愛犬を預けるにはどこがいい?預け方や準備するものは?

旅行や出張などで長期間家を留守にする際に、愛犬の預かり先に迷うことがあるかもしれません。

お決まりの預かり先がある方はまだしも、今までに預けたことがない方はまず情報収集から始めなければなりません。

愛犬の預かり先として、ペットホテルがメジャーな選択肢かもしれませんが、実はもっと幅広い預け先があるのです。

今回は、愛犬の預け先に最適な施設やサービスをご紹介します。

犬を預かってくれる施設はどんなところ?

ペットホテル

ペットホテルは飼い主が長期間留守にしている間に愛犬を預かってくれる宿泊施設です。現時点でペットホテルは全国に6,000以上あるようです。

ペットホテルと一言で言っても、色々な形態があります。

動物病院との併設

大きな動物病院の中には、ペットホテルが併設されている施設があります。

動物病院に併設されたペットホテルに預けるメリットとしては、持病があったり年配であったりなど、健康に懸念点がある愛犬を安心して預けられるという点が挙げられます。

糖尿病などで定期的に薬を服用している愛犬だと、病院のスタッフが健康管理をしっかりしてくれるのでオススメです。

ペットショップとの併設

ペットホテルに併設されているペットホテルでは、そこで購入した愛犬の場合、割引がきくことがあります。そこで購入していなくても、会員になると割引されることもあるようです。

犬の飼育に詳しいスタッフが常駐しているため、こちらもまた安心して預けられる施設でしょう。ただし、持病がある犬は預からないと決めている施設も多いのが現状です。

ペットホテル専門の業者

ペットホテルのみを事業としている施設は、愛犬が心地よく泊まれるような環境に配慮しているのが特徴的です。

部屋のサイズや散歩の回数など、飼い主の希望に合わせてどのように宿泊させるのか決めやすいと言えます。

飼育場所を清潔にし除菌もしっかりしているため、預かり先の衛生面が気になるという方におすすめです。

ペットホテルの相場

下記はペットホテルに預ける場合の1泊あたりの相場です。通常、犬のサイズによって料金が異なります。

・小型犬:3,000円~
・中型犬:4,000円~
・大型犬:5,000円~
・超大型犬:6,000円~

ドッグホスト・ドッグシッター

最近ではインターネットで旅行者が宿泊先を探せるマッチングサイトが人気を呼んでいますが、ペット業界にもマッチングサイトが進出しているのです。

愛犬を預けたい飼い主がサイト上で条件を絞って検索することで、それに合ったホストやシッターを見つけられるようになっています。ホスト・シッターとして登録している人は獣医師の資格がある人や犬を飼った経験がある人など、資格や経験が豊富な人ばかりです。

