犬の爪切り:子犬のときから習慣付けよう!爪切りテクニック

犬の爪は定期的にケアしてあげなくてはならないのをご存知でしょうか?犬は爪を切ろうとすると嫌がったり、失敗してケガをさせてしまう恐れがあります。

犬の爪切りをスムーズに行うためには子犬のときから爪切りに慣れてもらうのが重要です。今日は子犬の爪の切り方やしつけ方法をご紹介しますので参考にしてみてくださいね。

子犬の爪切りは、テクニックと丁寧さが大切

犬にも定期的な爪切りが必要と聞き驚かれる方も多いでしょう。犬を屋外で飼育している場合は、散歩や地面で自然と爪が削れ、ちょうどいい長さを保つ事が出来るので爪切りは必要ありませんでした。

でも、室内生活では、この自然の爪切り効果が働かないので、月に一度を目安に爪切りをしてあげる必要があります。

初めての爪切りは、ルールを決めて少しずつ

子犬の頃から家庭での爪切りを習慣づけておくと、成長後も嫌がらずに爪切りをさせてくれるようになるのでとても大切なしつけです。

ただ、大抵の子犬は爪切りが未経験なことが多く、爪切りの感触や飼い主に抑えられる事に驚き、暴れたり、鳴いたりと拒絶をするでしょう。動き周りたい衝動を抑えられず爪切りが終わるまでじっとしている事も苦手です。子犬にスムーズに爪切りを覚えさせるには次のような手順で進めていきましょう。

①爪切りの定位置を決めます

テーブルの上、洗面台、飼い主の抱っこなど爪を切る時の定位置を決めてあげると、子犬もその場へ連れて行かれた時は爪を切るのだと理解でき、むやみに警戒をせずに済みます。

②決して叱りません

慣れない爪切りで子犬はとても緊張し、恐怖を感じています。じっとしていない、暴れる、噛みつこうとする子犬につい飼い主が苛立ちを覚える事もありますが、かえって子犬を刺激する結果になるので、おおらかに構え、決して叱ってはいけません。子犬が落ち着けるようになだめてあげましょう。

③まずは、爪切りで爪先を軽く叩くだけの練習をくり返します

爪切りの定位置に子犬を立たせ、爪切りの姿勢にしたうえで、子犬の爪先を一本ずつ爪切りで軽く叩くだけの練習をくり返します。この方法で子犬にこの場所で何をするのか、危険や痛みがない事、どの位の時間で終わるのかを理解させます。

④先端の尖りを切り落とすだけ

子犬の爪切りは、爪先の尖った部分を切り落とすだけに収め、まずは慣らす事を最優先に考えましょう。プロ同様に血管ぎりぎりまで切り進めてしまい怪我をさせてしまってはかえって逆効果です。

犬の爪の内部には血管が一本通っています。この血管の先端ぎりぎりまで切り揃える事が理想的な長さですが、誤って切りすぎてしまうと出血をします。血管の先端の目安、切り方、子犬の抑え方などはしつけ教室や動物病院で指導を受け、むやみに力任せにならないように正しく覚えてあげましょう。

将来のサイズを考えて爪切り時の姿勢を決める

家庭での爪切りでありがちな失敗例に、子犬のころに限定した習慣化があります。まだ生後間もない子犬の頃は、飼い主が抱き上げ爪を切っていた、洗面台やテーブルに乗せ爪を切っていたものの成長と共に抱っこをする事が難しくなり、どう対処をしたらいいかと手を焼く方がいます。

成長し体が大きくなると、爪切りを嫌がり暴れる時の力も強くなり、場合によっては怪我につながる危険もあります。

将来、抱っこが出来ないサイズに成長する愛犬の場合は子犬の頃から将来も活用出来る爪切りの定位置を考え、習慣化してあげましょう。例えば、床にタオルを敷き、爪を切る方法もあります。

専用のタオルを決め、タオルの上を定位置を決めます。室内のどこにタオルを敷いてもタオルの上が定位置を覚えて置けば問題はありません。トリミングショップや動物病院で過剰に爪切りを嫌がる時は、タオルを持参してあげてもよいでしょう。

