ゴールデンレトリバーとの快適な散歩に役立つ5つのこと

ゴールデンレトリバーは賢く友好的な性格であるため、とても飼いやすい犬種として人気があります。ただ飼いやすいだけでなく、しつけが上手にできていれば散歩も楽しいものになるでしょう。

ただし、ゴールデンレトリバーは大型犬で、さらにエネルギーが高い犬なので、毎日長いお散歩が欠かせません。また、ただ散歩するだけでは体力が十分に消耗されないため、定期的にドッグランなどで自由に遊ばせてあげることも大切です。

今回は、ゴールデンレトリバーの散歩の頻度や1回あたりの時間、お散歩をする際の注意点などをご紹介します。

1.ゴールデンレトリバーの散歩の頻度と時間

大型犬であるゴールデンレトリバーは、1回30~60分の散歩を1日2回行うことが理想的です。ただしこれは成犬で健康なゴールデンレトリバーの場合です。子犬の頃はまだ体力が十分ではないため、1日の散歩時間は15~25分程度に収めるようにしましょう。

成犬でも健康に問題がある場合は、散歩中の様子を見ながら時間を調整してください。7才を超えているゴールデンレトリバーは、足腰と体力が弱っている可能性があります。この場合も散歩時間を調整しましょう。

2.ゴールデンレトリバーの散歩の注意点

ゴールデンレトリバーを散歩に連れていく際、どのようなことに注意するべきでしょうか。ここでは散歩の注意点をご紹介していきます。

散歩の時間帯は天気や季節を見て

散歩は天気や季節を考慮しなければなりません。ゴールデンレトリバーは寒さに強いので寒い時期はいつ散歩に出かけても大丈夫ですが、夏場は気温が高いと体力の消耗が激しくなってしまいます。なるべく気温が高い時間帯は避け、早朝と日が暮れる時間に散歩するようにしましょう。

散歩は犬にとって大事な時間ですが、雨や台風など天候が荒れている時は、外に連れ出すことはおすすめできません。身体が濡れると衛生的に良くないですし、指の間に細菌が繁殖して指間炎を引き起こすこともあるのです。

なるべく散歩は天気の良い日や気温が高すぎない時間帯に行くことをおすすめします。雨の日が続くなど散歩に行けるタイミングがないときは、家の中でおもちゃを使って遊んであげるといいでしょう。

常にコントロールする

ゴールデンレトリバーは友好的な性格なので、人や犬と交流することが大好きです。ただし、しつけが上手くいっていないと興奮して飛びついてしまうことがあります。それでケガでもさせてしまったら大変ですよね。そうならないために、散歩中は常時コントロールできる状態にあることが大切です。

リードはなるべく短く持つと、ゴールデンレトリバーが突然暴れたり引っ張ったりしてもすぐに制御することができます。「フレキシブル・リトラクタブルリード」と呼ばれる伸縮性があるリードは、ロックをしていないと犬を制御できないため、安全とは言えません。ゴールデンレトリバーは大型犬なので、フレキシブル・リトラクタブルリードだと突然引っ張った勢いで紐が切れてしまう可能性が十分あります。

散歩中に突然走り出したり引っ張り癖がある場合は、その都度停止しておすわりさせましょう。犬はおすわりすることで落ち着きを取り戻します。一旦落ち着いたら、また歩き出します。これを飼い主が辛抱強く行うことで、大きな体のゴールデンレトリバーでもコントロールしやすくなるでしょう。

リードをつけての散歩は最低限のマナー

なお、コマンドだけでコントロールができるようになっても、決してリードを外して散歩させてはいけません。万が一他の人や犬に攻撃してしまうと、多大なトラブルにつながる恐れがあります。

小さい犬ならまだしも、体格の大きいゴールデンレトリバーに噛まれると大けがをすることがあります。実際、過去に飼い犬が人を負傷・死亡させ、飼い主が刑罰を科されるという事件が起こりました。リードをつけて散歩させることは最低限のマナーでもあるため、ノーリードで散歩させることはやめましょう。

拾い食い

ゴールデンレトリバーは食欲が旺盛な犬種であるため、散歩中に拾い食いをするといったケースが多いのです。拾い食いが癖になってしまうと誤飲事故を起こす危険性があります。

ペット保険を提供するアニコム ホールディングス株式会社の調査によると、アニコム損保の「どうぶつ健保」を契約している0歳の犬種のなかで、ゴールデンレトリバーは誤飲事故の件数が17犬種の中で2番目に多いそうです。

