子犬の散歩、いつから始めればよいのだろう?散歩させるときの注意点は?などなど。初めての子犬との生活は楽しい半面、不安も多いのではないでしょうか?
実は、子犬の散歩はその後の性格形成にとても大きな影響を与える大切なしつけの一環です。単に「歩かせる」だけでなく、様々な経験が出来るように工夫をしてあげましょう。
今日は子犬の散歩のついてご紹介しますので参考にしてみてくださいね。
散歩デビューの時期は?
ペットショップでは、子犬の散歩デビューの時期を下記のように説明してくれる場合が多いのではないでしょうか?
〇生後3カ月頃
〇予防接種が3本すべて完了してから
これはこの時期は、予防接種で子犬に免疫力が付き、伝染性の病気にかかるリスクを回避出来る時期という目安です。犬は生後一年の間に人間の18歳程度までの成長を遂げます。つまり生後3カ月ともなると人間の年齢になおすと小学生ほどです。
その為、散歩デビューの時期も生後3カ月では遅すぎるという手法が最近では主流になっています。つまり、散歩に小学校入学の意味があるとすれば、その前段階の幼稚園、保育園の時期が必要という事です。
人間の場合、幼稚園、保育園相当の時期にいかに多様な経験を積むことで色々と勉強していきますよね。犬も同様で幼稚園や保育園に相当する期間に様々な経験をすることで、その後「社交性のある犬」に育つ鍵になります。
もちろん、予防接種がまだ完了していない時期は、病気の感染リスクがゼロではありません。その為、生後3カ月未満の時期は下記のような工夫をしながら散歩してみましょう。
〇飼い主の抱っこ
〇キャリーバックに入れ外出をする
〇他犬とむやみに接触させない
〇生後間もない、免疫力の弱い犬との接触には注意を払う
上記のようなことを心掛けておく必要があります。その後、生後3カ月を過ぎたころには次のように散歩していきましょう。
〇リードを付け、歩行させる
〇他犬、人と積極的に触れ合いをさせる
〇様々な物、音になれさせ、警戒心を払拭させる
このように2段階のステップを踏み、散歩デビューを進めていきましょう。
子犬にオススメの散歩コース
散歩デビュー間もない時期の子犬の散歩コースは次のような場所を選んであげることで子犬の負担を軽減してあげることが出来ます。
〇公園
〇幼稚園や小学校の付近
〇主治医の動物病院の近く
〇利用予定のトリミングショップの近く
〇大きな車の通る交通量の多い道
〇犬がたくさん集まる場所
〇ドッグカフェ
など様々な場所がおすすめです。まだ散歩に慣れていない時期は、飼い主の考える目的地までスムーズに歩かせる事は難しいでしょう。その為、目的地までは抱っこやキャリーバックで移動させ、現地についてから付近を散策させるという手順で十分です。
散歩デビュー間もない時期は、まだ縄張り意識が薄く、まずは社会経験を重ねる事を重視します。例えば動物病院やトリミングショップを散歩ルートに組み込んでおくと、今後も嫌がる事なく通うことができるようになります。
将来、病院嫌い、トリミング嫌いにならない為にも意識してルートに組み込む事がおすすめです。また、この時期「音慣れ」の訓練も欠かせないものです。小さな子どもの声、車の騒音、救急車のサイレン、バイクの音など様々な生活音を実際に聞かせ、音がしても危険を伴なわい事、無害であることを理解させるのです。
この経験が不足していると、部屋の中で過ごしているときに屋外からの騒音を聞き、無駄吠えをするという問題行動に繋がります。
また、他犬、人とは積極的に触れ合いをさせましょう。もちろん最初は怖がってしまい、自ら近づくことは難しいものです。しかし、遠目からでも他犬の姿を目にする事も社交性のある犬に育てるうえで大切なことです。
小型犬同士、同じ犬種同士でつい交流が多くなりがちですが、今後の生活の中では自分より大きい犬、小さい犬、年令の違う犬様々な犬とすれ違い、場を共有する機会が生じます。その為、子犬の警戒心がない時期に様々な犬、人と触れ合いの場を意識して作ってあげましょう。
散歩中に他犬に向かって過剰に吠えたり、バイクや自転車を追いかけたり、人に向かって吠える犬を目にしたことがあるでしょう。この行動の原因は生後半年までの時期の「経験不足」が原因です。
