のシャンプーで、あまり泡立たなかった場合や、洗い流した後、キュッキュッと綺麗にならず、すっきりしない場合は、もう一度洗いましょう。
汚れが残っていると、臭いも残りますし、乾きにくいですし、綺麗にふわふわに仕上がりません。
シャンプー後のドライングについて
シャンプーが終わって、よくすすぎ、泡が残っていないことを確認したら、次はドライングです。ドライングをするときに気をつけてあげたいことはこちらです。
①よくタオルで水分を吸う
ドライヤーを使う前に、タオルで体の水分をよくとります。
プードルなど、縮れ毛のワンちゃんの場合は、タオルで水分をとりすぎると、チリチリの状態で乾いてしまうので、あとからまっすぐに伸ばすことが出来ないので注意します。あまり、ゴシゴシ拭くと、毛が絡まってしまうので気を付けます。
②顔まわり、特に目のまわりには、冷風使う
顔の周りはできるだけ冷風を使います。
顔の正面から温かい風を当ててもいけません。温風によって目が乾いてしまい、やけど状態になることもあります。
④同じ場所に長時間温風を当ててはいけない
同じ場所に風をあてていると、その部分の皮膚が熱くなってしまいます。温風と冷風を切り替えながら、乾かしてあげるといいでしょう。
⑤ドライングは最後まで、完全に乾かしてあげる
中途半端に乾かしたままにしていると、毛玉ができてしまいますし、蒸れてしまい良くありません
特に耳の後ろや脇などは、ワンちゃんの毛玉が出来やすい場所なので、しっかりと乾かしてあげましょう。
⑥ドライングによる熱射病に注意する
熱い風を長時間当てすぎてしまうと、ドライングによって、熱射病になってしまうこともあります。
夏の暑い日など、特にパグやシーズー、フレンチブルドッグやペキニーズの子には注意が必要です。夏のシャンプーは涼しい時間帯に行います。
さいごに
トリミングの基本的な、ブラッシング、シャンプー、ドライングについて話しました。
用意したい道具は、一気に揃えるのではなく、自分で使いこなせそうなものから少しずつ揃えていきましょう。
自宅では嫌がってしまうワンちゃんも少なくありません。どうしても自宅で嫌がってしまう場合は、無理やりやろうとはせずに、プロのトリマーにお願いしましょう。
トリミングは、ワンちゃんをおさえながら、道具を使って行う作業になるので、思っているよりも危険が多い作業になります。
ワンちゃんは予期せぬ動きをしますし、道具を踏んだり咬んだりすることで、怪我をしてしまうこともあります。
ワンちゃんが、暴れて台から落ちてしまうこともありますので、十分に注意して行いましょう。