誤飲事故の多い犬種ランキング

1位 フレンチ・ブルドッグ 7.1%
2位 ゴールデン・レトリーバー 6.8%
3位 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 6.0%
4位 パピヨン 5.5%
5位 ラブラドール・レトリーバー 5.3%

出典:出典:アニコム ホールディングス株式会社 「家庭飼育犬における誤飲発生の実態に関する分析」

散歩中に拾い食いをしようとしたら、リードを瞬間的に引っ張ってショックを与えることで防ぐことができます。もしそれでも拾い食いが治らない場合は、家の中で口にしてはいけないものを目の前に置き、食べようとしたらコマンドで止めるというトレーニングをすると良いでしょう。

万が一誤飲してしまった際には、その後の体調を注意して見ておきましょう。誤飲したものが小さい場合は、数日後に糞や嘔吐物と一緒に出てくることがあります。食欲が急激に落ちたり、頻繁に嘔吐するなど明らかに異常が見られる場合は、すぐに動物病院に連れていきましょう。

排泄物の始末はきちんと

散歩途中に排泄をする犬は結構見られます。本来であれば、家の決まった場所でのみ排泄を行うことが好ましいですが、気まぐれでウンチやおしっこをすることもあるでしょう。

散歩途中に排泄をしてしまった場合に備えて、必ずビニール袋などを用意して、排泄物を始末しましょう。特に人が集まる公園などでは、飼い主が排泄物を片付けないことが蓄積して、ペットの出入りが禁止になるケースがあります。

犬の糞が始末されずに放っておかれて、誰かが踏んでしまったとなると、絶対にいい気持ちはしません。また、他の犬が食べてしまうこと(糞食)もあるのです。

排泄物の始末も、リードで散歩させると同様に飼い主に必要なマナーであるということを忘れないでおきましょう。

3.ゴールデンレトリバーをドッグランで遊ばせる際の注意点

ゴールデンレトリバーは相当な運動量を必要とするため、1日2回の散歩だけでは満足しません。定期的に遠出して川や海、ドッグランなど広い敷地で遊ばせるようにしましょう。

ドッグランは自由に遊べる犬専用の施設です。隔離されたスペースの中をのびのびと運動させることができます。野外のドッグランだけでなく、室内のドッグランも設けているところもあるため、雨の日でも遊ばせられるのもドッグランの良いところでしょう。

ドッグランでは目を離さない

ドッグランはのびのびと遊ばせられる絶好の場所ですが、他の犬がいるときは片時も目を離さないようにしましょう。ゴールデンレトリバーは基本的に温厚な犬ですが、興奮したり不安や恐怖を感じると、相手に牙をむくこともあります。

他の犬と喧嘩になったり、ケガをさせてしまうとトラブルのもとになりますので、ドッグランで遊ぶ際には必ず飼い主が注意して見ておくことが大切です。

また、いくら隔離されているからと言っても、扉が開いていてそこから脱走するなんてことも十分あり得ます。愛犬が迷子にならないよう、しっかりと見張りましょう。

他の犬と喧嘩になったら

ドッグランで他の犬と喧嘩になってしまった際には、すぐさま犬同士を引き離しましょう。おすわりのしつけができている場合、コマンドを出して座らせると落ち着きを取り戻すことができます。おすわりを覚えていない時は、強制的に座らせるのもいいでしょう。

喧嘩になった犬とは、すぐに距離を置くようにしてください。

ノミ・ダニの駆除を行っておく

ノミ・ダニがついていると、他の犬に移る可能性がありますので、必ずノミ・ダニ対策をしてから出かけましょう。

ノミ・ダニ対策の方法

・駆除薬を使用(フロントラインやネクスガードなど)

・定期的にブラッシングをする
※ゴールデンレトリバーの場合、1週間に2回のブラッシングを目安にしましょう。

・犬が使用するベッドや毛布を洗う

また、ノミやダニはどこから移ってくるかわからないものです。愛犬にノミ・ダニがついていなくても、ドッグランで接触した他の犬から移る可能性も十分にあります。そのため、日ごろからノミ・ダニを予防する薬を処方するのが一番いいかもしれません。

フロントラインなどの駆除薬は、すでについているノミやダニを殺虫するだけでなく、寄せ付けない効果ももっています。効果は1ヶ月ほど続きますので、毎月処方してあげるといいでしょう。