目にするものすべてが「正体不明」な存在に見え、恐怖を感じているからです。しかし、子犬のうちにこの「正体不明」を解決出来ていれば、成長後も平然とした態度で過ごす事が出来るようになります。
また、犬は動物的な本能で、自分より幼い存在に対して攻撃をする事はなく、大変寛容に接します。その為、子犬のことを他犬側も大変友好的に受け入れてくれるのです。
犬同士で、どうして相手を子犬、自分より弱い、幼いと認識出来るかというと、子犬の顔は大変丸く、平面なことが理由です。犬は成長と共にマズル(鼻先)が長くなり、尖った顔立ちになります。しかし、子犬のうちはまだ顔が尖っておらず、平面顔です。この平面を認識し、子犬と判断するのです。
生後半年をすぎると、小型犬は身体的な成長がほぼ終わり、顔立ちも大人に近い仕上がりになります。その為、生後半年までの時期の積極的な触れ合いが大変有効な意味を持つのです。
子犬にちょうどよい散歩の距離
生後一年未満の子犬の散歩は、子犬の体力、サイズによって異なります。目安としては、連続した運動は15分程度を目安にし、適度な休憩を挟む事です。例えば、15分間歩き回った後は、一旦止まり軽い休憩をします。
しかし、散歩に出る時期や時間によっては、15分の運動でも体力を消耗するほど暑いこともあります。その為、愛犬の状態、気温、道路や道の半遮熱など様々な状況を判断してあげましょう。
また、中、大型犬の場合、運動量が多く必要との事で、自転車で並走させる散歩をする事があります。この運動が適度な時間、スピードで行う分には効果がありますが、まだ骨格が完全に出来上がっていない子犬にとっては足腰への負担が大きくなりすぎます。
その為、身体的な成長が十分に終わるまでは、このような連続した長時間の運動が控えましょう。
また、子犬それぞれの必要とする運動量は性格や体質、生活環境によっても大きく変化します。愛犬がどの程度運動を必要としているかを見極めるには、ドッグランなどへ連れていき、愛犬を解放した状態で下記の点に注意してみてください。
〇どのような遊び方をするのか
〇全力疾走をする時に持続時間
〇他犬との交流の具合
〇苦手とするもの、音、犬
などを見極めてあげるとよいでしょう。
その他子犬の散歩の注意点
子犬を散歩に連れて行ける日を心待ちにしている飼い主にとって、いざ連れ出してみると、想像以上に子犬が散歩を喜ばない、立ちすくんでしまうという姿に驚き、散歩が苦手なのではと考えてしまいます。
しかし、この行動はほぼすべての子犬に起こる一時的な行動です。子犬はブリーダーのもとで誕生し、ペットショップに並び、新しい家族の元へ迎えられます。
その間、わずか1,5ヶ月~3カ月ほどですが、この期間、子犬のいる部屋は常に室温が適切に管理させ、床はつるつるとし危険物がなく、カーペットがひいてあることもあります。
しかし、散歩の為に屋外に出るという事は下記のようなことを体験することになります。
〇初めての外気の臭い、気温
〇アスファルトの感触
〇芝や草の感触や臭い
〇初めて目にする車や他人、他犬、建物
とすべてが初めて目にするものばかりです。さらに、これまで室内では思うがままに行動出来ていたものの、リードを付けて飼い主にコントロールされるのですから、混乱し、立ちすくむ事も当然です。
子犬が屋外の環境になれ、自らすすんで散歩を楽むようになるまでは次のことに注意していきましょう。
〇リードを無理に引き、強制的に歩行させない
〇子犬が立ち止まるときは、子犬に任せ立ち止まらせる
〇子犬が興味を持つもの、場所には危険がない限り、制限なく近寄らせる
という事を心掛けてあげましょう。散歩に次第に慣れてくると、今度は頻繁に周りの臭いを嗅ぐようになります。この時期、わずか数m進むにも、15分、20分と時間がかかる事もあるほどに、臭いかぎが盛んになります。
この行為も子犬の社会経験の一環なので、無理に制限をしたり、中断させる事は不要です。犬は、一度の散歩で新聞一冊分ほどの情報を収集すると言われています。情報収集の方法は、臭いを嗅ぐ事です。
この行為をくり返し、日々新しい情報に触れることも、犬にとってはストレス解消になり、他犬との交流の意味があります。