ドッグホスト・ドッグシッターのマッチングサイト

・ANYTIMES https://www.any-times.com/

・DogHuggy http://doghuggy.com/

・dogwith https://dogwith.me/

ドッグホスト・ドッグシッターの相場

・小型犬:2,500円~
・中型犬:3,500円~
・大型犬:3,000円~5,000円程度

訓練所

愛犬のしつけをしてくれるのが訓練所の役目ですが、しつけもかねて一時的に預かってくれる訓練所もあります。

ペットホテルに比べると衛生面などがやや劣るかもしれませんが、愛犬のしつけがなかなかできなくて困っている飼い主にとっては一石二鳥ではないでしょうか。

プロの訓練士が預かっている間にみっちりしつけをするため、迎えた時に飼い主が愛犬の変わりように驚くこともあるようです。

基本的なしつけから高度な訓練まで、それぞれの犬に合わせるため、飼い主のニーズに合ったしつけができるでしょう。

さらに、飼い主に対してもしつけの指導を行うことも多いため、しつけが苦手な方は預ける前後に愛犬と一緒にトレーニングを受けることをおすすめします。

訓練所に預ける場合の相場

訓練所では犬のサイズに関係なく預ける期間によって料金が決まるシステムがほとんどです。1ヶ月間預ける場合、3万円~5万円を相場として見ておきましょう。

愛犬を預ける前に

預かり先によって預かる犬の条件が定められています。特に定められていない場合でも、飼い主のマナーとして下記の点は最低限気をつけるようにしましょう。

ワクチン・予防接種を済ませておく

多くの施設では、ワクチンや予防接種を受けている証拠として証明書の提示を求められます。

犬用のワクチンは4種混合や7種混合など様々な種類があります。預かり先によって最低限受けるべきワクチンの種類があるため、事前に調べておくことをおすすめします。

なお、ワクチンと狂犬病の予防接種は同時に受けることができず、少なくとも1週間の間隔をあける必要があります。預ける直前だと間に合わない可能性があるため、余裕をもって受けるようにしましょう。

また、狂犬病の予防接種は毎年義務付けられているもので、受けていないと狂犬病予防法27条により20万円以下の罰金を課されます。いくら預かり先が予防接種の証明を求めてこないからと言って受けずにいると、法律に違反することになりますし、愛犬の健康を損なう恐れもあるため、必ず受けましょう。

ノミ・ダニの駆除・予防

ほとんどの預かり先では、ノミ・ダニの駆除や予防をしていない場合、預かってはくれません。市販のノミ・ダニ予防薬で良しとするところもありますが、中には動物病院で処方される薬しか有効だと認めないところもあるのです。

ノミ・ダニがいると他の犬にも移ってしまい、その飼い主にも迷惑をかけることになります。ノミ・ダニの予防は愛犬の健康を維持することにもつながるため、預ける前はもちろん、普段からしっかりとノミ・ダニの駆除・予防をしておきましょう。

留守番に慣れさせておく

長時間ひとりでいることに慣れていない犬は、急に飼い主が長期間いない環境に陥ると不安を覚えることがあります。

特に常に飼い主と一緒にいる犬の場合、分離不安で大きなストレスを抱え、吠えや破壊などの問題行動を起こす可能性があるでしょう。

そうなると預かり先でトラブルを起こす恐れがあり、次回から預かりを拒否されることもあり得ます。

飼い主のそばを離れても愛犬の精神が常に安定するように、日頃から留守番に慣れさせておくことが大切です。始めのうちは30分を目安に留守番をさせましょう。慣れてきたらだんだん留守番の時間を長くしていきます。

その際に、ひとりでいることが苦痛ではないということを学習させることが成功につながります。留守番をさせる際におもちゃやおやつを置いて、愛犬が夢中になれる環境を作ってあげましょう。

犬は広いスペースよりも、決まった場所で休むことを好みます。留守番中は家の中で自由にさせるよりも、ケージなどの決められた場所を確保してあげることをおすすめします。預かり先によっては長時間ケージに入れられることもあるため、狭い場所に慣れさせるためにも、飼い主の留守中はケージで留守番させることが良いと言えます。

留守番に慣れさせることは大切ですが、あまりに長い時間留守番させておくと心身に悪影響をもたらします。

問題行動を改善する

噛み癖、強引、無駄吠えなど愛犬が何かしらの問題行動を起こす傾向にある場合は、預ける前にできるだけ改善することが大切です。

噛み癖は子犬や小型犬だから大丈夫だと楽観視する方も多いのですが、成犬になると噛む力が強くなりますし、小型犬でも小さな子供や他の犬をケガさせる恐れがあります。

預かり先で散歩に行く際に引っ張り癖が目立つと、散歩させている人が転倒するかもしれません。預かり先では一度に複数の犬を散歩させることが多いため、他の犬の散歩を邪魔することにもつながるでしょう。

よく吠える犬は珍しくありませんが、度が過ぎてしまうと他の犬にも悪影響をもたらし、近所迷惑にもなるかもしれません。

このように、愛犬の問題行動は様々な場面に影響を与えるため、預かり先に迷惑がかからないように今のうちに改善しておくことをお勧めします。

なお、問題行動が見られる場合にはペットホテルやドッグホストよりは、訓練所の方が宿泊と同時に問題行動の改善に尽くしてくれるでしょう。

他の犬に慣れさせる

ペットホテルや訓練所では、他の犬と共同で宿泊することになります。慣れていない状態でいきなり他の犬に囲まれた環境に置かれると、警戒心や不安から吠えたり噛んだりすることがあります。

