ボーダーコリーを飼ってみたい!性格や飼い方について

犬の中で一番賢いと言われているボーダーコリー。実際に飼っていると、他の犬に比べダントツに賢いです。そんなボーダーコリーですが、賢いので飼いやすいと思われがちですが、飼い方やしつけ方を間違えてしまうと言う事を聞いてくれない子になったり、人に迷惑をかける子になってしまったりします。

その結果手放してしまう飼い主さんも少なくありません。ボーダーコリーに限らず犬を飼う場合は、ある程度の知識が必要になります。飼い主側に知識が全くなく育ててしまうと当然、どの犬でも言う事を聞いてくれなくなってしまいます。

今回はそんな困った事にならないよう、ボーダーコリーの性格や飼い方についてまとめてみましたので是非参考にして下さい。

ボーダーコリーとは?

ボーダーコリーは中型犬です。有名な牧畜犬で牧畜犬の中でも作業能力がとても高く優れた運動能力を持っています。元々トナカイ用の牧畜犬がイギリスの在来犬種と交配して牧羊犬としてイギリスの羊毛生産を支える牧羊犬に用いられていたといわれています。

1頭のボーダーコリーで400~500頭の羊を追い込むことが出来るといわれています。現代では、その運動神経の高さから、フリスビーやアジリティーと言ったドックスポーツ競技にも向いていて大活躍をしています。

ボーダーコリーの名前の由来は、スコットランド国境近くで飼育されていた。スコットランドのボーダー地方で飼育されていたからなど、諸説あります。

大きさは一般的には15~20kg程度の中型犬クラスが多いですが、10kg程度の小型犬に近い大きさから20kgを超える大型犬に近いボーダーコリーもいます。

ボーダーコリーの毛色・毛質

一般的にはブラック&ホワイトのロングコートが多いですが他にも

・ブルー&ホワイト
・ブラウン&ホワイト
・レッド&ホワイト

4種類の毛色があります。他にも珍しいですがトワイカラーと言ってブラック&ホワイトにブラウンが混じっている毛色もあります。

続いて、毛質についてです。

ダブルコートで抜け毛が多い犬種です。日本にいるほとんどのボーダーコリーはロングコートのボーダーコリーですが、実はスムースコートの毛質を持つボーダーコリーもいます。スムースコートのボーダーコリーとロングコートのボーダーコリーで性格の違いや特徴の違いがあるようです。

ボーダーコリーの性格・特徴

色々な性格を持つボーダーコリーですが、主に上記にも書いていますが、ボーダーコリーは大変頭がよく、賢さは人間の2.3歳ほどの子供と同じほどの賢さと言われていて、活発で作業意欲の強い性格です。子犬から1年までの過ごし方や育て方で大きく性格が変わり、子犬の頃からのきちんとしたしつけがとても重要になります。

家族には大変愛情深い一方、知らない人には関心が薄いです。しかし賢いがゆえに飼育環境が悪いと性格の悪い子に育ったり、逆に飼育環境が良い子はとても愛情深く忠実な性格に育ちます。本来持っているボーダーコリーの良い性格を引き出すには、適切な飼い方、しつけ方でしっかりとした主従関係と信頼関係を気付くことが必要なのです。

飼い主さん次第で性格も左右されるという事です。ですので、ボーダーコリーを飼う際はそれなりの知識を持って飼うようにして下さい。そして上記に書いた毛質の違いで性格や特徴も変わるについてです。

ロングコートのボーダーコリー

ロングコートはオーストラリアやニュージーランド系のボーダーコリーです。人懐っこく、性格的には飼いやすい犬です。

スムースコートのボーダーコリー

スムースコートはイギリス系のボーダーコリーで性格的にはきついところがあるようです。競技にはとても向いていて運動能力もロングコートよりは適していると言われています。

ボーダーコリーの飼い方やしつけについて

ボーダーコリーは運動量が多く必要な犬種です。最低でも一日2回30分以上ずつのお散歩が必要になります。そしてただのお散歩では満足しない事が多いです。トレーニングなどを取り入れながらのお散歩だと尚良いでしょう。時間が多くとれる時はアジリティーやフリスビーなどで遊んであげましょう。