その為、この行為を制限するという事は、人間からテレビ、電話、新聞といったすべての情報を遮断する行為と同じ意味を持つのです。
子犬は、その場にあるすべての臭いが興味深く思え、必要以上に念入りに確認するものです。
この時期の散歩は、根気強く子犬に付き合ってあげましょう。子犬も次第に成長し、情報を精査するようになります。しっかりと確認しておきたい臭い、素通りしてもいい臭いを区別出来るようになり、散歩も大変スムーズになるでしょう。
また、小さな子犬を連れ、散歩をしていると他人から注目を浴びる機会も多くなります。中には、子犬に触らせて欲しいと駆け寄ってくる方、子供に犬を触らせたいという大人もいます。
この時、気を付けてあげなければいけないことは、必ずしも相手がきちんと子犬の扱い方を心得ているとは限らないという事です。中には次のような扱いを受けてしまう場合があります。
〇突然抱き上げてしまう
〇子犬の頭の上から手をかざし、撫でる
〇小さな子どもが強く子犬に触れる、尾や耳をつかむ
〇カメラで写真をとる
このような行為は、子犬に人間への不信感、恐怖心を植え付けてしまいます。子犬が将来人間嫌い、人見知りにならない為にも、他人に触れさせる時は、飼い主がリードし、どのように触るべきか、どこを触ってもいいかをしっかりと相手に説明しましょう。
また、今や写真撮影はごく日常の行為です。しかし犬にとって、カメラのレンズは実は「目」に見えているのです。動物は、相手の「目」の大きさを認識する事で、その動物の体全体のサイズを想像し、力関係を認識すると言われています。
その為、一眼レフのカメラともなればそのレンズのサイズは相当な大きさで、犬は相手が相当大きな生き物だと勘違いし、恐怖を感じます。
このような無意識の行為も子犬の性格形成には影響を与えてしまうので、相手がカメラをもっている時は、写真撮影に関しても事前の相談をしてからにしましょう。
初めての子犬の散歩おすすめグッズ
子犬にお散歩デビューに向けて、オススメのグッズをご紹介させていただきます。
首輪
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まず、首輪は散歩デビューに先駆けて、室内でも着用し、子犬に慣れさせておきましょう。最初に数日間は着用感に慣れず、気にする素振りも見られますが、自然と慣れてくるので、それまでは気長に見守ってあげましょう。
リード
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首輪に慣れてきたら、次はリードです。室内で遊ぶ時にリードを付け、飼い主と一緒に歩くという練習をします。これまでの自由な歩行とは違い、リードという負荷がかかる事は、子犬にとって相当なストレスです。その為、練習時間は短く、回数を増やし時間をかけて練習をかさねていきましょう。
おもちゃ
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散歩に出ても最初のうちは、なかなか歩行が進みません。その様な時に「音がなるおもちゃ」を用意しておくとよいでしょう。子犬が歩けない時は、飼い主が子犬の先方に立ち、おもちゃで誘導し、歩かせると次第に歩行が進むようになります。
おやつ
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おもちゃ同様、子犬の好きなおやつを使って誘導してあげるのも有効です。普段食べ慣れているおやつを持ち歩いてお散歩しましょう。
最後に
このように、子犬を家族を迎えてからの数か月は、様々な経験を積極的にかさね、しつけに取り組む大切な時期です。子犬のしつけは、焦らず、無理強いをせずに取り組んであげましょう。
見る物すべてが初めてだらけで世界で、子犬なりに新しい環境に慣れようと頑張っているのですから。子犬の成長は驚くほどに早く、散歩道で立ちすくむことも最初の数回だけです。成長後はそのような時期が大変懐かしく、ほほえましく思えるものです。
今日ご紹介した子犬の散歩のポイントを参考にしていただき、愛犬との楽しい散歩にお役立てくださいね。