犬にとって最高のペットフードとは?

犬を飼ってしなくてはいけないことと言えば、ごはんをあげること。

人間と同様、生まれてから成長するにつれて、食事は変わっていきます。

犬と人間とでは体のつくりが違うため、必要な栄養素も違います。

人間と同じものを食べさせて同じ楽しみを与えることが正しい愛情ではありません。

その犬にあったペットフードを与え健康で幸せな犬生を与えてあげましょう。

犬に必要な栄養素とは?

タンパク質

タンパク質は動物の体の構成成分であり、生きていくために必須です。

筋肉・臓器・皮膚・被毛・血管などをつくる成分で、成長を促す働きもあります。

そのためドッグフードには肉や魚が多く使用されていて、22%以上という基準があります。

中には40%近く含むものもあります。

脂質

脂肪はエネルギー源・体温維持・臓器の保護・細胞膜の生成・被毛や皮膚の健康維持に役立ちます。

体内ではつくることができないので、食事として摂取しなくてはいけません。

これが不足すると成長不良・繁殖障害・皮膚炎などを起こします。

しかし摂りすぎると肥満に繋がり、健康を損ねてしまうため、注意が必要です。

炭水化物

炭水化物は糖質と食物繊維でできています。

糖質には筋肉を動かす、体温を保つといった働きがあります。

タンパク質や脂質を摂取していれば、必ずしも必要な栄養素ではないのですが、子犬の成長に有効な役割を果たします。

ビタミン

ビタミンは生体が生理機能を維持する上で欠かせません。

しかし体内では作り出せないので食事として摂取する必要があります。

タンパク質・脂質・炭水化物だけでは十分に発育しません。

ミネラル

ミネラルは骨や歯の構成成分、酵素の活性化、体液の浸透圧の調節、神経情報の伝達、筋肉の弾性など、重要な機能を果たしています。

これが不足すると病気を引き起こします。

水分

犬の体の成分は6070%が水分であり、幼動物はこの割合が高くなっています。

水分は栄養素を溶かして循環する、老廃物を排出する、体温を維持するなどの働きをします。

動物の体は余分な水分を蓄積しておけないので、常に摂取する必要があります。

ペットフードの選び方・与え方

近年はたくさんの種類のペットフードが販売されていて、どれを選んだら良いのか迷ってしまう飼い主も多いでしょう。

一番勧められるのがドライタイプのフードです。長期保存が可能で、扱い方も簡単です。

子犬

産まれたばかりの犬には母犬の初乳を飲ませます。

母犬が分娩後12日に分泌され、タンパク質・脂肪の濃度が高く、免疫抗体をたくさん含んでいます。

生後20日頃からは乳歯が生え始めるので、離乳食を与えるようにしましょう。

食事内容は子犬用のドライフードにぬるま湯をつかるくらい入れ、15分ほど置いたものです。

熱湯を入れると含まれているビタミンが破壊されてしまいます。

ドロドロの液状のもので始まり、1日3~4回に分けて与えます。

最初は母乳でないフードをなめさせて食べ物だと覚えさせます。

ふやかす時間や水の量を減らして固形に近づけていき、母乳から離れるようにしましょう。

最後はそのままのフードを与えるようにします。

犬は生後50日~1歳くらいまでが子犬と言われています。

ほとんどのフードは子犬・成犬・シニア用と分けられているので、まず子犬用を選びます。

子犬は成犬と比べて1.5~3倍近くのカロリーを必要としており、少量でも十分なカロリーが摂れるようにできています。

成犬と同じものを与えると栄養不足になってしまうため、必ず年齢に合わせたものをあげましょう。

必要量は袋に表示されているので、犬の体重と便の状態を見ながら、お腹を壊さないように与えます。

成犬

犬が急激に成長するのは大体生後6ヵ月まで。

消化器官が発達して一度にたくさんのフードが食べられるようになり、食事は1日2回が適正とされています。

犬のベスト体重は1歳時の体重と言われており、1日のエネルギー消費量がそれまでの半分程度になります。