ボーダーコリーで最も多い問題行動は

・噛む
・動くもの(車や走る人)などに対して吠える
・自分の世界に入ってしまうと呼んでも来ない
・拾い食い

などです。無駄吠えは近所迷惑にもなります。呼んでも来なかったり、拾い食いは事故にも繋がりとても危険です。

しつけは子犬のうちからしっかりとおこなうことが重要になります。愛玩犬と同じように育てているととても扱いにくい犬になってしまいます。賢い犬なので、他の犬と比べ覚えも早くしっかりといろいろな事を覚えてくれます。

ですが、ずるがしこい面も持っています。例えば、吠えたら誰かが声をかけてくれたり、相手をしてくれたりするという事がわかれば無駄吠えが酷い子に育ってしまいます。ゲージの中で排泄をすると出してくれるとわかれば小分けに排泄をして何度も出してもらおうとします。

飼い主さんが少しでも自分より下だと思われてしまうとそこにつけこんでくることもあるくらいずるがしこいです。しつけのポイントは「メリハリをつける事」「上下関係をしっかりと認識させる」です。叱る時は低い声で厳しく、褒めるときは大袈裟なくらい褒めてあげるなどのメリハリをつける事が大切です。

上下関係がしっかりしていないとしつけはまず出来ないでしょう。飼い主さんを、お世話係り程度にしか思わなくなるので自分勝手な子に育ってしまいます。こうなってしまうともう手のつけようがない!と手放してしまう人が多いですので、こうならない為にも上下関係はしっかり把握させるようにしましょう。飼い主さんの努力次第で素晴らしい家庭犬になれる犬種です。

ボーダーコリーはいたずらが大好き

室内飼いだと特に困るのが「いたずら」です。ティッシュをびりびりにする、ゴミ箱をあさるなど、そんなのはまだまだ可愛い程度です。ソファーは掘ってびりびりに破いたり、家電製品は線を噛みちぎったり噛んで掃除機やドライヤーなどに穴をあけたり壁紙もびりびりにされたりと、本当にいたずら好きです。

こちらもしつけで治す事はできますが、理解してくれるまでは、思いもよらないいたずらは覚悟しておいた方が良いです。後は、飼い主さんがいたずらされそうな物を届く所に置いておかない工夫をする事も大切です。

ボーダーコリーは可愛いだけで飼ってはいけません

同じボーダーコリーを飼っていてもやはり知識が無い飼い主さんが飼うのと、飼う前に勉強をし、しつけの知識を多少でも持っている飼い主さんが飼っているのとでは、性格も大変さも大きな違いがみられます。

ですので、ボーダーコリーを飼いたいと思っている方はしつけについて十分な知識を持つ必要があります。しつけをしっかりしてあげることで上記にも書いた通り、どの犬種よりも扱いやすく最高なパートナーになりますよ。

こんな方にはボーダーコリーをおすすめできないという事についてまとめてみました。

・仔犬を迎えたら、すぐにそしていつも子犬と遊んでいたい方。
・子犬を迎えたらすぐに室内でも室外でも自由にさせて飼っていきたい方。
・散歩に行くときは子犬の時からロングリードで犬を自由に歩かせたいと思っている方。
・子犬が排泄物で汚れてしまうのは絶対に嫌だと思っている方。
・吠える犬は嫌だと思う方。(ボーダーコリーは比較的吠え声が大きいです。)
・しつけは面倒(嫌だ)だと思ってる方。
・子犬の時から何もしてなくても、おとなしく、静かにいつもそばに寄り添っている犬が飼いたい方。
・トレーニング時間が十分に取れない方。

ひとつでも当てはまると思われる方は一度飼う事を考え直す事をおすすめします。

ボーダーコリーは、運動量はもちろん必要ですが運動量だけではなく、コミュニケーションをとる時間も大切です。ただ運動を沢山させておけばストレスが溜まらないわけではありません。

最もストレスがたまるのは、コミュニケーション不足です。普段の散歩の中でもトレーニングを少し取り入れる工夫をするだけでも(例えばフセやマテ、お座りなど)コミュニケーションになり、短い距離での散歩でも満足してくれます。