ワクチンを打っておく

ノミ・ダニ同様、病気や感染症に対して免疫がついていないと、他の犬から移ってしまう可能性があります。特に子犬の時期は注意が必要です。ドッグランを利用する前に、動物病院でワクチンを接種しましょう。

入る前にトイレを済ます

ドッグランは他の犬と人が共同で利用する場所です。みんなが気持ちよく利用するために、ドッグランに入る前にトイレを済ませるようにしましょう。しかし、やはりドッグランで遊んでいる途中に排泄をしてしまうことがあります。すぐに片づけられるように、ビニール袋などを用意しておきましょう。

4.散歩中にあったら便利なアイテムやグッズ

散歩中やドッグランで遊んでいるとき、時と場所に応じてアイテムやグッズを持っていくと、犬も飼い主も快適に過ごすことができます。

水とペットボウル

寒い時期に近所を散歩する程度なら必要ありませんが、夏場や遠出の際は水を持ち歩くようにしましょう。ペットボトルからそのまま水を与えることもできますが、ペットボウルがあればより便利です。

持ち歩くためのボウルは、シリコンでできているものなら軽くて落としても問題ありませんし、簡単に洗うことができます。こちらのペットボウルは蛇腹式になっていて、深さが調節できます。フックがついているので、携帯用として非常に役立つでしょう。

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エチケット袋

<糞の始末にはビニール袋でもいいですが、こちらの二重構造になっているエチケットパックなら、持ち帰った時に簡単に捨てることができます。糞を取った後はポリ袋から紙袋を取り出し、そのままトイレに流せるので、手を汚すことなく処理できます。袋には香りがついているため、糞の匂いを気にすることなく散歩ができるでしょう。

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犬用バックパック

両側にポケットがついており、エチケット袋や鍵、財布といった小物をまとめて持ち歩く際に便利なアイテムです。

バックパックはただ犬に物を運ばせるための道具ではなく、エクササイズにもなるのです。ポケットにおもりを入れて背負わせることで、負荷がかかり良い運動になります。バックパックにおもりを入れて散歩させると、体力が消耗しやすくなるため、散歩時間が短く済みます。

バックパックに入れるおもりは、犬の体重の10~20%を目安にしましょう。ゴールデンレトリバーなら体重が30キロ前後なので、3~6kgが妥当です。子犬や老犬は足腰がしっかりしていないことがあるので、健康な成犬にのみ使用することをおすすめします。


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5.散歩後のお手入れ

散歩後もしっかりとケアをすることで、感染症やノミ・ダニなどから愛犬を守ることができます。

足は乾いたタオルで拭く

先ほど述べた指間炎は、指と指が濡れた状態を放っておくことで発症します。散歩から帰ってきたら、足の汚れを落とすために濡れタオルを使用する飼い主さんが多いのですが、これが指間炎の原因になってしまうのです。

散歩の後は、必ず乾いたタオルで足元を拭いてあげましょう。

軽くブラッシングする

散歩後、特に暖かい時期はノミ・ダニがついている可能性があります。薬を処方してある場合でも、ついて離れないことがあるのです。ダニの中でもマダニは、人間の命をも奪うことがあるため危険です。ブラッシングをすることで、ノミ・ダニの繁殖を防ぎましょう。

肉球の保湿

冬場など乾燥しやすい環境で、犬の肉球はガサガサになることがあります。肉球にひび割れが起こってしまうと、痛くて歩けなくなるかもしれません。犬の肉球専用のクリームで、定期的に保湿してあげましょう。

ゴールデンレトリバーが犬らしい生活を送るために

ゴールデンレトリバーに必要な散歩量や散歩時の注意点、あったら便利なアイテムやグッズなどをご紹介しました。

ゴールデンレトリバーは一般的に優しい性格と言われていますが、散歩や運動が十分でないと、問題を抱える犬になってしまいます。散歩や運動は犬らしい生活を送る中で必要不可欠な要素であることを理解し、できるだけ毎日外に出すようにしましょう。

散歩中やドッグランでは、犬のしつけと同様、飼い主のマナーも求められます。他の犬や人とトラブルにならないよう、常に注意することが大切です。

長い年月をゴールデンレトリバーと健康的に過ごすために、散歩やしつけ、マナーの大切さを今一度認識しておきたいものです。