そのためフードも成犬用に変えなくてはなりません。

大型・中型・小型と体格で分けられているものや、避妊・去勢済みの犬用のもの、特定の犬種用のものなどたくさんあります。

小型犬の場合は一度に食べる量が少ないので、栄養成分が凝縮されてできています。

大型犬の場合は大きな体を維持するのに必要なタンパク質やカルシウムが含まれているといった特徴があります。

犬が純血種の場合、体質やかかりやすい病気を予防するようにつくられているのでおすすめです。

しかし多頭飼いで洋犬と和犬を飼っていたとすると、同じフードを与えると体に合わないことがあります。

それぞれの犬に合ったフードを与えることが大切です。

老犬

老犬になると消化機能や噛む力が弱ってきます。

運動量がどうしても減ってくるので、肥満防止のために低カロリー、そして高タンパクのものが必要です。

一度に与える量を減らして1日3~4回が適正です。

感覚機能も落ちてくるので嗜好性の高いウェットフードやスープタイプのものを混ぜてあげても良いでしょう。

犬の体に悪いものとは?

犬用フードは犬の健康を考えてつくられています。

しかし犬の食品は人間と比べてタンパク質や脂質が多く含まれているため、酸化しやすくなります。

そこで長期保存のために添加物が使われています。

体に悪いものもありますが、栄養を補うためや食いつきを良くするために入っているものもあるので、添加物全てが悪いわけではありません。

添加物には合成添加物と天然由来の添加物の2種類があります。

合成添加物とは人工的に作成した添加物のことで、保存力が高いです。

同時に有害のものが多いです。天然由来の添加物は人工的に作られていない物質で、体に無害のものがほとんどです。

使用基準がある添加物

特に危険な添加物には、フードへの含有量が定められています。

エトキシキン

保存料・酸化防止剤として使われているもので、除草剤や農薬にも使われています。

人間の食品に使用するのは禁止されています。基準値を超えた量を摂取すると、皮膚炎やガンを発症する恐れがあります。

BHA 

本来はガソリンの酸化防止剤です。

人間のバター・マーガリンや魚介冷凍食品など、限定的に使用が認められています。こちらもたくさん摂取するとガンを発症すると言われています。

BHT

本来は石油の酸化防止剤です。

こちらも人間の冷凍食品やガムなど、限定的に使用されており、発がん性物質と言われています。

亜硝酸ナトリウム

肉の保存料として使用され、同時に発色剤としての役割もあります。

肉類に含まれるアミンという物質と化学反応を起こすと発がん性物質が発生します。

フードに使われる着色料

市販のフードには見栄えを良くするために着色料が使われています。

飼い主にとっては良くても、犬はにおいで食べ物の好みを判断しているので意味はありません。

エリスロシン(赤色3号)

人間の食品にも使用されているものです。

日本では福神漬け・かまぼこ・サクランボ・和菓子などで使用されますが、アメリカ・ドイツ・ポーランドなどでは食品への使用が禁止されています。

ラットを使った実験では甲状腺腫の増加や赤血球の減少が認められ、発がん性リスクが指摘されています。

アルラレッドAC(赤色40号)

日本では清涼飲料水やガム・キャンディーなどのお菓子に使用されています。

人間の食品にも使用されていますが、様々なアレルギーの原因になると言われています。

ニューコクシン(赤色102号)

赤色3号と併用されることが多く、お菓子や漬物、ソーセージなどに使用されています。

アレルギー性や発がん性を指摘する声もあり、カナダ・アメリカ・ベルギーなどでは食品への使用が禁止されています。

ローズベンガル(赤色105号)

日本ではソーセージ、お菓子、練り物、みつ豆、寒天などに使用されています。

発がん性や染色体異常の危険性が指摘されています。

ラットを使った実験では肝臓や腎臓に悪影響があることが確認されています。

インジゴカルミン(青色2号)