ボーダーコリーの病気について

股関節形成不全

大型犬に最も多いと言われている病気ですがボーダーコリーもよく発症します。遺伝によって発症する場合と、飼育環境や事故で発症する場合があります。

関節が完全に外れている、又は外れかかっているなどといった股関節が正常でなくなってしまうという病気です。運動する事や、階段の上り下りを嫌がる様になったり、腰をくねくね動かしながら歩いているなどが見られる場合は要注意です。

軽度ですと薬の服用などで痛みを抑えることが出来ますが、重度でしたら手術が必要になります。対策としては子犬のうちに体重管理を行う事、飼う前に先祖に股関節形成不全になっている犬がいるかどうかを調べてもらうなどの対策をしておきましょう。

又、運動を沢山させないといけないからといって散歩時間を長時間にしたり、ハードな物にするのも股関節形成不全になる原因と言われているので、運動のさせ過ぎには注意してください。

コリー眼異常

ボーダーコリーの病気でもあるのですが、オーストラリアンシェパードやシェルティーなどにも発症が多いと言われています。軽度の場合は症状はさほど現れないのですが、重度になると、網膜がはがれ、出血、最悪の場合は失明に至る事もあります。

この病気は先天性遺伝の病気なので対策がなく、治療の手段も現在見つかっていないのが現状です。飼う前にこの病気になっている先祖がいるかどうかを問い合わせる事を忘れずに。

セロイド・リポフスチン症

発症するのは大体2歳頃からです。普通に過ごしていた犬が急に何の前触れもなく症状がでるケースがある遺伝性の脳疾患です。

こちらもボーダーコリーの病気です。特徴としては歩くときに方向感覚に異変がある、見覚えのあるものに不安になったり恐怖心を必要以上に感じたりする等、行動がいつもと違うという状態が出てきます。運動や視覚の異常、攻撃的な行動をとるようになった場合は進行具合が早くなると言われています。犬によっては一生発症しないこともありますが一度発症してしまうと改善方法が現在見つかっていません。

これらの遺伝性疾患の一番の予防方法は両親や先祖にこういった病気の発症の有無を確認する事、信頼しているブリーダーさんから購入する事が一番の予防策になります。

ボーダーコリーのケア

ブラッシング

ボーダーコリーはダブルコートで抜け毛が多いため、毎日のブラッシングが必要です。特に冬と夏の換毛期の時期には、大量に抜けるので、部屋中毛だらけになるほどです。

しっかりブラッシングをしないと抜け毛が溜まり皮膚病になってしまいますし、毛玉も沢山できてしまいます。毎日できない場合でも、最低週に2回以上はブラッシングを必ず行いましょう。

耳掃除

ボーダーコリーは垂れ耳、立ち耳、反立ち耳と様々なタイプがあります。特に垂れ耳の子は耳垢が溜まりやすいですので、こまめに耳掃除をするようにしましょう。耳の皮膚が赤くなっていたり、黒い耳垢が出る場合、ニオイが気になった場合は外耳炎や細菌感染などの疑いがあります。

また、耳を痒がったり頭を振る姿をよく見かけるようになると耳ダニ感染の可能性もありますので、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
耳掃除は週に1回程度犬専用のイヤークリーナーを使って行いましょう。

まとめ

ボーダーコリーには、飼ってみないとわからない魅力が沢山あります。ボーダーコリー愛犬家の方が必ず、「次も飼うとしたら絶対ボーダーコリーがいい。」「ボーダーコリー以外は飼えない!」と言われるくらい魅力的な犬種です。

実際にしつけは大変ですが、きちんとしつけをしていると本当に賢い犬なんだなと思い知らされるほどです。喜怒哀楽の表現も上手で言葉も沢山覚えてくれる本当に良いパートナーになってくれます。

ですが、しつけがうまくいかず、言う事を全く聞いてくれなく、いたずらばっかりしてもう手に負えないと、手放してしまう飼い主さんも沢山いるのが現状です。ボーダーコリーの購入を真剣に考えている方はしつけについて沢山勉強しておくことを強くおすすめします。