愛犬が最初から安定した気持ちで宿泊できるように、あらかじめ他の犬との接触を持つようにしましょう。近所で飼われている犬、日々の散歩やドッグランで出会う犬には、その飼い主の許可を得て愛犬と触れ合わす機会を持ってみてください。

試しに短期間預けてみる

人間も長期の間知らない場所に寝泊まりするのは、多少のストレスを感じるでしょう。犬も同様に、生活する環境がガラリと変わるとストレスを感じます。 それを和らげるために、宿泊場所を今のうちに馴染みある場所にすることをおすすめします。

本格的に預ける前に1度半日だけ預かってもらいましょう。それができたら、次は丸1日預けると良いです。もしそれでも行きたがらない、不安や恐怖を感じているようであれば、預け先を変えた方が良いと言えます。

預かり先に持っていくべきもの

いよいよ預ける時が来たら、預かり先に持っていくものを決めましょう。中には持ち物が何も必要ないところもありますが、愛犬が安心して宿泊できるように日頃使用しているものを持っていくことをおすすめします。

ワクチン・予防接種の証明書

ほとんどの施設で提示を求められるのがワクチンと予防接種の証明書です。1年以内に受けているかを見られるので、前回受けたのが1年以上を経過している場合は、動物病院で新たに受けて証明書を発行してもらいましょう。

ドッグフード・おやつ

ドッグフードは預かり先で用意されていることも多いのですが、なるべく普段与えているものをあげるようにしましょう。

ペットホテルなどでは預かる際に1回分の食事の量を聞いてきますが、1回分ずつに分けて持っていくと与えすぎの防止につながります。

アレルギー持ちだったり体重制限をしている愛犬の場合、食生活により気を使わなければならないため、やはり家から持っていった方が良いでしょう。

迷子札

預かり先から脱走して迷子になってしまうことも十分あり得ます。迷子になったきり帰ってこない、見つからないということが起きないように、首輪に名前や連絡先が記載された札をつけておきましょう。

最近では犬を購入したり引き取る際にマイクロチップを身体に入れるケースが増えていますが、誰でもどこの犬なのかわかるように、迷子札は必要と言えます。

匂いがついたタオルや毛布

犬は見知らぬ場所に行くとあちらこちら匂いを嗅ぎ回って落ち着かなくなります。その際に自分の匂いがついているものがあると、ある程度安心できるのです。

預かり先に愛犬の匂いがついたタオルや毛布を持っていくと、滞在中に不安を少しでも抑えることができるでしょう。

トイレグッズ

これは必ずしも持っていくべきものではありませんが、室内の決まった場所でトイレをしている犬でも、見知らぬ場所に行くと不安や混乱から辺り構わず排泄してしまうことがあります。

ペットホテルや訓練所などはそういったことに慣れているかもしれませんが、他人の家に預ける際にあちらこちら排泄してしまうと迷惑がかかってしまいます。

それを防ぐために、いつも使用しているトイレトレーやトイレシートを持参すると良いでしょう。

愛犬に持病があり定期的に薬を服用している場合は、預かり先に薬を持っていきましょう。ただ薬を渡すだけでなく、預かってくれる人に服用方法など薬についてしっかり説明することが大切です。

薬を与えるのを忘れられることもあり得るため、心配な方は動物病院が経営しているペットホテルに預けることをおすすめします。

飼い主も愛犬も安心できるようにリサーチ・準備が大切

愛犬を一定の期間預けるだけと言って、預かり先や準備を疎かにしてしまっては愛犬を不安にさせますし、トラブルが起こる可能性も高くなります。

飼い主も犬も安心できるような預かり先を見つけたら、飼い主が留守の間、愛犬が有意義に過ごすことができるような環境を整えてあげましょう。

せっかく預かり先を見つけても、予防接種やノミ・ダニ予防など適切な処置を受けていないことで断られるかもしれません。これらは犬の飼い主が持つべきマナー・義務でもあるため、預ける直前に慌てないように普段から徹底しておきましょう。