日本ではアイスクリーム、チョコレート、和菓子などに使用されています。

一定量を超えて摂取すると発がん性やけいれんを起こすとの指摘があります。

健康に良くない甘味料

犬の味覚は人間と同じように甘みを感じることができます。

食いつきを良くするためにフードに甘味料が使われる場合がありますが、健康に悪いものが含まれていることもあります。

キシリトール

歯に良い甘味料として人間のガムなどに使用されています。

人間には問題ありませんが、犬にはネギ類と同じくらい危険です。

少量でも摂取すると血糖値が低下し、嘔吐や呼吸困難、腎不全などを起こすおそれがあります。

グリシリジン・アンモニエート

人間の食品には使用できない甘味料です。

安全性が確認できないことが理由ですが、犬用フードには使用されています。

人間に危険なものは犬にも危険な可能性があるので、与えるべきではありません。

コーンシロップ

潤滑剤として知られており、フードに粘り気と弾力性をもたらします。

食いつきが良くなっても、食べ続けると犬の膵臓や副腎に悪影響を与え、糖尿病を起こすと言われています。

ビートパルプ

甜菜から砂糖を取り除いた残りカスです。

安価で手に入り、繊維質であることからかさ増しの目的でもあります。

しかし犬に必要な栄養素はほとんどなく、食べすぎると便秘になるおそれもあります。

安価なフードに使用されています。

その他の添加物

ソルビン酸カリウム

人間の食品ではマーガリンやジャムの保存料として使用されています。

品質保持やカビや雑菌の繁殖を防ぐことが目的です。

しかし発がん性を指摘する声があります。

プロピレングリコール

主に食品の保湿剤として使用されています。

洗剤や化粧品、人間の食品には麺類やおにぎりなどに使用されています。

ただし強い毒性を持つため、使用量は制限されています。

犬用フードではモイストタイプや半生タイプのものに使用されています。

犬が大量にこれを摂取すると、アレルギーや腸閉塞などを起こす可能性があります。

安全な添加物

人工添加物は少量でも高い効果が得られるため食品に使用されています。

その代わり健康へのリスクも高くなってしまいます。

自然由来のものであれば、リスクは低く犬が食べても安全です。

次のものは添加物ですが安全なものです。

①ミックストコフェロール

  1. ローズマリー抽出物
  2. 緑茶抽出物
  3. ビタミン
  4. ミネラル
  5. アミノ酸

おすすめのペットフード

次に紹介するフードは多くのペットショップで入手しやすく、品質もコスパも良いのでおすすめです。

ユーカヌバ

人間も食べられる動物性タンパク質を含んでいます。

過去には人工添加物が使われていましたが、現在は天然由来のみとなっています。

小型・中型・大型犬、子犬・成犬・シニア犬など種類が豊富です。

ただし穀物が多く使われており、穀物アレルギーのある犬には向いていません。

ユーカヌバの詳細はこちら

ヒルズ・サイエンス・ダイエット

添加物には人工ではなく、天然由来のものを使用しています。

こちらも犬の年齢などの種類が豊富です。

ただし穀物が多く、穀物アレルギーのある犬には向いていません。

ヒルズ・サイエンス・ダイエットの詳細はこちら

ニュートロ・ナチュラルチョイス

主原料の肉の種類が豊富で、特定の肉にアレルギーがある犬でも食べられます。

またアレルギーの出にくい米が使われています。

年齢別の種類も豊富で、添加物には天然由来のみを使用しています。

ニュートロ・ナチュラルチョイスの詳細はこちら

犬のアレルギー症状

人間には食物アレルギーを持つ人がたくさんいます。

犬にも食物アレルギーを起こすことがあり、約40%の犬が何らかのアレルギーを抱えていると言われています。

動物病院で検査ができるので、原因は特定できるでしょう。

皮膚のかゆみ

代表的なアレルギー症状です。

犬の皮膚が赤くなる、頻繁に体を掻く、発疹などの症状が見られたら食べ物が影響している可能性があります。

目ヤニ・涙目

目ヤニとは目に入ったゴミを出すために出るものなので、少量ならば問題ありません。

目ヤニの量が多かったたり、しきりに目の周りをこすっていたりすると、注意が必要です。

下痢・嘔吐

体内にアレルギーの原因となる食物が入ると、外に排出しようとして下痢や嘔吐を引き起こします。

他の病気の場合もありますが、アレルギー症状の可能性もあります。

まとめ

人間の健康や病気は解明されていることが多いですが、犬に関してはまだわからないことだらけです。

犬を飼い始めてからわかること、犬がある程度成長してからわかることがたくさんあるでしょう。

長い間愛犬に良かれと思って与えていたものが実は逆効果だった、ずっと辛い思いをさせていたなんてことがあるかもしれません。

食事は愛犬が健康に過ごせるかどうか直結しています。

普段から犬をよく観察して幸せな犬生を送らせてあげましょう。