爪切りが不要な犬はいません

散歩の時間が長いから、大型犬だから爪切りが不要と考える方もいます。確かに散歩の頻度が高いと自然と爪の先端が削れていて、愛犬が飛びついてきても爪による痛みを感じる事はないでしょう。

大型犬の場合、散歩の時に自身の体重で負荷がかかりつめが削れるとも言われています。でも、犬にはそれぞれ歩き方の癖があります。すべての爪が均等に削れるわけではありません。

指の位置によってはほとんど削れることの無い爪もあります。前足の内側上部にある狼爪と呼ばれる爪は定期的に切ってあげなければなりません。爪切りを怠り、爪が伸びすぎてしまうと次のようなトラブルの原因となります。

〇巻き爪になり肉球に突き刺さる
〇歩行時に肉球を正しく着地できず、爪先で着地するので、次第に指が変形してしまう
〇肉球の保護機能が使えず、足腰に負担が掛かる

など様々なトラブルに繋がります。家庭での爪切りが難しい場合は、トリミングショップや動物病院を利用し、定期的な爪切りを必ず済ませてあげましょう。

嫌がる場合の対処法

子犬の中には、過剰なまでに爪切りを嫌がる犬もいます。嫌がる子犬を無理に押さえつけ、爪切りを終えると、次からはさらに激しく抵抗し、場合によっては噛みつきをする事もあります。

子犬の時に爪切りへの苦手意識が芽生えてしまうと、成長後に払拭する事はほぼ難しいといえるでしょう。さらに高齢になり我が強くなり、目や耳が不自由になると益々爪切りが苦手になります。

子犬の時期の爪切りは将来の問題の抑止策と考え、無理をせずに丁寧に教えてあげましょう。子犬が爪切りを嫌がる時の対処法は次の通りです。

①嫌がる原因を突き止める
②嫌がらない方法を見つけ出す
③出来た瞬間に必ず褒める

のポイントを意識しつつ行います。犬にもそれぞれの性格があり、反抗的な性格、憶病な性格、強気な性格といろいろあります。

爪切りが苦手な犬種と対処法

中には犬種の特質として落ち着く事が苦手なタイプもいます。愛犬がどのようなタイプなのかを見極め、嫌がる理由をまずは見つけてあげましょう。

犬種別にみていくと「テリア種」の子犬は比較的反抗的で強気な姿勢に出るものです。これはテリア種特有の性格で、シュナウザー、ヨークシャテリアなどによく見られます。

嫌がる理由は、爪切りのために抑えられる事が嫌、爪切りへの恐怖など様々です。テリア種の子犬に向かって飼い主が強気な姿勢で接したり、叩く、叱るという行為は逆効果です。

テリアの性格はまるで「太鼓」の様だと考えるとわかりやすいでしょう。飼い主が太鼓を強く叩けば叩くほど、大きな音が出るように、飼い主が強きに接すれば接するほど子犬も強い姿勢で反撃をするからです。

テリア種の犬はとても知能が高く、理解力に優れているので「無駄」という事を教えてあげるとスムーズに爪切りが進みます。2人がかりで爪切りが可能であれば、片方の人が子犬の脇に手を入れ持ち上げます。

この時、後ろ足はブランと垂れた状態にします。この状態になると犬は踏ん張る事が出来ないので、強い姿勢で反撃が出来ません。この姿勢のままでまずは後ろ脚の爪から切り終えていきます。

子犬が暴れた瞬間に手を放し、爪切りを中断し、大人しくなってから再開します。前足の爪を切る時に嫌がる場合は、子犬の頭を爪切りとは逆向きに軽く押さえてあげるとスムーズに進みます。

このように激しく抵抗をしても無駄だという事を子犬自身に理解させると、成長後も同じ姿勢でスムーズに爪切りを済ませる事が出来ます。

臆病な性格の子への対処法

憶病な性格が理由で爪切りを嫌がる場合は、爪切りへの恐怖感を払拭してあげる方法がいいでしょう。飼い主に押さえつけられる事、爪を切る時の爪先の衝撃感と不快感が子犬にとっては何よりの恐怖です。

この場合、コングなど中におやつを詰める事が出来るおもちゃを用意し、爪切りの間にだけ活用します。おもちゃに夢中になっている間に爪切りを済ませてあげましょう。使用するおもちゃやおやつは日常的には使用せずに、爪切りの時だけの特別感を持たせておくことが成功の秘訣です。

コッカーやビーグル、コーギーなどの犬種は非常に活発で、特に子犬の時期はじっと落ち着いている事が苦手です。飼い主が強く抑えても、難なくすり抜け、それすらも遊びと理解してしまうでしょう。

このような気質の愛犬には、爪切り専用のテーブルを用意してあげましょう。犬は本能的に高い場所に恐怖を覚える気質があります。簡単に飛び降りる事が出来ない程の高い場所に置かれると、恐怖を覚え無駄に動き周らないようになります。

この習性を利用し、子犬の頃から爪を切る時には高い場所へ乗せるように習慣づけておくとよいでしょう。ただし、一回でも自力で飛び降りる事を覚えてしまうと、次からは無理矢理にでも飛び降りようとします。

飛び降りる時に体勢を崩し怪我をしてしまうこともあるので、高い場所へ乗せる時は十分に安全対策を考えてあげましょう。

子犬が爪切りを嫌がると、つい飼い主は𠮟るなどの強い接し方を取ってしまいがちですが、成長後は力任せや叱るという対処法だけでは通用しなくなるものです。それぞれの気質、原因をしっかりと見極めてあげましょう。

出血してしまった時の備え

子犬の爪は非常に細く、柔らかいのでつい血管を切ってしまう事もあります。血管の切断位置によっては一気に出血が進む事もあります。

子犬にはもちろん痛みがあるうえに、血の臭いを嗅ぐ事で過剰に興奮をしたり、恐怖を感じてしまいます。出血は出来る限り短時間にスムーズに手当てをしてあげる事が基本です。

自宅で爪切りをする時は、必ず「止血剤」を常備しておきましょう。ペット専用の止血剤はペットショップや動物病院で市販されています。

爪から出血してしまった時は、すぐに患部に止血剤を押し付け、強く抑える事で、数秒で止血が可能です。完全に止血剤を凝固させるために、止血後は一旦爪切りを中断し、ハウスに入れ安静にさせてあげましょう。

爪切り後は必ずご褒美

子犬にとってたとえ短時間でも行動が制限される事、爪切りをされる事は何より苦手な事です。苦手な事、嫌な事を何度も繰り返していくと、次からは爪切りの雰囲気を察知しただけで逃げ回るようにもなります。爪切りの苦手意識を極力芽生えさせないためには次のように対応してみましょう。

〇一本爪を切ったら、おやつを一粒あげる(おやつでなく、ドッグフードでも効果があります)
〇すべての爪が切り終わったら、十分に褒めてあげる
〇爪切り後は、自由に行動させ、即ハウスへ戻す事はしない

という方法がよいでしょう。また子犬の中には行動制限と緊張から解放された瞬間にトイレをもよおす事もあります。この場合、爪切り後はそのままトイレへ連れていき、トイレをさせて上げる事もご褒美と同じ効果があります。

子犬の頃から家庭の爪切りが習慣化されていると、成長後のお世話がとてもスムーズになり、飼い主の負担を軽減する事が出来ます。ぜひ焦らず、丁寧に爪切り習慣を続けていきましょう。

プロも愛用する爪切りアイテム

爪切りに必要なアイテムは以下の通りです。爪切りはプロ仕様の製品を選ぶと、切れ味がよく愛犬の爪先への衝撃を最小限に抑える事が出来ます。

①ライフ 犬爪切りギロチン型

国産の爪切りです。プロトリマーの愛用率断トツ一位の高品質な爪切りです。

②現代製薬 クイックストップ(止血剤)

プロトリマー、動物病院でも常備されている止血剤です。速効性があり、万が一の出血にも安心です。

最後に

人間同様、犬も定期的に爪を切ってケアしてあげる必要があります。そのため爪を切る習慣を子犬のときから付けておきましょう。

今日ご紹介した爪切りテクニックを参考にしてみてください。犬は話すことが出来ません。そのためとにかく丁寧に爪切りしてあげましょう。

またプロも愛用するおすすめアイテムも参考にしてみてくださいね。